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【N#182】ナチュラルアートクリニックでの治療〜2020年10月〜2022年6月〜分子栄養学とアトピー治療の5年間・総集編②

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はじめに

東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・睡眠・マインドの脳活(脳科学活用)講座を提供している大塚英文です。

私が、アトピー性皮膚炎の治療として、分子栄養学の手法を取り入れるようになったのは、5年前(2019年5月)。この5年間で、長年悩んでいた皮膚症状も改善し、ステロイドに依存していた身体も、ほぼ使用しないまでになった。

5年間の分子栄養学とアトピー治療を振り返って

過去5年間、どのような治療を受け、今に至ったのか?についてまとめたい。

1回目は、分子栄養学との出会いから、検査を受け、札幌市在住のあんどう口腔クリニックの安藤麻希子先生に診断いただき、約1年近く、自力で、サプリを取り、食事や保湿を含めた試行錯誤した模様について書いた

今回の2回目、ナチュラルアートクリニックの院長の御川安仁(みかわやすひと)先生にお世話になった。2回目は、2020年10月から2022年6月頃までの御川先生の下で行った治療についてまとめた。

3回目は、熊谷歯科医院の熊谷倫恵先生、さとこデンタルクリニックの岩前里子先生の両歯科医師から受けた歯の噛み合わせ治療(2022年7月〜)を中心にまとめた

4回目は、まいこホリスティックスキンクリニックの山崎まいこ先生(皮膚科医)で受けたデュピクセント治療(2022年8月〜2023年7月)と、継続して行った分子栄養学の治療を中心にまとめた

御川安仁先生との出会い+過去のデータをどう解釈したか?

アトピー皮膚炎の原因は?腸、解毒、コルチゾール、自律神経系のバランス

2020年10月23日、ナチュラルアートクリニックの院長の御川安仁(みかわやすひと)先生(以下御川先生)の診察を受けに四谷へ向かった(「御川先生の診察と血液検査〜アレルギー性皮膚炎の治療の再開」参照)

御川先生からは、アトピー性皮膚炎を含む慢性炎症の原因として、
・腸
・解毒
・自律神経(交感神経優位)
・コルチゾール低下
・抗炎症以外の栄養欠乏
等があることを指摘。

血液検査・尿検査(2019年5月〜6月に実施)からわかったこと

栄養分析プログラムの血液検査について:
1)胃酸分泌と解釈もできるが、酸化ストレスの問題の可能性の指摘
2)免疫力を見ていくためにも、ビタミンAやDの値を見ていく必要がある

有機酸検査について:
1)腸がかなりDysbiosisの状態にあること(Dysbiosisとは、腸内細菌叢を構成する細菌種や細菌数が減少して、多様性を失っていること)
2)解毒系(特にグルタチオンを合成する経路)に負荷がかかっている

等が明らかになった。

今後、治療の方針を決めるため、分子栄養学の検査で必要な血液検査を一通り行った(採血日:2020年10月23日)。今まで検査項目になかった、ホモシスティン、交感神経系が優位かどうかの指標となるGABA、セロトニン、ビタミンCやミネラル(マンガン、セレン)等も血液検査に含めることにした。

2023年11月10日に、10月23日に採血した血液検査の結果を聞きに、クリニックへ。御川先生によると、アトピー性皮膚炎、炎症を含めた免疫症状を抑えていくには、
・ミトコンドリアの働きを良くする
・腸内環境を整える
・副腎の働きを改善する
・細胞膜を整える
の4つが鍵になるという。

その視点から血液検査の結果を伺うことになった。

初診の診断〜腸内細菌叢のバランス、炎症、解毒能力の問題、抗酸化作用の低下

血液検査の結果〜5つのポイント

血液検査の結果の説明を通じて、ポイントは5つに絞れた(「血液検査から何がわかるのか?」参照)。
1)自律神経が交感神経優位でかつ、体内で炎症が高まっている
2)食事で取り入れた蛋白質が十分に身体内で使われていない
3)腸内細菌のバランスが崩れ、カンジダ菌やクロストリジウム菌等が優位になっている
4)食事で取り入れた脂質・油がうまく分解し、エネルギーになっていない
5)身体内の酸化ストレスがかかっている状態で、かつ身体内の抗酸化作用が働いているかどうか。。

