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【N#93】有害ミネラルの解毒・排出(5)〜分子栄養学の治療は一筋縄ではいかない〜有害ミネラル排出後の治療方針

はじめに

こんにちは!東京・渋谷(恵比寿)でロルフィング・セッションと栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。
2020年10月から、月1回、ナチュラルアートクリニックの院長の御川安仁(みかわやすひと)先生(以下御川先生)にお世話になっている。

分子栄養学の治療を行うようになってから、あっという間に1年2ヶ月。
如何に、分子栄養学の治療は教科書通りに進まないことを、知っていただくために今回も、栄養療法の進捗状況をシェアしたい。

分子栄養学の治療の4つのステップ

現在、
1)細胞の発電所と呼ばれるミトコンドリアが働けるように、関係する回路(TCA回路、電子伝達系)を回していく(約2ヶ月間、2020年11月〜2021年1月)
2)腸内環境を整える(1):腸内細菌(プロバイオテイックス、酪酸菌、乳酸菌、ビフィズス菌)を補い、腸内壁を整えるL-グルタミンを取り入れる(約3ヶ月間、2021年1月〜4月)
3)腸内環境を整える(2):腸内細菌の中で有害と言われている、真菌(カンジダ)や細菌(クロストリジウム)を抗真菌薬とハーブ(抗菌薬)で除菌する(約3〜6ヶ月間、2021年5月〜2021年10月)
4)有害ミネラルの解毒・排出:重金属除去:水銀、カドニウム等の重金属を身体から除く作業(約3ヶ月間、2021年10月〜11月)
の4つのステップで治療を進めている。

2ヶ月半の経過〜アーシングマットとメラトニン+CBDオイル

まずは、ここ2ヶ月半(10月13日〜12月24日)の変化をまとめたい。
1)最初の1〜2週間、少しだるさがあるが、有害ミネラルを排泄させるサプリメントによる影響はなし。
2)2〜3週間、脳が曇る感じと、アレルギー症状は少々出てきたので、ステロイドの利用頻度を上げる。
3)3〜4週間、身体が徐々に軽くなっているのを実感。
4)5週間以降、ワクチン接種の影響からか、アレルギー症状が出てきた
5)5週間以降、アレルギー対策として、就寝中に、メラトニン(最大6mg)とCBDオイルを使い、アーシングマットをベッドにひいて睡眠。夜のアレルギーによる痒みはそれほど気にならなくなる。
があった。

私は、BAP/DROM検査で抗酸化力が落ちていることがわかっているので、
1)アーシングマット
2)強力な抗酸化作用が知られているメラトニン
3)自律神経系を整えるCBDオイル
の3つを使うことで、睡眠中の痒みが改善していったと感じている。

なかなか、アレルギー症状が改善されない

しかし、2021年11月10日、無事有害ミネラル排泄サプリメントの全量服用を完了したが、日中のアレルギー症状による痒みがそれほど改善したとは思えなかった。
その間、グルテンフリー、カゼインフリー、シュガーフリーとミネラルを補っていたのにも関わらずだ。

あれから、1ヶ月半。
「なぜ、アレルギー症状がそれほど改善が進まないのか?」
真相解明のため、

2021年12月10日に毛髪ミネラル検査、同年12月17日に採血による血液検査を行う。

2021年12月27日、治療結果と今後の方針について伺うため、ナチュラルアートクリニックの御川先生の下へ。

細胞の炎症とミネラルの利用について〜有害ミネラルを取り除くには炎症を抑えることが大事

血液検査を見ると、
1)好塩基球、好酸球、好中球の3つの割合がリンパ球よりも高いことが判明、引き続き交感神経優位になっていることが判明
2)十分に葉酸、ビタミンB12を取っているが、ホモシスティンの値が10.5、有害ミネラルの水銀とヒ素が酵素を邪魔し、解毒回路がうまく進んでいない可能性がある。
3)解毒回路がうまく回っていないため、ヒスタミンを分解するために必要なSAMEが作られない。
4)肝機能は、γGTが落ちている(AST、LDHが上がっているが、最近筋トレをやっている影響で上がっている)
等が判明した。

特に、2)3)が印象的で、葉酸、ビタミンB12を補ったとしても、後に述べるように水銀や鉛などの有害ミネラルが血中や細胞にあると、ホモシスティンの値がなかなか落ちないこともわかった。
と同時に、オメガ3の脂肪酸の値が十分あるにもかかわらず、腸内細菌叢のバランスが崩れているため、その代謝産物(抗炎症作用を示す)が作られてない可能性もある。

毛髪ミネラル検査の結果を見ると、
1)水銀が徐々に抜けているが、十分に抜けきれていない
2)水銀の影響からか、血液検査のミネラルの値が高くても、細胞の中で使われていない、輸送障害(→毛髪ミネラル検査でわかる)が起きている可能性がある。

輸送障害は、細胞、特に細胞膜に炎症が起きている時に、ミネラルがうまく、細胞から外へ、あるいは細胞から中へ運ばれない可能性がある。
EPA(オメガ3)をたくさんとって、細胞膜の中にEPAは入ったとしても、
1)EPAの先の代謝産物(抗炎症を起こす物質)が作られず(これは腸内細菌によって作られる)
2)細胞膜からEPAを切り出す酵素の作用が弱い
といったことが起こると、炎症が治らないのだ。

