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【N#94】2021年を振り返って(3)〜分子栄養学に出会ってから2年(総括編①)〜栄養治療は教科書通りに行かない

はじめに

こんにちは!東京・渋谷(恵比寿)でロルフィング・セッションと栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。
2021年末も残すところ、あと1週間となった。

私は、1998年頃に発症したアトピー性皮膚炎の治療に取り掛かってから、25年近くになる。
その間、瞑想(マインドフルネス)、ヨガ、パワーストーン治療、筋トレ、漢方、電磁波対策等、さまざまな治療に挑戦、取り組んできた。

ここ2年2ヶ月は、分子栄養学(オーソモレキュラー)の治療を中心に、アトピー性皮膚炎の治療にあたっている。
そこで、2021年の年末を迎えるにあたって、治療を振り返ってみたいと思う。

分子栄養学との出会い〜中村恵理子さんと安藤麻希子さん

分子栄養学を知るきっかけを与えていただいのは、2017年6月頃から月1回のペースで自律神経を整える「高温熱熱刺激療法(以下温熱療法)」でLe Salon De Figueの中村恵理子さん(以下恵理子さん)だ。

Le Salon De Figueでは、温熱療法以外に、根本的な体質改善を目指す栄養指導を軸に、必要に応じて、植物療法、メディカルサプリ等、様々なアプローチを取り入れている。
特に、分子栄養学も詳しく、学ぶことが多い。

恵理子さんのお勧めもあって「分子栄養学」と出会う。
そこで、血液検査を初めて受けたのが2019年5月〜6月頃。
1)分子栄養学に基づく「栄養分析プログラム」(25OHビタミンD検査を含む)(2019年5月13日に血液検査(統合医療クリニック・ハタイクリニック(祐天寺)で実施))
2)「有機酸検査」(2019年6月10日に検体を送付、あんどう口腔クリニックに依頼、尿検査)
の保険適用外検査を依頼した。

2019年6月26日(水)、恵理子さんから札幌市在住のあんどう口腔クリニックの歯科医師の安藤麻希子さん)をご紹介いただき、恵理子さんが同席しつつ、札幌と東京をZOOMで結び、1時間ほどテレカンを実施。

安藤さんは、分子栄養学に対する知識も素晴らしいのだが、なんといってもご自身が、鬱になり、栄養学を通じて立ち直った経験があるのが大きい。
分子栄養学に対するパッションを感じているので、学んでいて気持ちがいい(安藤さんの人柄については「安藤麻希子先生のセミナーを受講して〜子育ての際に知ってほしい栄養について」に書いた。

その後、恵理子さんによる分子栄養学の見地からみた個別の栄養指導を受けた(「栄養分析プログラム」の結果+体質を理解すること:胆汁のうっ滞、SIBO、肝機能;糖質制限の向き・不向き」、「有機酸検査の結果+体質を理解すること:カンジダ菌、シュウ酸、ビタミンB群不足のこと。そこから先は?」参照)。

恵理子さんから指導を受けながら、1年間、栄養治療に取り組む。

アトピー性皮膚炎の症状の再発〜対処療法とその先

残念ながら、2020年1月〜4月にかけて、アトピー性皮膚炎の症状が再発。
一時、背中の皮がめくれ、洋服もまともに着れない日々を過ごすことになる。
脱ステロイド生活を送っていたが、ステロイドに頼る生活に逆戻り。
治療が振り出しに戻った。

実際、どのような取り組みを行なっていたのか、試行錯誤の歴史について「どのように腸内環境を整えていくのか?〜アレルギー性皮膚炎とリーキーガット症候群、上咽頭炎の関係〜自分で検証して行った結果はどうなったか?」に書いたので、ご興味があったらぜひチェックいただきたい。

一番大きかったのは、
自力で、サプリを取り、食事や保湿を含めたアプローチだけでは限界を感じる
ようになったことだ。

近くの皮膚科のクリニックに通って、応急処置的に、ステロイドや漢方薬、保湿剤を使用。
2020年9月には症状がある程度治まってきて、体調も回復してきた。

ナチュラルアートクリニックの御川先生との出会い

これは、東京にいる専門医に罹って、徹底的に生活を含め見直したほうがいいと感じるようになる。

幸運なことに、妻の亜希子は、2019年12月からナチュラルアートクリニックで週1回、院長の御川安仁(みかわやすひと)(以下御川先生)の診察内容の書記のバイトをしている。
妻のお勧めもあり、2020年10月23日に初めて妻と一緒にクリニック(東京・四ツ谷)に伺い、御川先生から診察を受けた。

御川先生は、麻酔科医としての経験があり、西洋医学のさまざまな薬を使った経験の持ち主。
アトピー性皮膚炎の治療に対して、ステロイド剤、抗ヒスタミン剤等の西洋の薬を併用しつつ、栄養を取り入れているのが面白い。