課題は?〜Dysbiosis、重金属、酸化ストレスへの対処が弱い、免疫力が弱い

有機酸検査と合わせて考えると、
1)腸がかなりDysbiosisの状態にあること(Dysbiosisとは、腸内細菌叢を構成する細菌種や細菌数が減少して、多様性を失っていること)、
2)解毒系(特にグルタチオンを合成する経路)に負荷がかかっていて、有害ミネラル(水銀)の影響により、うまく働いていない。
3)胃酸分泌と解釈もできるが、酸化ストレスに対処する能力が低い。
4)ビタミンAやDの値が低いため免疫力が低い(風邪が引きやすい)
等が指摘された。

2020年11月から、治療方針として、5つのステップでアトピー性皮膚炎の治療を行うことになった。

分子栄養学の治療方針〜5つのステップ〜2020年11月12日〜2022年6月頃

5つのステップとは
1)細胞の代謝(ミトコンドリア)の正常化(2〜3ヶ月)〜「栄養素」を補う(2020年11月12日〜2021年1月12日)
2)腸内環境を整える(2〜3ヶ月)〜腸内細菌(プロバイオティックス、酪酸菌、乳酸菌、ビフィズス菌)、腸内の栄養素(グルタミン)を補う(2021年1月13日〜4月13日)
(場合によっては便移植も選択肢の一つ(ただし高額!))
3)真菌・細菌の除菌〜腸内細菌の有害と言われる真菌(カンジダ)や細菌(クロストリジウム)を抗真菌薬とハーブ(抗菌薬)で除菌する(約3〜6ヶ月)(2021年4月13日〜7月15日と2021年7月15日〜10月12日)
4)有害ミネラルの解毒・排出:重金属除去:水銀、カドニウム等の重金属をキレート剤を使って身体から排泄していく(3ヶ月)(2021年10月13日〜12月27日と2021年12月27日〜2022年3月11日)
5)断食(ファスティング):効果が認められない場合には、最後のステップとして、短期間の断食(内臓(肝臓、腎臓、甲状腺)の働きが正常であることが条件)(この治療は行わなかった)
のことをいう。

細胞(ミトコンドリア)の代謝を正常化へ(ステップ1)〜2020年11月12日〜2021年1月12日

2ヶ月(2020年11月〜2021年1月)で、腸内細菌のバランスを良くしつつ、ミトコンドリアに関わる回路を回していくことに取り組むことになった。具体的には、Digest Gold(消化酵素、ENZYMEDICA)ビタミンA/B群/C /D3/E/K(iherbで入手できる市販のもの)、消化酵素・ベタイン塩酸を活用。

他に、亜鉛、アシュワガンダ(アシュワガンダは、効果の実感が感じることができず、途中で止めることに)、コーエンザイムQ10、オメガ3(EPA)を中心に取り入れた。ミネラルとしてマグネシウムは、お風呂に使用するエプソムソルトを使った。

細胞の代謝が正常化されたのを機に、腸内の環境を整える段階へと進む。血液検査の結果から、ビタミンKが下がっているので、ビタミンKを摂取し、血中濃度が上がってきたら、Lグルタミンを補充していく。

食事を消化酵素でサポートしつつ、ビタミン群と亜鉛でミトコンドリアを中心にエネルギー源となる回路を回していくことを心がけた。

細胞の代謝を上げるため〜サプリメントの量

サプリの量としては、
・ビタミンA、10,000 IU(1カプセル)を毎日継続した。
→亜鉛と一緒に働き、皮膚や粘膜の状態を向上させる。

・Bio Active Complete B-Complex(LIFE EXTENSION)を2錠
(ビタミンB1(100mg)、ビタミンB2(75mg)、ビタミンB3(100mg)、ビタミンB6(100mg)、活性型葉酸(680microg)、ビタミンB12(300 microg)、ビオチン(1000 microg)、パントテン酸(500 mg)等)→細胞のミトコンドリアの代謝に効果がある

・ビタミンB12(500 microg x 2錠)
→葉酸とビタミンB12は、グルタチオン解毒回路を活性化するのに大切で、血中のホモシスティン値が下がっているか否かでチェックする。

