【N#184】まいこホリスティックスキンクリニックでの治療〜2022年8月16日〜2024年8月7日〜分子栄養学とアトピー治療の5年間・総集編④
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はじめに
東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・睡眠・マインドの脳活(脳科学活用)講座を提供している大塚英文です。
私が、アトピー性皮膚炎の治療として、分子栄養学の手法を取り入れるようになったのは、5年前(2019年5月)。この5年間で、長年悩んでいた皮膚症状も改善し、ステロイドに依存していた身体も、ほぼ使用しないまでになった。
5年間の分子栄養学とアトピー治療を振り返って
過去5年間、どのような治療を受け、今に至ったのか?についてまとめたい。
1回目は、分子栄養学との出会いから、検査を受け、札幌市在住のあんどう口腔クリニックの安藤麻希子先生に診断いただき、約1年近く、自力で、サプリを取り、食事や保湿を含めた試行錯誤した模様について書いた。
2回目は、1回目で自力で治療を行うことに限界を感じ、ナチュラルアートクリニックの院長の御川安仁(みかわやすひと)先生にお世話になった。治療を受けた2020年10月から2022年6月頃までの模様についてまとめた。
3回目は、熊谷歯科医院の熊谷倫恵先生、さとこデンタルクリニックの岩前里子先生の両歯科医師から受けた歯の噛み合わせ治療(2022年7月〜)を中心にまとめた。
今回の4回目は、まいこホリスティックスキンクリニックの山崎まいこ先生(皮膚科医)で受けたデュピクセント治療(2022年8月〜2023年7月)と、同治療が終わった後の1年間のフォローアップでどのような分子栄養学的な治療を受けたのか?を中心にまとめる。
デュピクセントの投与〜2022年8月18日〜2023年10月13日
出会い〜2022年8月16日
2020年10月〜2022年6月頃まで、ナチュラルアートクリニックで分子栄養学の治療に取り組んだが、時々、アレルギー症状が悪化。2021年5月頃には、並行して、渋谷から徒歩圏内の南平台・緒方クリニックに通院。
皮膚科専門医からステロイドではない「デルゴシチニブ」(商品名コレクチム軟膏0.5%)(2020年1月23日承認)を処方。効果がよく、一時的に症状が軽減した(「ダイオフ(痒み、brain fog)への対処はうまく行っているのか?+食事(グルテンフリー、カゼインフリー)をどう工夫しているか?」参照)。
2022年7月まで
・外用ステロイド
・JAK3阻害薬(コレクチム)
の2薬剤を併用しながら、症状の軽減を心がけていた。
2022年8月(盆期間中)、ステロイド剤が切れたので、同クリニックへ行こうと思ったが、休診だった。ステロイド剤の処方してもらおうと、盆期間に空いている医療機関を改めて検索。妻・亜希子からのお勧めもあり、代官山のまいこホリスティックスキンクリニックの山崎まいこ先生の下へ。
まいこ先生は、御川先生の分子栄養学のセミナーを受講したこともあり、分子栄養学についても造詣が深い。2022年8月16日に初診した際、自分の過去の診察データをシェアした。その際、新薬が話題になった。
2週間に1回皮下に注射の分子標的薬の一つ、デュピクセントで、アトピー性皮膚炎の「炎症」「かゆみ」「バリア機能低下」の3つに対して症状を緩和する効果があるそう。
薬の値段(薬価)は高いが、2022年8月に薬価改定があり、1回2万円を切ったこと。保険診療内で投薬が可能等をご紹介いただいた(「2週間に一回の注射剤の使用開始」参照)。
デュピクセントの投与開始〜投与1回目〜2022年8月18日
まいこ先生から勧められたこともあり、私もチャレンジしてみようと決断。使用前の皮膚症状の全身写真を撮った上で、2022年8月18日から1回目の投与を開始した。参考に、自己注射も可能だが、個人的には注射が苦手な上、まいこ先生とコミュニケーションをとりながら治療を進めたかったので、毎回通院することにした。
注射してから、1日が経過し、興味深いことに、痒みが30%まで低下。まいこ先生からは、初回から効果があるよ、と伺っていたが、それを実感した。1回目の注射でいつものステロイド(塗り薬、ストロングタイプ、マイザー)の処方を頂いたが、使用頻度が5〜6回から3〜4回に減少。
