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【B#105】第27回・読書会の開催の報告〜初めての海外からの参加者〜坂村真民さんの詩集で盛り上がる

こんにちは!東京・渋谷(恵比寿)でロルフィング・セッションと栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。

2021年3月12日(金)、午後7時半から、第27回・読書会を開催した。

今回、取り上げたのが坂村真民さんの「二度とない人生だから」(サンマーク出版)。

真民さんの詩集を取り上げるのは今回で2回目。詩人のあいだみつおさんが師と仰いだ詩人として知られており、私も真民さんの詩に魅了。時々、作品を見返している。
真民さんの詩は、味わい深く、出会うタイミングによって違った詩が心に残る。
今回、改めて「二度とない人生だから」の詩集を開いてみたら、

目をひらくためには
目をとじねばならなぬ

空に
星が光っている
野に
露が光っている
山に
木が光っている
ああ
光を求め
光を見つめ
生きていこう

といった詩が目に入ってくる。
さて、真民さんとは、2001年まで遡る。
父が愛読していた伝記作家、小島直紀さんが雑誌「選択」で連載を持っていた。そこに「現代の覚者たち」(致知出版社)から引用された言葉が紹介されていた。

「本当に偉大だなと思う人には、みな平凡さがある。平凡に鍛えて、偉大にしている。そう思うのです」
「人を育てる秘訣。ほめること。だが、やっぱりほめ方というのは、やっぱり、自ら鍛えた人でないとだめですね」
「才能を創るには?最も大切なことは、何度でも繰り返してやる、ということです。身につくまで何度でも、繰り返してやる」
「要領がわるいかもしらんが、それこそが本物であるということの証拠であって、そこにあなたの魅力があるのです」

人生に達観した70代の7人の偉人たちの言葉に衝撃を受けた。

そこで、書店で「現代の覚者たち」を入手。出会った中で、強烈に印象に残ったのが、森信三さん(森さん)の言葉や坂村真民さんの詩だった。

例えば、森さんの「しつけの3原則」
1)朝、必ず親に挨拶をする子にすること
2)親に呼ばれたら必ず「ハイ」とはっきりと返事できる子にすること
3)ハキモノを脱いだら、必ず揃え、席を立ったら必ず椅子を入れることにすること
至って、シンプルなしつけの原則。
なぜこれらが効果があるのか?理由もシンプルに語っている。
母親自身が、ご主人に対して、朝の挨拶をはっきりするようにし、またご主人から呼ばれたら、必ず「ハイ」とはっきりとした返事をするように努力すること。
「ハイ」をいうことで、その人は「我」を捨てられるわけだ。つまりそれまでの意地や張りの一切までも投げ捨て、一家の人々の雰囲気まで変わっていく。
森さんは、実際に、これを実践した家では、非行少年がなくなる経験を多くみてきたらしい。
そして、立腰。
朝起きてから夜寝るまでいつも腰骨を立てて曲げないこと。これを徹底すると、文字通り、生きる力が湧いてくる(肩の気張りが取れて、全身の力が臍の下の丹田に収まって、どっしりと落ち着いた人間になれる。

このように、身近なことを言葉にしながら、「生き方」を説く、森さんに魅了され、「人生二度なし」を課題図書として読書会でも取り上げさせていただいた(「10回目の読書会:人生二度なし〜日々の積み重ねを大切にすること」参照)。

森さんを師匠と公言していたのが詩人の真民さん。
身近な事柄を言葉にしていたのが、森さんとすると、真民さんはそれを短い言葉=詩という形で表現していると思う。
本当に、本当に、真民さんの詩集に出会うことで、当時のストレスフルな生活を送っていた私を励ましてくれたので、ありがたかった。

真民さんとの詩集の出会いから、15年後の2015年。
詩集が「サンマーク出版」から出版されていることを知り、なんと、担当編集者の斎藤りゅう哉さん(りゅう哉さん)と出会う幸運に恵まれた。ありがたいことに2017年12月に読書会を初めて開催してから、常連メンバーの近い形で参加いただいている。

今回の読書会では、真民さんの詩集を愛読する香港在住の方(オンラインでの参加)を含め5名でシェアする会になった。そこで、みなさんのシェアとともに、りゅう哉さんがどのような思いで詩集を世に出したのか?話していただいた。実は、3年前に、坂村真民さんの伝記が発売されているので、もし興味がありましたら、ぜひ(神渡良平著「自分の花を咲かせよう ~祈りの詩人 坂村真民の風光」)チェックください。

りゅう哉さんが、初めて真民さんの詩を読んだとき
「まるで全身の毛穴から熱いものが一気に吹き出すように感じた」
そうだ。そして、詩集を出したいと、真民さんの在住の自宅へ。しかし何度も依頼してもダメだと。。。
「派手な広告で本を売る出版社から本を出さない」
と厳しく断られたそうだ。

幸運だったのは、りゅう哉さんが諦めなかったこと。なんと、びっくりすることに、1年後に和紙が巻かれた手紙が届き
「天から啓示があり「念ずれば花ひらく」と題する詩集を出してほしい」
と毛筆で書かれていたそうだ。

こういうエピソードを聞くと、このような素晴らしい詩集をりゅう哉さんを初め、サンマーク出版の方々が出していただいたおかげで、今の私もあると思うので、感謝の気持ちでいっぱいだ。

寒い場所で詩人として活動した宮沢賢治さんと、暖かい場所で活動した坂村真民さんの詩の違いがある、仏教やインドの聖典(ヴェーダ)の考えが詩に表現されている、といったシェアもあり、詩集なのに、あたかも、一冊の本や聖典を読んでいるか、のような印象深いやりとりがあった。
時々、印象に残った詩の朗読も聞くことができ、本当に貴重な時間になった。

次回は、佐藤伝さんの「祖父・多田等観が語った チベット密教 命がホッとする生き方」を取り上げる予定だ。毎回、予想できないような奇跡がシェア会の中で起きるので、楽しみだ。

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