・ビタミンCは、C1000(1カプセル、1錠の中に1000mg)(iherbでC1000で検索すると色々なメーカーのものが出てくる)を10錠〜20錠(10〜20mg/日)を5〜10回に分けてとった。
(アトピー性皮膚炎の症状が悪化した頃は、30g/日を取ることもあり、注射で補うこともあった)。

・ビタミンD3は、10,000 IU/日(1カプセル)を毎日継続した。
→免疫力を高めていくこと。

・ビタミンE(400 IU x 2)、マグネシウム(500 mg x 2錠、にがり、入浴時にエプソムソルトを入れる)、亜鉛(20〜40mg、その後60mgまで増加)を取り入れた。

結果〜髪の毛の伸び、皮膚炎の症状の軽減、睡眠の変化

2ヶ月間、取り組んだ結果:
・髪の毛の伸びが早かった(細胞のエネルギー代謝が進んでいる可能性あり)。
・アトピー性皮膚炎、蕁麻疹などの症状が軽減。
・眠りが深くなった(逆に目覚めが悪くなった)
等(「細胞のエネルギー代謝の働きを高めるステップ1から、次の腸内環境を整えるステップ2へ」参照)

予想以上に元気になったことから、2021年1月12日、次のステップ2へ(「腸内環境を整えるステップへ〜リーキーガット症候群とは何か?〜何に取り組んでいるのか?」参照)。

腸内環境を整える(ステップ2)〜2021年1月13日〜4月13日

次に、腸内環境を整えるため
・善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌、酪酸菌)
・Lーグルタミン
を補充し、血液検査で指摘された、リーキーガット症候群を腸内環境を整えることで、改善を目指した。

善玉菌(ビフィズス菌・乳酸菌・酪酸菌)〜腸内環境の整備

ビフィズス菌、乳酸菌を優位にすることで、カンジダ菌でバランスが崩れた腸内環境を整えていくことを目標にしている。ビフィズス菌、乳酸菌は100億個入りの「LACTOBIF 100 – Probiotics(CALIFORNIA GOLD NUTRITION)」をiherbから入手。1包/日取り入れることになった。

酪酸菌は医療用医薬品の「ミヤBM」を入手、9包/日取り入れている。酪酸菌を取り入れると、免疫を抑制する制御性T細胞を活発にする酪酸を作り、腸炎を抑えることが報告されている。

Lグルタミン〜腸内の粘膜を整える

L-グルタミンは、腸内の粘膜壁を修復するのに役立つ。L-グルタミンは、ナウフーズ製のものをiherbで取り寄せたサプリを6g/日とっていた。残念なことに、数日で、湿疹と皮膚炎が発症。そこで、医療用医薬品の「マーズレン」に変更。湿疹が治ってきたので、L-グルタミンは、マーズレン(6包/日)を取ることになった。

腸内免疫のIgAができてないケース〜IgAのサプリを補うことも

参考に、善玉菌とグルタミンを補う意味は、免疫系を制御する制御性T細胞に良い影響を与えると考えられている。しかしながら、腸内の免疫に関わっているIgAが作られていないと、腸内環境を整えたとしても、うまくいかないこともある。

そのようなケースの場合は、便検査をを行い、IgAが作られているかどうかを調べた上で、IgAを補うサプリを入れていくこともオプションとして考えられた(私は不要だったが・・・)。

水素点滴(2021年1月26日〜3月2日)

腸内環境を整えている間、水素点滴による治療も週1回の合計5回受けた。効果が出ず、逆に皮膚炎の症状が悪化、2021年3月13日から、やむを得なくステロイドを1日1回を使用することになった(「「水素点滴」の治療を受け終えて〜BAPとdROMsテスト検査と今後の方向について」参照)。

真菌・細菌の除菌(1)・INTERFASE(ステップ3)〜2021年4月13日〜7月15日

腸内細菌の除菌の手段〜腸内フローラ移植、真菌・細菌の除菌

2021年4月13日の定期検診(2021年3月2日の採血)では、
1)アレルギー症状の基となっている血中の免疫の働きが収まりつつある。
2)脱水が強く出ていること。
3)身体内の抗酸化力が徐々に改善されてきていること。
等が認められた(「食事制限と抗真菌サプリメントを使った治療へ」参照)。