2022年9月2日に2回目の注射。ステロイドの使用頻度も2〜3回に減少(「使用1ヶ月後の経過〜ステロイドの使用が激減」参照)。しばらく経過観察していたが(「分子栄養学に出会ってから3年〜アトピー性皮膚炎の治療から脱ステロイドまでの道筋」参照)、思わぬ落とし穴があった。
一進一退が続く〜投与2回〜8回目〜2022年8月〜12月
2022年10月頃に、頭の額、肩甲骨の左右に皮膚炎の症状がなかなか消えなく、痒みが出てきたのだ。そこで、2022年10月末に1週間、集中的にステロイド(マイザー)を朝晩と使い、症状の軽減に臨んだ。この時ほど、ステロイドの効果を実感したことがなかった。
結果、頭の額が完全に症状が消えた。素晴らしかったのは、秋から冬にかけて皮膚が乾燥する季節。症状が悪化するのは、それほどなく、2022年内は、如何にデュピクセントが素晴らしいか、実感することとなった。
2022年11月25日には、8回目の注射を終え、ステロイドの量も一時、中断できるまでになり、痒みも1割に低下した(マイザーの5gの軟膏を1週間に1度のペースだったのが、1ヶ月のペースに)(「使用3ヶ月後の経過〜ステロイドの激減+症状の軽減+瞑想と心への影響」参照)。
投与4ヶ月後(2022年12月)になっても、痒みは完全に減ったわけではなく、背中の肩甲骨付近、肋骨の下の右側に少し赤みの湿疹がわずかながら、症状が出ており、それが1ヶ月にわたって継続した。
血液検査①〜投与16回目〜亜鉛とフェリチンが低下〜2023年3月22日
2023年に入り、「痒みの原因は何によるのか?」原因追究のため、血液検査を依頼。投与の16回目の注射した日(2023年3月22日)に採血し、2023年4月5日に検査結果を伺った(「使用6ヶ月後の経過〜ステロイド激減+痒み+亜鉛と鉄」参照)。
アレルギーの指標の一つ、IgEの値が、半年前に比べると、半減(53 IU/mL→22 IU/mL)し、TARCも206 pg/mL→124 pg/mLと軒並み、減少している。リンパ球が28.6%→35.7%、好中球が57.4%→53%と、今までの中で一番ベストな自律神経バランスになっていることがわかる。
一番のポイントだったのは、亜鉛の値とフェリチンの値だった。亜鉛が86 ug/dLから70 ug/dLへ減少(本来ならば130欲しい)、フェリチンは73まで低下した(100以上は欲しい)。亜鉛、鉄とアトピー性皮膚炎には深い関係がある。
アトピー性皮膚炎〜亜鉛との深い関係
皮膚炎に重要な役割を果たしているのは、人の身体にとってエネルギーとなるATP(アデノシン3リン酸)だ。通常、ATPは、細胞の中に留まるが、物理的接触や外部ストレスなどの刺激によって、細胞外へ。細胞外で炎症を起こすことが知られている。実際、皮膚細胞から外にATPが出ると、皮膚炎が起きるのだ。
ATPは、酵素によって速やかに分解されるが、亜鉛が少ないと、酵素の働きが弱くATPの分解が促進されない。結果、皮膚炎が進む。身体の中でATPが多いのは身体を動かすためにATPをエネルギーに使う筋肉だが、皮膚にもある程度の量がある。
皮膚に存在する亜鉛のうち7割が、皮膚の一番外側の表皮にある。皮膚炎が起きると、皮膚の表皮がすぐに剥がれ落ちてしまうため、亜鉛が失われる。この亜鉛が、痒みによって使われていることを考えると、亜鉛の増量が必要とのこと。亜鉛の量を倍増(50mg→100mg)することにした。
アトピー性皮膚炎〜フェリチン(鉄)との深い関係
鉄(フェリチン)の量も、低いと痒みが起きやすくなるとのことだ。
フェリチンとは、鉄を貯蔵する蛋白質の一種。このため、血清中の鉄の濃度を維持していく上で重要な役割を果たす。そして、鉄が不足する場合「フェリチンの減少 →血清鉄の減少 →ヘモグロビンの減少」の順で、フェリチンから減少。このため、貧血の指標の一つとして使われる。
酸素を運ぶ上で、赤血球の中のヘモグロビンは重要な役割を果たすが、ヘモグロビンの構成ミネラルに鉄が使われる。フェリチンが足りなくなると、皮膚や粘膜に酸素が運ばれなくなるため、酸素不足へ。健康な粘膜・皮膚が作られない、再生されないことから、アトピー性皮膚炎の症状が出るのだ。
