【W#144】リスボン(1)〜イベリコ豚と落書き
セビリアの日程がほぼ終了し、次の目的地のポルトガルのリスボンに向かうことになった。
スペインから離れる直前、オークの木に囲まれる中、放牧されているイベリコ豚をみることができた。
実は、アンダルシア地方(アンダルシアについては、【旅コラムVol.144】で触れた)のもう一つの特徴は、イベリコ豚で生産される生ハムがあること。
生ハムの生産会社が国境近辺に集中している。
黒い脚と爪を持つ傾向からか、イベリコ豚は黒い脚とも呼ばれる。
イベリコ豚は、最初の12ヶ月は栄養が制限された飼料が与えられる。その後の12ヶ月はどんぐり(Acorn)のみの餌で1年で2倍の体重にまで増える。いずれも特徴的なのは放牧して生育させるということ。
放牧を通じて筋肉に変化。赤みが強くなり、脂肪との親和性が高まっていく。そのことで味わいのバランスが出てくるらしい。イベリコ豚を塩漬けにし、余分な塩を洗い流す。低温、乾燥した条件で放置すること2年。イベリコ豚の生ハムでありハモン・イベリコ(ハモンはスペイン語でハム)ができる。店には下の写真のように展示され販売されている。
スペインには数多くのハムを販売する店や実際に飲食できる店が多数あり、スペイン人にとってハムは一つの食文化になっている。オリーブもそうだが、生産者はそれぞれ伝統的な方法を残しつつ、どうグローバルに発信してくのか?そういった姿勢を感じることができた。スペイン人は英語ができないというイメージがあるが、生ハムの生産工程はバスの中で英語の動画を通じて知ることができ、英語で発信しているということは、国外への意識を強めるという、ここでもボーダーレスを感じることができた。
さて、スペインからポルトガルの国境を無事に越えることができた。国境審査も全くなく、看板も1km手前と国境に簡単な看板のみだった。
ポルトガルに入っても自然の風景が続いた。
橋を渡ってリスボン市内へと入っていくと、第一印象として感じるのは、この街には落書きが多いということだ。
ここまでくるとアートといってもいい。実際に落書きアーティストを保護するプロジェクト(CRONO project)もあるらしく、落書きはリスボンの文化の一つになっているらしい。
落書きはヨーロッパ諸国で見ることができるが、写真で紹介しているようにここまで凝ったものはリスボンで見るのが初。本当に都市によっても違いが出るのはヨーロッパの旅をする醍醐味だと思う。
最後に、市内で印象的なものを2つ紹介する。
1つは、サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジに似た橋がある。同じ設計士によって作られたらしい。
そして、ブラジルのコルコバード像と似たものがリスボンにもある(夜撮影のため、わかりにくいが・・・)。
次にリスボンの市内観光の様子を簡単に紹介する。