この結果より、ステップ3である腸内細菌の除菌に進めることになった。

御川先生によると、腸内細菌の除菌の手段として、
1)腸内フローラ移植
2)真菌・細菌の除菌
の2つがあるとのことだ。

1)は即効性があるが、コスト(180万円以上の治療費がかかる)上で、菌が定着するかどうかがある。
2)は抗菌薬、酵素やハーブを使って腸内細菌の悪玉菌を除去する。コストを抑えられるが(2〜3万円)、3〜6ヶ月と期間が長い。今回は、迷うことなく、2)を選択した。

今回は、カンジダ菌を含めた真菌を除去し、その後、クロストリジウムを含めた細菌をそれぞれ3ヶ月かけて除去することが目標となる。

真菌・細菌の除菌〜INTERFASE

現在使用中のサプリメントを取り入れつつ、除菌のサプリメントとして、KLAIRE LABのINTERFASE、カンデックス(CANDEX)(ハリゾンも可能)かオリーブ・リーフ・エクストラクト(OLIVE LEAF EXTRACT)等のサプリメント(いずれも真菌の構成成分を消化させる酵素が入っている)を使って真菌の除菌を進める。

今回は、INTERFASEとCANDEXの双方を空腹時に1錠ずつ摂取し(1週間で大丈夫だったら1錠ずつ加え、MAX4錠まで)、30〜90分後にCHARCOAL(チャコール、活性炭)を取った。

チャコールを取る理由は、真菌には重金属(水銀を含む)を抱えているケースがあり、それを放出することで、ダイオフ症状が出て、身体に害が及ぶ可能性がある。一方で、チャコールを取ることで、便通が悪くなる可能性があるので、便秘薬で対処する。

このステップでは、重金属によって体調が悪くなる可能性がある。ぜひ、この段階では、栄養療法の詳しい専門の医師にご相談しながら行っていただきたい。

食事の制限〜発酵食品、グルテン、カゼイン、ヨーグルト、砂糖

今回から食事にも制限がかかる。
具体的には、
NGなのは、発酵食品(パン、みそ、鰹節)、グルテン、カゼイン、ヨーグルト、砂糖。
OKなのは、豆乳ヨーグルト、アーモンドヨーグルト、肉、野菜、糠漬け等はOK。

パン、みそ、鰹節は、酵母、麹を含めカビ(真菌)を使って発酵させたものなので、治療の妨げとなる。カンジダは、砂糖を好むので、取るのを控える必要がある。一方で、乳酸菌からの発酵食品である糠漬けや漬物はOKになる。

有機酸検査で、アラビノースの値が下がるまで継続することになる。

治療の途中経過〜最初の3日間でBrain Fogと対処法

最初の3日間を行なったが、アレルギー皮膚症状が一気に悪化。Brain Fog(脳がきりがかった症状)が出た。
2020年10月から腸内環境を整えるためにさまざまな準備をしてきたにもかかわらず・・・驚きだった(「真菌と細菌の違い+ダイオフとは何か?」参照)。

御川先生と相談の上、3日間、除菌サプリメントを中断。活性炭を3〜4錠とり、ダイオフ症状を治めることに時間を費やした。しかし、皮膚症状の悪化とBrain Fogが改善しなかったため、今までとっていたサプリメントを一旦停止。

ビタミンA、B、C、D3、E、K、CoA、オメガ3、プロバイオティックス(乳酸菌、酪酸菌、ビフィズス菌)を3日間とるのを一旦やめた。ここで劇的に、皮膚症状とBrain Fogの症状が改善。皮膚の痒みも治まった。

症状がある程度治ったので、今後は、最小限のサプリメントからスタート。ビタミンB、C、D3、Eとプロバイオテイックスを数日継続。その後、インターフェイス1錠から除菌を開始、30分後、活性炭を3錠を取って除菌を行なった。

御川先生によると、除菌の過程で、アルコールや二日酔いの原因となるアセトアルデヒドが放出されている可能性があるとのこと。対処していく上で、アルコールを解毒するドクターズ・サプリメント(株式会社ロータスライト社のレンザイム)がある。

実際に試してみると、「効果がてきめん!」Brain fogの症状が完全におさまった(「ダイオフ(痒み、brain fog)への対処はうまく行っているのか?+食事(グルテンフリー、カゼインフリー)をどう工夫しているか?」参照)。