一方で鉄は、腸内環境のバランスを崩す可能性が高いため、積極的に取り入れることがなかったが、今回、いいサプリメントがあるので、取り入れてみてはどうか?と、「フローラディクス(FLORADIX)」を勧められた。
試飲してみたが、とにかく美味しい!鉄剤といえば、肉の肝をイメージするが、そういったことは一切ない。プルーン約250倍、ホウレンソウ約25倍、牛レバー12.5倍、サジーフルーツ約7.6倍の鉄分を持ち、吸収率の高いヘム鉄が配合されているらしい。
更に、まいこ先生からは、腸からのミネラル吸収が弱い可能性も指摘された。そこで、御川先生の時に勧められた、細胞膜の成分である「フォスファチジル・コリン」も取り入れることにした(こちらはしばらく中断していた)。
当時、サプリメントとして取り入れているのは、
ビタミンA(10000 IU/日)、ビタミンC(2g)、ビタミンD(10000 IU/日)、ビタミンB群、ビタミンB12、オメガ3(2000mg)、時々ビタミンE
だった。
血液検査②〜投与20回目〜亜鉛とフェリチンの改善〜2023年6月27日
まいこ先生の指示通り、鉄サプリと亜鉛増量は継続したが3ヶ月経過した時点で鉄のサプリを中止。効果測定のため、摂取してから3ヶ月後(2023年6月27日、投与20回目)に、採血。2023年7月11日に、血液検査の結果が出た(「使用11ヶ月後の経過〜血中の亜鉛と鉄の値が上昇」参照)。
フェリチンが77.5→112、亜鉛も70→ 95と大幅に改善。その上で、アレルギーの指標となるTARC、IgEの量に変化がないことから、鉄と亜鉛が身体に取り入れられたことがわかった。まいこ先生によると、腸内環境が良くない人だと、こうもうまくいかないらしい。
亜鉛と鉄が上がった要因として
1)フォスファチジル・コリンを摂取したこと
2)御川先生のところで、除菌、有害の重金属排泄を事前に行ったこと
の2つではないか、考えている。
デュピクセント投与終了〜投与24回目〜2023年8月16日
2023年8月16日、投与の24回目を迎え、投与が終了した。
驚くべきことに、デュピクセントの投与直後に、ステロイドの使用が大幅に激減。1、2ヶ月に1回、ステロイドを使用するまでに使用頻度が低下した。肝心な痒みに関しては、7割程度軽減。痒みがあるのが、肋骨の下、肩甲骨付近、足の脛の付近等で、局所的な症状で済んでいる。
血液検査③〜投与24回目〜2023年8月16日
デュピクセントの治療を終えた段階で、再度、血液検査を実施した。ここで結果をまとめると、善玉コレステロールのHDLの値が低く(動脈硬化のリスクを高める)い結果になっており、今後、プロバイオティクスを摂取することになった。
さて、血液検査で調べたのは、脂質値(中性脂肪、コレステロール値)、脂質4分画(オメガ3、オメガ6の割合)、解毒系(ビタミンB12、葉酸、ホモシスティン)の3つだ。
脂質値と脂質4分画〜HDL-C値が低い
まずは、脂質値。中性脂肪の値が若干高い、HDL-コレステロール(善玉コレステロール、HDL-C値)以外は、栄養学的には正常値以内だった。総コレステロール(TC)値は、182mg/dL(2020年10月23日)から221mg/dL(2023年7月25日)にまで改善した。
TC値が高いと、心疾患のリスクが高いと言われているが、低くても問題。例えば、TC値の低下により、エネルギーの産生、脂質・蛋白質の消化・吸収不足、ホルモンの産生の低下、ビタミンD、胆汁酸の産生の低下等が読み取れるのだ。
問題なのは、HDL-C値。低いと動脈硬化のリスクが指摘されており、60-70まで上げていくことが重要。父親が心疾患を罹患しているため、HDLは要注意。そこで、HDL-C値の改善を期待するため、プロバイオティクスの摂取をすることになった(後述)。
脂質4分画。炎症を抑えていくためには、炎症を抑える「良い油」(オメガ3)と炎症を促進する「悪い油」(オメガ6)のバランスが重要。オメガ3/オメガ6が1に近いといいが、3年前が0.28だったのが、0.81に改善。
オメガ3のサプリメントを定期的に摂取しているのが功を奏しているし、アトピー性皮膚炎の症状も抑えることにつながっているので、経過が良好だ。現在、オメガ3は以下のサプリメント(CARLSON ELITE OMEGA-3 1600mg)を使っている(2錠/日)。
