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【N#101】いい食事・悪い食事を判断する前に〜人とのコミュニケーションや社会を考える必要がある

はじめに

みなさん、こんにちは!
東京・渋谷(恵比寿)でロルフィング・セッションと栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。

いい食事、悪い食事って本当にあるの?

みなさん、食事や栄養といったら、何を思い浮かびますか?
「いい食事」と「悪い食事」がある!
マクロビオティックに沿った食生活をしたほうがいい。
腸を休めたほうがいい(ファスティング)を時々行ったほうがいい。
加工食品や乳製品は控えたほうがいい。
等。

ネットの情報が多すぎて、見失ってしまっていることが多いのではないでしょうか?

栄養や科学に抜けている視点は?〜人や物とのつながり(関係性)を考慮に入れていない

私は、基礎医学の世界で博士号を取得し、長年の製薬業界で医薬品の研究開発の現場にいたが、
長年の経験から気づいたことがあった。

今の科学は、
1)自分や他人とのつながりを完全に無視して、人間を独立した一個の存在として見る
2)人間を「心」と「物質」を分けて考え、物質(蛋白質、糖質、脂質、遺伝子)へ、どんどん細かく見ていくことで、全体像が見える
という前提で解明が進んでいる点だ。

残念なことに、最も重要な、
「人や物とのつながりの中で、科学の知識をどう活用するのか?」
という視点が完全に抜けてしまっているのだ。

その見方は、栄養学にも表れている。
一人一人のデータをたくさん集め、解剖学、生理学、疫学などを使っていけば「いい食事」と「悪い食事」はあるに違いない。
答えは科学が教えてくれるに違いないと!

実は、食事には、いい、悪いというものが決してなく・・・
気候(寒い・暖かい)、人間関係(社会的ストレス)、社会的地位、住んでいる環境等、
人間が、人や物との「繋がり」=「関係性」によって、食事の選択が大きく影響を受けるのだ。

すなわち、
「自分以外との人や物とのつながりによって栄養は決まり、答えは自分の中にあるのではなく、関係性の中で決まる」
ケースが多いのだ。

人間は、身体の繋がりをもとに信頼関係を築いている

例を挙げたい。
ゴリラの研究の第一人者の京都大学の山極寿一先生は、「人類の社会性の進化」で「関係性」について面白いことを語っている。

「人間の脳は五感(味覚、嗅覚、触覚、視覚、聴覚)を超えてそのような広大な領域に対処できるようにはできていない。
相変わらず身体のつながりをもとに信頼関係を構築しようと欲している。
(略)
現代の社会にも集団規模に応じた古いコミュニケーションの方法が残っている。
情報機器に用いられた視覚や聴覚以外の感性、すなわち嗅覚、味覚、触覚を用いてそのコミュニケーションの利用を考えるべきである」

そして「人間の五感は「オンライン」だけで相手を信頼しないようにできている」では、インターネットが盛んになり視覚や聴覚偏重の世の中になっているが、もっと触覚、嗅覚、味覚に注目されてもいいと山極先生はいう。

「触覚や嗅覚、味覚」というのは「共有できないはずの感覚」と語った上で、「共有できない感覚」を一緒にするから信頼関係をつくると述べている。

具体例として、母子やカップルによって、肌の触れ合いを長くすればするほど信頼が高まっていくことや、会社で飲み会を行うことでチームワークを上げていくことなどを上げている。

過去に出会った人間や経験に応じて、世界を解釈する〜マインドと知覚

このように人間は、五感から情報を取り込み、社会の中でコミュニケーションを図っている。

興味深いのは、ここからだ。
実は、五感の情報をありのままに取り入れるのではなく、
過去に出会った人間(関係)や、物(自然などの環境)との関わった経験に応じて、五感の情報を加工し、世界を解釈していくのだ。

要は、
世界の独自の解釈=自分の「脳」の使い方=「マインド」の使い方
は、関係性によって決まり、選ぶ食べるものへ影響を与えるのだ。

例えば、生活習慣病、メタボ(肥満)や痩せすぎは、
「セルフイメージが低い」
と捉えがちだが、

社会や文化のつながりの中で、体型をどう捉えるのか?によって決まるのだ。

栄養&マインド基礎講座(3期生)募集中

2022年7月から「栄養&マインド基礎講座」を開催するため参加者を募集中だ。

本講座では、実践的な最新の栄養学と「マインド」の整え方を、
「人や物とのつながりとの関係の中でどう考えるのか?」
の視点で見つめ直すことで、栄養学のアップデートを目指している。

最終的にご自身の健康を、自分で判断できるようになっていきます。

2022年7月9日まで募集していますので、ご興味のある方、ぜひ下記のサイトをチェックください!

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