一方で、顔の症状が悪化しているので、渋谷駅から徒歩圏内のクリニックで皮膚科専門医からステロイドではない薬剤(Jakキナーゼ阻害薬)を紹介・処方いただいた。「デルゴシチニブ」(商品名コレクチム軟膏0.5%)(2020年1月23日承認)と呼ばれる薬だったが、効果がよく、症状が軽減していく。

除菌のサポート〜サプリメントの量〜2021年5月末〜7月15日

2021年5月末から、
「ビタミンC(4g)+グルタチオン(800mg、4アンプル)」
の注射を開始。これがきっかけとなり、アトピー性皮膚炎の症状が劇的に良くなり、痒みは3割まで減った(少なくとも睡眠時に痒みが発生していない)。どうやら「グルタチオン」を含めた、抗酸化力が弱いために、アレルギー症状が発症している可能性が高いのではないかと、考えるようになった。

現在、グルタチオンを1400mg(7アンプル)に増やし、週1回の注射を行いつつ、
1)各種ビタミン(B群、ナイアシンアミド(300mg)、B12(1,500microg)、CoQ10、PQQ、ビタミンC(10〜15g)、ビタミンA(20,000 IU)、ビタミンD3(20,000 IU)、ビタミンE(400 IU)、ビタミンK)
2)ミネラル(亜鉛(30〜50mg)、マグネシウム(1g)
3)腸内細菌群(酪酸菌、乳酸菌、ビフィズス菌)、グルタミン
4)ω3のサプリ(180mg DHA、120mg EPA、2錠)を合計で6錠(毎食後2錠)
を生活に取り入れ、徐々にアトピー性皮膚炎の「痒み」が低下していった。この段階で、痒みは、7割減。
ステロイド剤も毎日使っていたのが、週に2回へ下がった。

真菌と細菌の除菌(2)・日野百草丸(ステップ3)〜2021年7月15日〜10月12日

日野百草丸を使った理由〜カンジダ菌とクロストリジウムの優位な腸内環境

INTERFASEの摂取が終わった、7月15日以降は、真菌と悪玉菌(細菌)を同時に行うステップになる。
通常だとCANDIBACTIN-AR勧められるのだが、今回使ったのは、日野百草丸だった。

CANDIBACTIN-ARは、Thyme、Oregano、Sage、Lemon Balmなどのハーブが含まれるサプリで
天然なので一見良さそうにみえるが、何と、除菌効果は高い。INTERFASEとCANDIBACTIN-ARの違いは、前者が除菌酵素が入っているのに対して、後者はハーブは入っていることだ。

御川先生がCANDIBACTIN-ARを使わなかった理由は、2019年6月10日に受けた有機酸検査で、カンジダやクロストリジウム等が優勢な腸内環境だと判明しており、CANDIBACTIN-ARを使うと、気分が悪くなる可能性が強く、そのリスクを取りなくないからだった。

そこで、日野百草丸を使うことになった(「INTERFASE(真菌の除菌)から日野百草丸(真菌、細菌の除菌、整腸、粘膜修復、健胃)へ」参照)。

「日野百草丸」を食直前20錠/回を1日3回、食後に活性炭(2〜3錠)を継続。百草丸でも、悪玉系の腸内細菌は除去されるが、従来の百草丸とは違って、日野百草丸には、粘膜修復生薬「エンゴサク末」が含まれる。自然の生薬が胃腸粘膜の保護、修復、消化促進も期待できる。

日野百草丸を使って〜活性炭が必須

予想通りだったが、INTERFASEを使っていた時と同じく、
1)活性炭を十分に取らないと、皮膚のアレルギー症状が出る(→活性炭を2錠から3錠へ増やすと解消)
2)活性炭を十分取ることで、腸内から出るガスを抑える(→活性炭を減らすと食物繊維を取った時と同じようにガスが出る)といった症状が出た。そこで、十分に注意しながら進めていった(「ミネラル・脂質の血液検査・途中経過〜どのように検査値が変化しているか?」参照)。

日野百草丸を使用している間の2021年8月17日には、血液検査の結果から、セレンとモリブデンの二つのミネラルを取りいれた。グルタチオン解毒回路を活性化させるためだ(「モリブデンとセレンを取り入れることとその意味」参照)。結果的には、アレルギーの症状が軽減していった。

次のステップ4への準備。有害ミネラルの解毒・排泄へ進んだ。そのために、毛髪ミネラル検査を行うことになる。

有害ミネラルの解毒・排泄(ステップ4)〜2021年10月13日〜12月27日

毛髪ミネラル検査とは何か?