ホモシスティンの値が適正範囲内
ホモシスティンの値が高いと、動脈硬化、偏頭痛等のリスクが上がり、解毒能力の低下の指標となる。代謝には、葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6の共同でグルタチオンの解毒回路に関わっている。
2021年12月17日に測定したときは、10.8と高く、目標値の8-9に及ばなかった(「分子栄養学の治療は一筋縄ではいかない〜有害ミネラル排出後の治療方針」参照)。御川先生のアドバイスを受けながら、ホモシスティンが徐々に低下。きっかけとなったのが、細胞膜の成分のフォスファチジル・コリン(PC)の摂取からだった。
2021年12月にPCを摂取開始後、2022年1月29日には、7.1に低下。ビタミンB12、葉酸の摂取が功を奏する形になった。まいこ先生の下で、ホモシスティンの値を測定。1年ぶりに調べたところ、6.3。今までの中で一番低く、一安心だった。
デュピクセントの投与終了後・1年間フォローアップ〜2023年8月16日〜2024年8月7日
プロバイオティクスの摂取〜HDL-C値の変化を期待〜2023年8月16日
血液検査で気になったのが、HDL-C値だった。しかも、今までの分子栄養学の治療で、サプリメントを摂取しても変化していないことから、ひょっとしたら腸内環境を整えることで、変化がで期待できるのではないか、ということになった。フランスのナチュメディカ社から出ている「マフロリル・ガセリ」のプロバイオティクスを摂取へ。
この商品は、4種類の乳酸菌が合計100億個相当入っており、ダイエットをしたい、内臓脂肪が気になる、肥満を防ぎたい、腸内環境を整えたい、免疫力を上げたい、等にオススメらしい。果たして、効果があるかどうかは、血液検査で調べることにして、1日1回、早朝に取り入れることができればと思っている。
栄養分析プログラムの血液検査〜投与終了・3ヶ月後〜2023年11月21日
治療がひと段落したので、「栄養分析プログラム」の血液検査(60項目、2023年11月21日)を行った(2021年10月以来、3年ぶり)。2023年12月5日に結果を伺いにクリニックへ(詳細は「分子栄養学の血液検査〜3年ぶり+どのような変化があったのか?」参照)。
血液検査の結果①〜「消化管出血」の疑い+胃・大腸検査
驚いたのは、尿素窒素の値が高く(33.4)、血色素量(ヘモグロビン)が低かった(14.1)ことだった。
「これは、消化管出血の疑いがあるよ」
という指摘を受ける。
慌てて、胃と大腸の内視鏡・消化器内科クリニック・川崎中原院へ。胃カメラと大腸内視鏡の検査を同時に行った(2023年12月8日)。幸運なことに、消化管出血は軽度で、胃の潰瘍が指摘されるものの、大腸は問題がないことが判明した(「デュピクセント+食事+睡眠+内視鏡検査」参照)。
では、原因はなんだったのか?
血液検査の結果②〜蛋白質の取りすぎ、炭水化物とのバランス
スポーツジムでアドバイスを受けた時に、食事で蛋白質を2.0g/体重kg・日をとったほうがいいよ、とアドバイスを受け、筋トレの合間に、体重(60kg)の2倍の120gを目標に、食事とサプリメントから摂取した。
それに加え、中性脂肪が高い(150 mg/dL)ため、持続的に血糖値を測定できる「リブレ」(「Abbott FreeStyle Libre フリースタイルリブレ センサー リーダー 血糖値測定器」)の結果から、できるだけ血糖値が上がらないように、炭水化物の量を制限しながら、蛋白質の摂取量を上げた。
確かに、中性脂肪がこの期間中減ったが(127 mg/dL)、BUNが大幅に上がることになり、蛋白質の分解が進んでいることが予想された。今後は、蛋白質量を1.6g/体重kg・日まで落とし、食事中心に蛋白質を摂る方向で考えることにした。
もちろん、中性脂肪自体、運動をすると減っていくこともわかっているので、筋トレと持久系のトレーニングを継続。良質な脂質(MCTオイル、オリーブオイル、ナッツ、バター)を取り入れ、中性脂肪が上がり過ぎず、BUNも適切な値になる、食生活を送っていきたいと思っている。
脱ステロイドの生活〜投与終了・5ヶ月後〜2024年1月12日
