1. HOME
  2. ブログ
  3. ブログ/全ての記事
  4. コラム
  5. 西洋医学
  6. オーソモレキュラー/栄養学
  7. 【N#162】コレステロールとは?①〜食事、作り方、役割

BLOG

ブログ

オーソモレキュラー/栄養学 コラム ブログ/全ての記事 薬・開発 西洋医学

【N#162】コレステロールとは?①〜食事、作り方、役割

はじめに

こんにちは!東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・睡眠・運動等の情報を提供している大塚英文です。

栄養学において、最も重要でかつ、賛否両論の多い、コレステロールについて何回かに分けて紹介したい。

コレステロールとは何か?

コレステロールは、27個の炭素からなる有機化合物の一つ。いい悪いで判断しがちなコレステロールだが、この化合物がないと、人間は生きていけない。

実際、ストライヤーの生化学(大学で定番の生化学の教科書)には、1784年に胆石からコレステロールが発見されて以来、過去に13のノーベル賞がコレステロールに授与されている。

意外と見落としがちな点として、コレステロールは、コレステロールとエステル基がついたコレステロールエステル(Cholesterol ester)の2種類が知られていることだ。後述するように、食事から吸収される、胆汁から排泄される際に、重要となる。

コレステロールの大部分は、体内で作られる

コレステロールの25%(300-500mg)は食事から(英語では、exogenous cholesterol)、75%(800-1200mg)は、体内(英語では、endogenous cholesterol)で作られる。

参考に、体内で作られるコレステロールの20%は、肝臓で作られ、残りの80%は他臓器で作られる。私は、大学時代、生化学の授業で、コレステロールの27段階の生合成経路の出題があったので、暗記したが、本当に複雑。興味深いのは、血中のコレステロール値は、狭い範囲内で一定になるように作られることだ。

余談になるが、体内で作られるコレステロールの経路のうち、初期に登場する酵素が、HMG-CoAレダクターゼ(HMG CoA Reductase)。この酵素を阻害するのが、スタチン(statin)。当時製薬会社の三共の研究者であった遠藤章さんによって発見。ご興味がありましたら下記の本をチェックください!

体内の作られるコレステロールを減らすことで、血中のコレステロールの値が低下する。結果として、心血管疾患の発症を抑制することが示されたため、莫大な利益を製薬会社にもたらされる。現在は、スタチンだけで、市場規模が149億米ドル(2兆5000億円)にも及ぶ。

体内で貯蔵されるコレステロールは、30-40g。ほとんどが細胞の外にある「細胞膜」にある。すべての細胞は、コレステロールを作ることができる。コレステロール値が低いと、やばい!と思っている人もいるかと思うが・・・。

普段血液検査で測定する、輸送蛋白質のリポ蛋白質(LDL、HDL、VLDL、カイロミクロン)(次回取り上げます!)の合計よりも多くのコレステロールが、赤血球の中の細胞膜に存在する(赤血球の中のコレステロールは動脈に影響を与えない!)。

体内で吸収されるのは?〜コレステロールのみ

コレステロールは2種類(コレステロールとコレステロールエステル)のうち、小腸を介して吸収されるのは、コレステロールの方で、コレステロールエステルは吸収されない。何と、食事の50%以上は、コレステロールエステルの形をとっているため、食事からの吸収は思いの外少ないのだ。

参考に、卵の卵黄中にコレステロールは、約1.6%(全卵100g中に400~500mg)含まれる。約84%はコレステロールで、16%はコレステロールエステルだ。

つまり、食事からコレステロールを取り入れても、血液検査で測定するコレステロール値にほとんど影響を及ぼさないのだ。

更に、消化管内にあるコレステロールの85%は体内で作られたコレステロール。脂質の代謝に必要な胆汁にはコレステロールが含まれており、肝臓から胆汁を経て、消化管にコレステロールが排泄される。

コレステロールエステルだと排泄されないので、肝臓の中にある、コレステロールからエステル基をとる酵素(コレステロールエステロラーゼ)が働く。

食べ物から取り入れたコレステロールは、小腸の表層にあるコレステロールを取り込むための蛋白質(NPC1L1(Niemann-Pick C1-like 1 protein))を通じて、体内へ取り込まれる。このメカニズムを使った処方薬がある。それは、Ezetimide(エゼチミブ)。NPC1L1を阻害することで、コレステロールの値を低下させる。

コレステロールは悪者なのか?

コレステロールが一番多いのは、細胞膜。コレステロールは、細胞膜の動きを良くするために存在し、細胞内外の物質の出入りをよくする。細胞膜に重要な役目を果たし、細胞の存在意義に関わるといってもいい。

コレステロールは、ステロイドホルモン(コルチゾール、性ホルモン)、胆汁、ビタミン(ビタミンD)を作る上でも重要。更に、神経細胞の情報を伝えるためのミエリンのコレステロールが必要と、コレステロールなくして、人間は生きることができない。

コレステロールが問題になるのは、動脈壁の内皮細胞の中に入り、動脈を詰まらせる。その結果、栄養が心臓の冠動脈や脳に行き渡らないことで、心筋梗塞、脳卒中、脳梗塞が起きるのだ。

一方で、血中のコレステロールの値を測ったとしても、そのコレステロールが動脈を詰まらせるかどうかは、判断するのが難しい。では、どのようにしてコレステロールが血管に害を及ぼすのか?次回取り上げたい。

まとめ

今回は、コレステロールについてまとめた。
1)コレステロールの大部分は、体内で作られる
2)コレステロールなくして、人間は生きることができない〜No Cholesterol, no life
3)コレステロールが問題になるのは、動脈壁に入った時
4)コレステロールを取ったからって、血中のコレステロールの値にほとんど影響を及ぼさない

次回は、血液検査に登場する、LDL、HDLとは何か?心臓病との関係についてまとめたい。少しでも、この投稿が役立つことを願っています。

関連記事

脳活講座(第3期)〜基礎編・実践編のご案内〜2024年6...

【N#134】基礎講座(第0回)を開催〜科学の使い方につ...

【N#1】「渋谷の発酵晩ごはん会〜宇宙食堂ひかり」をZE...

【N#139】基礎講座(第4回)を開催〜小腸と大腸の働き...

【N#25】アトピー性皮膚炎とカンジダ症:リーキーガット...

【N#92】安藤麻希子先生のセミナーを受講して〜子育ての...