やはり、細胞の炎症がある程度落ち着いていないと、有害ミネラルが十分に抜けきれないこともわかった。

今後の治療方針〜炎症を抑えるためのサプリメント

今後の治療方針として
1)EPAの代謝産物であり、抗炎症物資である「SPMアクティブ」(Metagenics)を補う(今、身体内でEPAからSPMはできていないことを想定)
2)腸内細菌のミヤBMを補っていたが、直接「酪酸」のサプリメント(ENTERO VITE(APEX ENERGETICS))をとることで免疫系を抑制する制御性T細胞を働かせることを期待(ミヤBMを補っていても、最近が腸内に定着してない可能性があることを想定)。
3)リポソーマルグルタチオン、NACを補う(引き続き、グルタチオンを身体に取り入れ、解毒を進めていく)
4)細胞膜の成分のフォスファチジルコリン(PC)をサプリメントとして取り入れる(細胞膜を強化)。
→この4つのステップを行うことで、細胞の中から毒素を出すことを引き続き行う。

今回、これに加えて
1)ヒスタグロビン(ヒスタミン加人免疫グロブリン製剤)の皮下注射
2)ノイロトロピン筋肉注射
のアレルギー症状に対する対処療法を受けることになった。

皮下注射と筋肉注射は久々だったので、少し痛みがあったが、その後の痒みが引いているので、受けて良かったと思う。

私のアレルギーの治療には、西洋医学(外用ステロイド)を積極的に活用する。
そもそも、分子栄養学自体も、西洋の言葉で語られている西洋医学由来のもの。双方を使うことで、治療を進めていければと考えている。

まとめ

今回は、重金属の排泄の治療の進捗状況についてシェアさせていただいた。
輸送障害は、多少改善し、水銀は身体から排出されてきているが、まだ十分ではない。
実際、身体の炎症が十分に抑えきれていない。
今後、サプリメントを補うことで、炎症をコントロール。
その後、重金属(特に水銀)の排泄を進めていくか、腸内環境を整えていくのか?を含め、行っていく予定だ。

とにかく、栄養治療は、教科書通りに進むとは限らない。
やはり、自分で栄養療法に関しては、経験し、一つ一つ対策を打っていくことで良くなっていくことのように思う。

2022年も引き続き治療に取り組んでいきたい。
そして、来年こそは、劇的にアレルギー症状を改善していきたい。

更に、トラウマによって、アレルギーが出ているので、ソマティック・エクスピリエンスやボディワークのセッションも受けることで
自律神経系にアプローチできればと考えている。

過去の記事〜2020年10月からの分子栄養学の取り組みについて

過去の取り組みについては、下記の記事をチェックしてください!
御川先生の診察と血液検査〜アレルギー性皮膚炎の治療の再開」(1回目の診察)
分子整合栄養医学って何であり、どのように発展してきたのか?〜歴史からみる
血液検査から何がわかるのか?〜腸内細菌の環境、蛋白質・脂質がどのように身体内で利用されているのか?神経伝達物質はどうか?を含め」(2回目の診察)
細胞のエネルギー代謝の働きを高めるステップ1から、次の腸内環境を整えるステップ2へ」(3回目の診察)
腸内環境を整えるステップへ〜リーキーガット症候群とは何か?〜何に取り組んでいるのか?」(3回目の診察から1週間後)
「水素点滴」の治療を受ける〜アトピー性皮膚炎治療の一環として〜BAPとdROMsテストで検証」(水素点滴を5回受ける)
「水素点滴」の治療を受け終えて〜BAPとdROMsテスト検査と今後の方向について
サプリメント+ステロイドとの併用〜必要ならば西洋の薬を使うことが大事」(4回目の診察)
腸内環境の除菌(1)〜食事制限と抗真菌サプリメントを使った治療へ」(5回目の診察)
腸内環境の除菌(2)〜真菌と細菌の違い+ダイオフとは何か?」(5回目の診察から2週間後)
腸内細菌の除菌(3)〜ダイオフ症状(アルコール、重金属、メチレーション回路)について」(6回目の診察)
腸内環境の除菌(4)〜ダイオフ(痒み、brain fog)への対処はうまく行っているのか?+食事(グルテンフリー、カゼインフリー)をどう工夫しているか?」(6回目の診察から2週間後)
腸内環境の除菌(5)〜「活性炭」を使う意味〜そもそも活性炭とは何か?」(7回目の診察)
ビタミン(サプリ)の効果の検証〜7ヶ月(2020年11月〜6月)の取り組み、医師の下、血液検査の結果」(8回目の診察)
腸内環境の除菌(6)〜カゼインフリー、麹フリー、グルテンフリー、砂糖フリーの生活をどう送っているのか?
腸内環境の除菌(7)〜INTERFASE(真菌の除菌)から日野百草丸(真菌、細菌の除菌、整腸、粘膜修復、健胃)へ」(9回目の診察)
腸内環境の除菌(8)〜ミネラル・脂質の血液検査・途中経過〜どのように検査値が変化しているか?」(10回目の診察)
腸内環境の除菌(9)〜モリブデンとセレンを取り入れることとその意味」(11回目の診察)
腸内環境の除菌(10)〜新型コロナワクチン接種・1回目(ファイザー)と血液検査の値への影響について」(12回目、13回目の診察)
有害ミネラルの解毒・排出(1)〜毛髪ミネラル検査の結果+グルタチオンの解毒+有害ミネラル排出の治療方針について」(14回目の診察)
有害ミネラルの解毒・排出(2)〜有害ミネラル排出の治療方針:クロレラ(八重山)+チオラ等を服用、手順は?
有害ミネラルの解毒・排出(3)〜重金属治療の前半終了、ワクチン接種2回目後の経過等」(15回目の診察)
有害ミネラルの解毒・排出(4)〜重金属治療の1クール目終了、ワクチン接種2回目後の経過、次の治療方針」(16回目の診察)

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