毛髪ミネラル検査は、体内(細胞、臓器等)から毛髪に排泄されるミネラルの量を測ることで、必須ミネラルの過不足の傾向、有害重金属の傾向、重金属の排泄能力を測ることができる。検査項目(「毛髪ミネラル・尿中重金属検査」)は、以下の通りだ。

「必須ミネラル」とは、細胞や細胞内にあるミトコンドリア、遺伝情報を後世に伝えるDNA等、人間にとって必要な内臓の働きの促進、骨や歯の健康維持、代謝の補助、健康維持に重要な働きを持つ物質のこと。体内で作ることができないので、食品やサプリメントとして外部から取り入れることが重要だ。

「有害ミネラル」とは、体内に低い濃度で蓄積されている有害重金属のこと。低い濃度だと、体外に排出されるので問題がないが、代謝異常等によって有害ミネラルが体内に蓄積すると、脳や内臓に運ばれ、偏頭痛、アトピー、喘息を含めたアレルギー疾患、自閉症、ADHD等を引き起こすことが知られている。

そこで、2021年9月14日、毛髪を採取。Doctor’s Data inc.社へ郵送。9月下旬に結果が戻ってきて、有害重金属が蓄積していることが判明した。2021年10月13日より、有害ミネラルを取り除く治療を2〜3ヶ月かけて行った(「毛髪ミネラル検査の結果+グルタチオンの解毒+有害ミネラル排出の治療方針について」参照)。

有害ミネラルをどう解毒し、排泄させるか?

有害ミネラルを解毒し、排泄させるために使われるのは、キレート剤(カニのハサミの意味で、ミネラルをキレート化合物の中に取り込むことができる物質)。水銀を含めた有害ミネラルをキレート剤に結合させ、排泄させるのだ。

通常、キレート剤として、DMSA(meso-2,3-dimercaptosuccinic acid)を使い、グルタチオン、活性炭、クロレラ(八重山クロレラ)等を併用する。

今回は、御川先生と話し合った結果、クロレラ、水銀の解毒に有用な医療用医薬品のチオラ、ともう一つのサプリメントの3つを摂取した。この3つを1ヶ月間を目処に治療を進めていくことになる(「有害ミネラル排出の治療方針:クロレラ(八重山)+チオラ等を服用、手順は?」参照)。

有害ミネラル解毒・排泄の手順〜2021年10月13日〜11月12日

有害ミネラルの排泄の手順として
1)クロレラ(5錠〜10錠)を早朝空腹時に服用
2)30分から1時間後に、酪酸菌、乳酸菌、ビフィズス菌(プロバイオティックス)を服用
3)朝食
4)食後(1)〜チオラを服用(×3回)
5)食後(2)〜サプリメントを補充(ビタミンB群、セレン、マグネシウム、亜鉛、ビタミンA、C、D3、E、K、ω3、カルニチン、CoQ10)
6)食間、NACやリポソーマル型グルタチオンを補う(グルタチオンの解毒を進めるため)
7)昼食、夕食(それぞれ食後にチオラ服用)
8)就寝前に有害ミネラルを排泄させるサプリメントを服用
を行なうことになった(今回は、活性炭やモリブデンは取り入れない)。

治療の途中経過〜2021年10月13日〜11月12日

手順に従って行い、10月27日(水)から、クロレラを5錠から10錠へ増やし、飲むタイプのリポソーマル型・グルタチオンを取り入れた(「重金属治療の前半終了、ワクチン接種2回目後の経過等」参照)。

アトピー性皮膚炎の症状は、出ており、2日に1回の割合でステロイドを含めた症状を抑える軟膏を使った。朝、サプリを取り入れる段階で、若干の頭痛がするが、腸内細菌の除菌をしていた頃の2021年2月〜4月の時に比べると、マシ。身体を動かすことができて、毎日1万歩ほど歩くことができていた。