デュピクセントの治療を終えたのが、2023年8月。まいこ先生によると、1年間、デュピクセントの治療を継続すると、アレルギー症状がほとんど出なくなりよくなるよ、とアドバイスを受けていた。投与終了後、5ヶ月後、どのような変化があったのか?(「脱ステロイド成功、皮膚の状態が良好」参照)
結論を書くと、
1)脱ステロイドに成功する〜皮膚に厚みが出る
2)蛋白質を取りすぎるとかゆみが増す
3)寒暖差が一時的に出るとかゆみが増す
4)スキンケアを入念に行うと、症状が軽減
5)睡眠の時間が長いと、症状が軽減
と、症状が劇的に良くなり、どういった状態の時に症状が軽減するのかがわかった。
脱ステロイドに成功〜皮膚に厚みが出る
条件によっては、かゆみが増す!と書いたが、ステロイドを全く使わなくなったのが大きい。ステロイドを使うと、皮膚が薄くなって、皮膚の回復が遅くなる。ステロイドを使わなくなると、皮膚に厚みがてて、多少かゆみが出たとしても、かゆみが軽減すると、皮膚の回復が早い。
皮膚症状が悪化するとき〜蛋白質過多、寒暖差
蛋白質の摂取量(2g/体重kg/日)と低炭水化物の生活を送った頃(2023年12月)に、一時皮膚症状が悪化。血液検査でも、消化管出血の疑いがあった(胃カメラ・大腸内視鏡検査で問題ないことが判明)。蛋白質の摂取量を減らすこと(1.6-1.8g/体重kg/日))で大幅に改善した。
寒暖差も影響があった。2023年12月はちょうど、気温が10度下がった月になったが、その時に湿疹が出て、かゆみの症状が現れた。興味深いことに、寒さに慣れること、あまり厚着しすぎないこと(汗をかきすぎると症状が出る)で、解決した。
スキンケアを入念にする〜オイルと乳液〜症状改善
毎朝、シャワー浴びる時に、冷シャワーを浴びる(30秒〜1分)。直後に、スキンケア(オイル)(ORGANIC MOIST REPAIR)を塗布する。この結果、夕方までかゆみがほとんどなくなり、皮膚の状態が劇的に改善していった。
乳液も活用しており、手元にオイルがないときは、乳液を使って、かゆみの軽減を図っている。
睡眠時間の長さと質も重要〜オーラリングで測定
「オーラリング(OURA RING)」によって、睡眠の質を測定できるようになった。
昨年(2023年)の11月から、指輪デバイスで、睡眠の質を測定することに特化しているオーラリングを人差し指に装着開始。どのような状況に時に、深い睡眠が長くなるのか?を中心に調べている。
睡眠時間が短い(5〜6時間)と、その日のかゆみが一時的に出てくるが、睡眠時間が長い(7時間以上)とかゆみが相当軽減することが判明。深い睡眠の時間も重要で、その時間が30分より長いと、かゆみが減り、30分より低いと、かゆみが一時的に出やすくなった。
皮膚炎の症状が再燃〜フェリチンの値が低下〜投与終了・7ヶ月後〜2024年4月23日
デュピクセントの治療を終えてから、半年間(6ヶ月間)は、ステロイドをほとんど使用せず。経過良好だったのだが、2024年3月に入り、アトピー性皮膚炎の症状が出現(「フェリチンの低下、痒み発症、対策」参照)。
ほとんどの方は、デュピクセントを1年間継続的に投与すると、ぶり返すことがほとんどない。不運なことに、半年経過した時点でぶり返した。痒みが解消されなかったので、2024年3月頃にステロイドを使用開始。1ヶ月間、ステロイドにお世話になる生活に戻った。
まいこ先生に血液検査を依頼。2024年4月23日に実施した。
2024年5月7日、結果を伺うと、中性脂肪の値が2倍と高くなっている以外は、脂質値は分子栄養学的に適値に収まっている。一番気になったのが、フェリチンの値。80.4から57.6に大幅に低下した。
フェリチン値の低下〜亜鉛の取りすぎと筋トレ
今回、まいこ先生を通じて分かったこととして、
1)亜鉛の取りすぎて(例 50mg程度)、鉄を取らないと、鉄が消費され減っていく
2)筋トレによって鉄が消費される
が挙げられる。
以下、説明したい。
亜鉛は、アトピー性皮膚炎の痒みを抑えるのに働く。そのため、亜鉛を50mg程度取っているのだが、そこは鉄とのバランスも重要になってくる。しかしながら、亜鉛を取りすぎると鉄が消費され、フェリチンの値が低下するのだ。
もう一つは、筋トレによって鉄が消費されている問題。筋トレを週3回行っているが、特に、持久系のトレーニングの最中に汗をかく際に、痒みが出てくるケースがあり、しばらく様子見という印象だ。