私は、大学・大学院時代、生化学・分子生物学の研究に携わっていたが、その目から見ても、御川先生の知識は相当詳しく、全ての疑問に対して答えてくれる。
10分の相談が5,000円(税抜)と保険外診療となるが、毎回学びが大きい。
この1年間で、サプリメントについての知識、生化学の知識が広がったのは御川先生のおかげといってもいい。

自分の身体の課題〜腸内細菌叢のバランス、炎症、解毒能力の問題、抗酸化作用の低下

初診の当時、
御川先生からは、
アトピー性皮膚炎を含む慢性炎症の原因として、
・腸
・解毒、抗酸化作用の低下
・自律神経(交感神経優位)
・コルチゾール低下
・抗炎症以外の栄養欠乏
等があることの説明を受けた。

私の身体の問題点としては、
1)腸がかなりDysbiosisの状態にあること(Dysbiosisとは、腸内細菌叢を構成する細菌種や細菌数が減少して、多様性を失っていること)、
2)解毒系(特にグルタチオンを合成する経路)に負荷がかかっていて、有害ミネラル(水銀)の影響により、うまく働いていない。
3)胃酸分泌と解釈もできるが、酸化ストレスに対処する能力が低い。
4)ビタミンAやDの値が低いため免疫力が低い(風邪が引きやすい)
といったことを教えていただいた。

治療方針〜栄養を満たしてから、腸内環境を整え、有害ミネラル排出へ

そこで、2020年11月から2021年11月の1年1ヶ月、以下の4つのステップでアトピー性皮膚炎の治療を行うことになった。
具体的には、
1)細胞の発電所と呼ばれるミトコンドリアが働けるように、関係する回路(TCA回路、電子伝達系)を回していく(約2ヶ月間、2020年11月〜2021年1月)
2)腸内環境を整える(1):腸内細菌(プロバイオテイックス、酪酸菌、乳酸菌、ビフィズス菌)を補い、腸内壁を整えるL-グルタミンを取り入れる(約3ヶ月間、2021年1月〜4月)
3)腸内環境を整える(2):腸内細菌の中で有害と言われている、真菌(カンジダ)や細菌(クロストリジウム)を抗真菌薬とハーブ(抗菌薬)で除菌する(約3〜6ヶ月間、2021年5月〜2021年10月)
4)有害ミネラルの解毒・排出:重金属除去:水銀、カドニウム等の重金属を身体から除く作業(約3ヶ月間、2021年10月〜11月)
の4つのステップだ。

教科書通り進まない栄養治療〜実感することが大事

4つのステップに取り組むようになり、アレルギー症状が徐々に寛解していったが、腸内環境の有害と言われる真菌(カンジダ)、細菌(クロストリジウム)の除菌を、インターフェースや百草丸を使って行っていた段階から、再び、症状が出てくるようになる。

そこは、ステロイド剤や、真菌(カンジダ)が作り出すアセトアルデヒドを除去する、活性炭やサプリメントを補いつつ、症状をコントロールしていった。

最後の有害ミネラルを排出する方は、特に、アレルギーの症状がひどく、御川先生から相談を受けながら、ゆっくりと行っていった。

2021年11月10日には、有害ミネラルを排出するサプリメントをとるのを終えたが、アレルギーの症状が治る気配がなく、御川先生に相談することが多くなった。

各ステップで、血液検査を行い、血中の脂質、蛋白質、ビタミン、ミネラルが足りているかどうかをチェックしていった。
みなさん、分子栄養学で、この値だと、解毒回路が回る、AST、ALTだとビタミンB6、LDHだとビタミンB3と覚えるが、実際に治療を受けていると教科書通りに進むとは限らない。

なんといっても血液の濃度をいくら高めたとしても、実際に細胞で使われるとは限らないのだ。
そこは、自分自身で、栄養学について勉強をし、自分の身体を理解した上で、栄養に詳しい専門の医師に色々と質問をした。
実際、御川先生は、私の質問に対して全て明確に答えており、本当に勉強になった。

治療は、教科書通りには進まない。
「自分の身体は自分で治すのだ」
という気持ちの方が分子栄養学の知識を身につけることよりも大事なんだと思う。

2022年の治療方針〜身体全体の炎症に取り組む

私が抱えている課題は、
1)交感神経優位が続いている
2)ビタミン群、ミネラル群の血中濃度が高まっているが、細胞内で利用されているとは限らない
3)腸内細菌叢のバランスが崩れているため、良質な脂肪酸(オメガ3)をいくら取り入れても代謝されず、炎症が抑えられない
4)有害ミネラル(水銀)が抜けきれていないので、解毒回路がうまく回っていない
となっている。