参考に、
1)最初の1〜2週間、少しだるさがあるが、有害ミネラルを排泄させるサプリメントによる影響はなし。
2)2〜3週間、脳が曇る感じと、アレルギー症状は少々出てきたので、ステロイドの利用頻度を上げる。
3)3〜4週間、身体が徐々に軽くなっているのを実感。
があった。

興味深いことに、アレルギー症状が出て、寝れない時に、アーシングマット、CBDオイルを使用。すると、症状がある程度改善するので、身体内の抗酸化力が落ちていることを実感。

更に、CBDオイルをとることで、身体のバランスが整うのも実感。このため、アーシングマットの使用頻度を上げ、ビタミンCの摂取量をできるだけ増やすように(10gまで)していた。

有用ミネラルを補充〜2021年11月13日〜12月27日

11月12日に、無事有害ミネラル排泄サプリメントの全量服用を完了。11月12日の午後5時から御川先生の診察を受けることができたので、次の治療方針が決まった。毛髪ミネラル検査で、有害ミネラルがどれだけ排出されたのかチェックすることに(「重金属治療の1クール目終了、ワクチン接種2回目後の経過、次の治療方針」)。

11月13日から
1)有害ミネラル排泄サプリメント(チオラ、クロレラ)をやめる
2)酪酸菌、乳酸菌、ビフィズス菌(プロバイオティックス)を服用
3)サプリメントを補充(ビタミンB群、セレン、マグネシウム、亜鉛、ビタミンA、C、D3、E、K、ω3、カルニチン、CoQ10)
を実施。
*食事は、グルテンフリー、カゼインフリー、シュガーフリー、大型魚フリーは継続

週1回のビタミンCとグルタチオン注射は継続しつつ、有害ミネラル排泄サプリメントによって失われたミネラルを補充。2021年12月10日に毛髪ミネラル検査、12月17日に血液検査を行い、12月27日、治療結果と今後の方針について伺った(「分子栄養学の治療は一筋縄ではいかない〜有害ミネラル排出後の治療方針」参照)。

有害ミネラルの解毒・排泄(ステップ4)〜細胞の輸送障害とその対策〜2021年12月27日〜2022年3月11日

血液検査を見ると、葉酸、ビタミンB12を取っているが、ホモシスティンの値が10.5、有害ミネラルの水銀とヒ素が酵素を邪魔し、グルタチオンの解毒回路がうまく進んでいない可能性が指摘された。

興味深いことに、葉酸、ビタミンB12を補ったとしても、後に述べるように水銀や鉛などの有害ミネラルが血中や細胞にあると、ホモシスティンの値がなかなか落ちない。同時に、オメガ3の脂肪酸の値が十分なのに、腸内細菌叢のバランスが崩れているため、代謝産物(抗炎症作用を示す)が作られない可能性があった。

一方で、毛髪ミネラル検査の結果を見ると、
1)水銀が徐々に抜けているが、十分に抜けきれていない
2)水銀の影響からか、血液検査のミネラルの値が高くても、細胞の中で使われていない、輸送障害(→毛髪ミネラル検査でわかる)が起きている可能性を指摘された。

輸送障害とは?〜炎症による障害

輸送障害は、細胞、特に細胞膜に炎症が起きている時に、ミネラルがうまく、細胞から外へ、あるいは細胞から中へ運ばれない可能性がある。

EPA(オメガ3)をたくさんとって、細胞膜の中にEPAは入ったとしても、
1)EPAの先の代謝産物(抗炎症を起こす物質)が作られず(これは腸内細菌によって作られる)
2)細胞膜からEPAを切り出す酵素の作用が弱い
といったことが起こると、炎症が治らないのだ。

