【N#42】化学の歴史は、ミステリーを読み解く作業〜元素、原子、分子はどのように発見されてきたか?
年末年始は、読書三昧。
「西洋の科学の考えは、キリスト教のみならず、イスラムを含めた外部からの刺激を受けて発展している」
に西洋の科学は、イスラム教を含め外部からの影響を受けていることをまとめた。
ここ1、2週間は、「身体の学校・ZERO塾」のプレゼン資料の作業を行なっていた。
おかげさまで、1回目の「元素とは何か?」はほぼ出来上がった。
2020年1月25日(土)に始まる予定の身体の学校・ZERO塾では、
「生物学(特に分子生物学や分子栄養学)の理解には、化学の歴史を知ることが大事!」
をモットーにしている。
そして、
化学の「基本的な考え」を「歴史」を通じて参加者に学んでいただく予定だ。
「身近な化学物質は、なぜ化学記号で表すのか?」
「代謝・栄養の基本となるエネルギーとは何か?」
「なぜ、分子栄養学は「分子」が前についているのか?」
「燃えるとは何か?」
「温度とは何か?」
化学では、
「世の中の物質は、原子から作られる」
「原子が集まって結びついて物質ができて、原子が離れることで化学反応が起きる」
と学ぶが、
暗記だけだと、上記の質問に答えることができない。
実は、200年前、「原子」を考える人は誰もいなかったし、その存在を信じようとも思わなかった。
大きいのは、
原子は
「直接見れない」
「感じることもできない」
ものからだ。
それが、200年の間に、
「疑いもなく、世の中は原子でできている」
に考え方が変わっていった。
目に見えない、感じられないものを、どのように「見える化」=「理論」を作っていったのか?
これは、まるでミステリーを解いていくようなもの。
化学の歴史を辿ることで、
化学は「単なる暗記学問」ではなく、「化学的な考え方」があること
が理解できる。
そこで「身体の学校・ZERO塾」の1回目は、「元素とは何か?」で、歴史を辿っていく予定だ。
個人的に、ヨーロッパは、実験的な精神と理論的な精神が車輪となって化学が発展していったと考えている。
例えば、
実験的な精神は、錬金術、イスラム教の影響
理論的な精神は、キリスト教の影響
等。
その上、ヨーロッパは、諸外国を植民地化できたぐらいの経済の発展があった。商品経済が発展すると、モノには質や量があり、観察して、重さを測る発想(定量)が出てくる。
これら諸々が影響を及ぼし、原子の考え方が生まれて行ったことを「身体の学校・ZERO塾」で伝えていく予定だ。
200年以上前に歴史的に知られていたことは
1)人類にとって、気体は空気。18世紀になってから各種の気体(酸素、窒素、二酸化炭素)が発見された。
2)気圧、温度、気体粒子の考え方がなかった。これらは、のちに発見されたもの。
3)気体の量で唯一測定できるのは体積だけ。
このような条件下、1700年代の後半から、1800年代にかけて、ラヴォアジェ、ドルトン、アヴォガドロによって、実験や観察、重さを測ることで「元素」「原子」「分子」の考え方を生み出していく。
その後、
1)「酸素」「窒素」「二酸化炭素」がわかったこと。
2)色々な手段で元素が発見された。
3)周期律表を含めた元素の規則の発見等があった。
もちろん、目に見えないものなので、最初は疑う人が出てくる。
もっとも、実験装置や実験技術が発展していくことで、徐々に世の中の人たちに受け入れられていく。
今や、
「原子の存在を疑わない人はいない」
時代になった。
参考に、科学の発展していた頃の日本は当時鎖国。オランダから入ってきて、元素、物質、中和、単体などの言葉がすでに使われていたらしい。そして、明治時代に西洋の化学が一気に入ってきて、ヨーロッパの教科書が日本語に翻訳されて現代に至る。
色々と調べてみたが、化学の歴史を学べる授業は、暗記偏重の中学校・高校の化学の授業で行われないらしい。
何ともったいないことだと思う。
「身体の学校・ZERO塾」についてご興味がありましたら、下記をご参照ください。現在1期生を募集中です。
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「科学の基礎を学んで、自分で考える力を身につけよう!」(身体の学校・ZERO塾)の「発想力」「応用力」の1期生を募集中です。
詳しくは、「「からだの学校」〜健康について自分で考える力を養おう」1期生の募集開始」をご参照ください。
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過去の記事については下記をご参照ください。
1回目・元素とは何か?(「「元素とは何か?」(1回目)〜「自分で考える力」とは何か?言葉を知ること、生活と関連づけること、科学の限界を知ること」)参照
2回目・電磁気とは何か?(「「電磁気とは何か?」(2回目)〜科学は社会に与えた影響は何か?どのような人たちが「目に見えない電気・磁気」を言葉していったのか?」参照)
3回目・エネルギーとは何か?(「「エネルギーとは何か?」(3回目)〜蒸気機関の産業から生まれた「エネルギー」の考え方:背景を知ること」参照)
4回目・栄養と酵素について(「栄養と酵素について」(4回目)〜アルコールの発酵技術+砂糖のプランテーションの歴史を覗く〜栄養と酵素について」参照)
5回目・消化と吸収について(「消化・吸収について」(5回目)〜食事からどのように栄養(エネルギー)にするのか?判断していくための知識として)」参照)
6回目・細胞について(「「細胞について」(6回目)〜細胞の構造、どのようにコミュニケーションを取り合うのか?」参照)
7回目・進化について(「「進化・遺伝について」(7回目)〜進化論から優生学へ、メンデルの法則から雑種(ハイブリッド作物)へ、人間と社会、知識をどのように応用するか?」参照)
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