血中濃度を上げても、炎症が起きているため、細胞の中に栄養が取り入れられていない問題があることから、
細胞膜を整えるためのサプリ(フォスファチジルコリン、PC)、オメガ3の代謝産物(SPM)、腸内細菌叢のバランスを整えるため酪酸(制御性T細胞、炎症を抑制する細胞)等を取り入れることで、炎症を抑えられることを期待。
再度、腸内細菌叢を整えて、有害ミネラルを排出するプロセスまで進めればと考えている(詳しくは「有害ミネラルの解毒・排出(5)〜分子栄養学の治療は一筋縄ではいかない〜有害ミネラル排出後の治療方針」参照)

まとめ

1年間の治療を通じて、気づいたことがたくさんあった。
課題として、身体の炎症が十分に抑えきれていない。

サプリメントを補うことで、炎症をコントロール。
その後、重金属(特に水銀)の排泄を進めていくか、腸内環境を整えていくのか?を含め、行っていく予定だ。

とにかく、栄養治療は、教科書通りに進むとは限らない。
やはり、自分で栄養療法に関しては、経験し、一つ一つ対策を打っていくことで良くなっていくことのように思う。

2022年も引き続き治療に取り組んでいきたい。
そして、来年こそは、劇的にアレルギー症状を改善していきたい。

更に、トラウマによって、アレルギーが出ているので、ソマティック・エクスピリエンスやボディワークのセッションも受けることで
自律神経系にアプローチできればと考えている。

今年も、色々な方に、ブログを読んでいただいた。応援していただいた方々に感謝を申し上げたい。

過去の記事〜2020年10月からの分子栄養学の取り組みについて

過去の取り組みについては、下記の記事をチェックしてください!
御川先生の診察と血液検査〜アレルギー性皮膚炎の治療の再開」(1回目の診察)
分子整合栄養医学って何であり、どのように発展してきたのか?〜歴史からみる
血液検査から何がわかるのか?〜腸内細菌の環境、蛋白質・脂質がどのように身体内で利用されているのか?神経伝達物質はどうか?を含め」(2回目の診察)
細胞のエネルギー代謝の働きを高めるステップ1から、次の腸内環境を整えるステップ2へ」(3回目の診察)
腸内環境を整えるステップへ〜リーキーガット症候群とは何か?〜何に取り組んでいるのか?」(3回目の診察から1週間後)
「水素点滴」の治療を受ける〜アトピー性皮膚炎治療の一環として〜BAPとdROMsテストで検証」(水素点滴を5回受ける)
「水素点滴」の治療を受け終えて〜BAPとdROMsテスト検査と今後の方向について
サプリメント+ステロイドとの併用〜必要ならば西洋の薬を使うことが大事」(4回目の診察)
腸内環境の除菌(1)〜食事制限と抗真菌サプリメントを使った治療へ」(5回目の診察)
腸内環境の除菌(2)〜真菌と細菌の違い+ダイオフとは何か?」(5回目の診察から2週間後)
腸内細菌の除菌(3)〜ダイオフ症状(アルコール、重金属、メチレーション回路)について」(6回目の診察)
腸内環境の除菌(4)〜ダイオフ(痒み、brain fog)への対処はうまく行っているのか?+食事(グルテンフリー、カゼインフリー)をどう工夫しているか?」(6回目の診察から2週間後)
腸内環境の除菌(5)〜「活性炭」を使う意味〜そもそも活性炭とは何か?」(7回目の診察)
ビタミン(サプリ)の効果の検証〜7ヶ月(2020年11月〜6月)の取り組み、医師の下、血液検査の結果」(8回目の診察)
腸内環境の除菌(6)〜カゼインフリー、麹フリー、グルテンフリー、砂糖フリーの生活をどう送っているのか?
腸内環境の除菌(7)〜INTERFASE(真菌の除菌)から日野百草丸(真菌、細菌の除菌、整腸、粘膜修復、健胃)へ」(9回目の診察)
腸内環境の除菌(8)〜ミネラル・脂質の血液検査・途中経過〜どのように検査値が変化しているか?」(10回目の診察)
腸内環境の除菌(9)〜モリブデンとセレンを取り入れることとその意味」(11回目の診察)
腸内環境の除菌(10)〜新型コロナワクチン接種・1回目(ファイザー)と血液検査の値への影響について」(12回目、13回目の診察)
有害ミネラルの解毒・排出(1)〜毛髪ミネラル検査の結果+グルタチオンの解毒+有害ミネラル排出の治療方針について」(14回目の診察)
有害ミネラルの解毒・排出(2)〜有害ミネラル排出の治療方針:クロレラ(八重山)+チオラ等を服用、手順は?
有害ミネラルの解毒・排出(3)〜重金属治療の前半終了、ワクチン接種2回目後の経過等」(15回目の診察)
有害ミネラルの解毒・排出(4)〜重金属治療の1クール目終了、ワクチン接種2回目後の経過、次の治療方針」(16回目の診察)
有害ミネラルの解毒・排出(5)〜分子栄養学の治療は一筋縄ではいかない〜有害ミネラル排出後の治療方針」(17回目、18回目の診察)

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