要は、細胞の炎症がある程度落ち着いていないと、有害ミネラルが十分に抜けきれないこともわかった。

輸送障害の対策〜サプリメント

そこで、
1)EPAの代謝産物であり、抗炎症物資である「SPMアクティブ」(Metagenics)を補う(今、身体内でEPAからSPMはできていないことを想定)
2)腸内細菌のミヤBMを補っていたが、直接「酪酸」のサプリメント(ENTERO VITE(APEX ENERGETICS))をとることで免疫系を抑制する制御性T細胞を働かせることを期待(ミヤBMを補っていても、最近が腸内に定着してない可能性があることを想定)。
3)リポソーマルグルタチオン、NACを補う(引き続き、グルタチオンを身体に取り入れ、解毒を進めていく)
4)細胞膜の成分のフォスファチジルコリン(PC)をサプリメントとして取り入れる(1200mg程度)(細胞膜を強化)。
5)ビタミンB群、葉酸、B12、ビタミンC(2〜6g)、D(10000 IU)、A(20,000-50,000 IU)、K
6)マグネシウム、セレン、亜鉛
この対策を打つことで、細胞の中から有害ミネラルを排泄を出すことを引き続き行うことになった。

今回、これに加えて
1)ヒスタグロビン(ヒスタミン加人免疫グロブリン製剤)の皮下注射
2)ノイロトロピン筋肉注射
のアレルギー症状に対する対処療法を受けることになった(合計9回受けた)。

輸送障害の効果を実感〜2ヶ月後の血液検査

2021年12月から2ヶ月が過ぎ、2022年1月末に血液を採取した。2022年1月末は、風邪の症状があったこともあり、炎症系の検査が全て上がるという結果になった。

驚きは、ホモシスティンの値。10.5 nmol/mL(2021年12月17日)→7.1 nmol/mL(2022年1月29日)
に低下。グルタチオンの解毒回路を回していく上で、適切な値にまで下がったのだ(「ホモシスティンの値が初めて低下〜細胞膜を整える、抗炎症、マインドフルネス」参照)。

そして、2022年3月11日の採血の結果から、栄養療法が確実に効果が出ていることがわかった。ビタミンAとDが至適の値までに至ったこと。炎症マーカーも一番低くなる等(「ビタミンAとD、赤血球数が至適値に到達」参照)が明らかになった。輸送障害を改善することで、栄養療法の効果が確かめられたことになる。

経過観察〜2022年6月まで

実は、有害ミネラルを排泄させるサプリメントによる効果は、飲み終わった後も持続するらしい。今まで使っているサプリメントを持続しつつ、半年(2022年5月末〜6月)後に、毛髪ミネラル検査で、水銀がどれだけ抜けているのか?調べたが抜けていることが判明した。

御川先生の栄養治療において大事なのは、炎症を抑えること。実際、一通り分子栄養学の治療を行ったが、炎症を抑制するのが不十分だったことも判明。このため、炎症を抑えるのをより意識しながら、進めた。

デュピクセント+歯の噛み合わせ治療〜2022年7月〜

2021年から通院してた皮膚科がちょうどお盆休み。ステロイド剤も切れたので、ステロイド剤の処方してもらおうと、盆期間に空いている医療機関を検索。妻からのお勧めもあり、代官山のマイコホリスティックスキンクリニックに伺った。

院長の山崎まいこ先生は、御川先生の栄養学を受けたこともあり、分子栄養学も詳しい。2022年8月16日に初診した際、自分の過去の診察データを紹介する中、新薬が話題になった。

2週間に1回皮下に注射のデュピクセントだ。アトピー性皮膚炎の「炎症」「かゆみ」「バリア機能低下」
の3つに対して症状を緩和する効果が期待される(「2週間に一回の注射剤の使用開始」)。

更に、歯科医師で札幌在住の熊谷倫恵先生と埼玉在住の岩前里子先生による歯の噛み合わせ治療も同時並行で進めることになる。

次回(3回目)は、熊谷歯科医院の熊谷倫恵先生、さとこデンタルクリニックの岩前里子先生の両歯科医師から受けた歯の噛み合わせ治療(2022年7月〜)を中心にまとめたので、チェックください。

そして次々回(4回目)は、まいこホリスティックスキンクリニックの山崎まいこ先生(皮膚科医)で受けたデュピクセント治療(2022年8月〜2023年7月)と、継続して行った分子栄養学の治療を中心にまとめている

まとめ

今回は、ナチュラルアートクリニックの院長の御川安仁先生にお世話になった2020年10月から2022年6月までの治療についてまとめさせていただいた。細いところは、それぞれの該当するブログ記事を書いたので、ご興味のある方はチェックいただきたい。

少しでも、この投稿が役立つことを願っています。

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