炎症の指標〜TARCとIgEの変化
救いだったのは、アレルギーの指標の一つ、IgEの値が、1年前(2023年3月)に比べると(22 IU/mL→48 IU/mL)それほど上がっていないし、TARCも124 pg/mL→552 pg/mLと思ったよりも上がっていない。
自律神経のバランスは良好
最後に、自律神経系のバランスを見る、リンパ球と好中球の割合だが、リンパ球が28.9%→26.2%、好中球が57%→61.5%と、思ったより影響が少なかった。
鉄(フェリチン)の値が低い〜サプリを補充
今回も「フローラディクス(FLORADIX)」を取り入れることになった。
前回、3ヶ月間、鉄のサプリの補充に取り組んだ結果、フェリチンが77.5→112(と亜鉛も70→ 95)の値になり、大幅に改善している。その上で、アレルギーの指標となるTARC、IgEの量に変化がないことから、鉄と亜鉛の摂取ができた。そこで、摂取量を前回の3倍に増量(前回は10mL、今回は30mL)にした。
この対策をとってから、3ヶ月が経過。2024年8月7日に採血。2024年8月21日、血液検査の結果が判明した(「フェリチン値上昇、睡眠改善、痒み軽減」参照)。
皮膚炎の症状が改善〜投与終了・12ヶ月後〜2024年8月7日
フェリチン値改善と痒みの減少
果物、ご飯の量を半分にするよう食事を心がけた結果、中性脂肪が、264mg/dLから200mg/dLに改善。蛋白質の摂取量が上がると尿素窒素(BUN)の量が上がり、腎臓に負担がかかることが判明しているので、食事から蛋白質を摂取するようにしたところ、BUNが25.8mg/dLから20.3mg/dLに減少した。
フェリチンの値は、57.6から83.2に上昇。亜鉛、銅の割合も1:1に限りなく近づいており、炎症も治ってきていることもわかる。若干筋トレを控えるようにしていたが、暑さにより、多汗だったため、果たして上がるのか?疑問に思っていたが、だいぶ改善しているのがわかる。
まいこ先生によると、フェリチンは100以上で維持することが重要とのこと。鉄サプリを開始してから、2ヶ月後(2024年7月)から痒みの軽減が一気に進んだ。ステロイドの量も1日1回から週に2回へ変化。フェリチン値が下がると、体調を崩しやすく、集中力も低下する。改善すると、物事に対して、取り組みやすくなる。
睡眠(OURAリング)と瞑想(MUSE)の改善
現在、OURAリングを使って毎日の睡眠を、脳はデバイス・MUSEを使って毎日の瞑想をそれぞれトラッキングしている。OURAリングを使った瞑想スコア、MUSEを使ったCALM率の変化を追っているが、いずれも2024年5月から改善が認められるのがわかる【下記の表参照】。
炎症の指標〜TARCとIgEの変化
アレルギーの指標の一つ、IgEの値が、2023年3月に比べると(22 IU/mL→46 IU/mL)それほど上がっていないし、TARCも124 pg/mL→259 pg/mLと思ったよりも上がっていない。
肝臓・自律神経のバランスは良好
自律神経系のバランスを見る、リンパ球と好中球の割合だが、リンパ球が26.2%→32.6%、好中球が61.5%→53.4%と大幅に改善。
ヘモグロビンの値の改善が必要
問題として指摘されたのは、ヘモグロビンの値(血色素量)。14.1になっている。ビタミンA、B群、亜鉛、鉄等、総合的に栄養素が補わないと、上がってこない。成人男性は、最低でも15が必要とのことだ。
現在の取り組み
このように、アレルギーの指標となるTARC、IgEの量に変化がないことから、鉄と亜鉛が身体に取り入れられ、バランスが整ったと思う。しかしながら、フェリチンの目標値の100に到達しなかったこと。ヘモグロビンの値が15に到達していないとことが判明した。
今後とも、鉄サプリを継続して摂取することにして(30-40mL/回)、3ヶ月後に、どのように変化するか経過観察していく予定だ。
まとめ
今回の4回目は、まいこホリスティックスキンクリニックの山崎まいこ先生(皮膚科医)で受けたデュピクセント治療(2022年8月〜2023年7月)と、治療終了後の1年間、どのような分子栄養学の治療を受けたのかを中心にまとめさせていただいた。
少しでもこの投稿が役立つことを願っています!