【N#84】腸内環境の除菌(10)〜新型コロナワクチン接種・1回目(ファイザー)と血液検査の値への影響について
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はじめに
こんにちは!東京・渋谷(恵比寿)でロルフィング・セッションと栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。
2020年10月から、月1回、ナチュラルアートクリニックの院長の御川安仁(みかわやすひと)先生(以下御川先生)にお世話になっている(開始から10ヶ月経過)。
2021年9月21日(火)、
「ワクチンの接種によって身体内の血液がどのような影響を受けたのか?」
ワクチン接種前後で、血液検査の指標にどのような変化が出たのか?を含め、四谷へ伺った。
2021年9月17日(金)に初めて、新型コロナのワクチンを接種(ファイザー製のコミナティ)。
「mRNA新型コロナワクチンによる身体への影響〜ロルフィング・IMACのセッションを通じて」では、ワクチン接種前後で、筋肉や関節の可動域がどう変化したのか?、身体のバランスはどのように変化するのか?を、神戸在住のロルファーの伊藤彰典さんにご協力を仰ぎ調べた。
結論を言えば、わずかな量のワクチンが、身体の可動域に大きな影響を及ぼすことがわかった。
同時に、ソースポイントセラピーによってワクチンによって起こる副反応の軽減の可能性もわかり、収穫があった。
今回は、ワクチンによって身体内の血液がどのような影響を受けるのか?について書きたい。
血液検査はどのように行ったのか?〜ワクチン接種前後で
「新型コロナワクチンを接種(1回目)〜ワクチン接種を決めたのは何故?」に書いたが、
以前から
「ワクチン接種前後で血液検査を行い、どの栄養素が消費されるのか?」
に興味があった。
そこで、
ワクチン接種の第1回で、
1)赤血球と白血球数への変化はどうか?
2)免疫系への影響は?(炎症との関係)
3)新型コロナ感染により、ミネラルは変化するのか?
等、血液検査によって何かわかるのではないか?
ワクチンの副反応を軽減していく対策になるのではないか、という発想の下、
御川先生にご協力いただき調べることにした。
参考に、血液検査とワクチン接種のタイミングは、
1)ワクチンの接種直前(9月14日(火)、午前10時)、採血と血液検査
2)ワクチン接種(9月17日(金)、午前11時)、渋谷区で接種
3)ワクチン接種後(9月18日(土)、午前11時)、採血と血液検査
で行っている。
血液検査からわかったことは?〜炎症、ミネラル、グルタチオン解毒系、腸内環境
今回の血液検査でわかったことは、
1)白血球の中で好中球、単球の割合が増え、炎症が起きていること
2)ミネラルの値に変化がないこと(あるいは若干増えている)
3)グルタチオンの解毒系が弱まっている可能性が高いこと
4)腸内環境を整えている途中なので、その影響が出ている可能性があること
だった。
以下、詳しくまとめたが、専門的なので、理解できないところは飛ばしてチェックください。
赤血球と白血球数への変化〜好中球の比率が53%から62.7%に増加
ワクチン接種前後で、赤血球と白血球の変化を調べたところ、赤血球数、赤血球の大きさなどの変化が認められなかった。
対照的だったのは、白血球数。
上記の表が示すように、白血球数が増加(4,470→5,800)し、好中球の割合(53%→62.7%)、単球の増加(5.8%→9.1%)、リンパ球の増加(29.1%→19.8%)が認められた。
わずかな量のワクチンを接種するだけで、好中球や単球の割合が多くなるのは驚きだった。
分子栄養学では、好中球は、交感神経の亢進されていると解釈されるが、免疫学では、好中球や単球を含めた食細胞が増えると、炎症性物質(サイトカイン)が増えて、免疫の働きが活発になる。
現に、組織の破壊や炎症を起こしたりすると、12時間以内に急激に増加、病気が快復すると急速に正常値に戻るCRP(C反応性蛋白質)の値が増加(高感度CRPの値(0.040→0.097(mg/dL))しているので、ワクチン接種によって炎症が起きていると考えられる。
エール大学の免疫学者の岩崎明子教授のCell Host and Microbeのレビューによると、
新型コロナの感染により、感染していない人に比べ、
1)リンパ球(特にT細胞)、好中球、好塩基球、好酸球、白血球、単球、血小板の数の減少
2)赤血球数、ヘモグロビンの値、ヘマトクリット、CRP、フェリチン、ALT、AST、CK、LDHの値の増加
があったらしい。
岩崎明子教授の講演は非常にわかりやすい。
英語のわかる方はぜひ、下記の動画も参考ください。
ワクチン接種数日後にアトピー性皮膚炎の症状が出る〜遅延型またはグルタチオンの働きか?
私自身、ワクチン接種してから数日後に、アトピー性皮膚炎が再度出てきて、一時的にかゆみも悪化した。
1週間を経て、少しずつ落ち着きを取り戻してきているが、一時的に、週2〜3回だったステロイドに週1回お世話になることになった。
花粉症や喘息などのアレルギーに関わる好酸球の割合(11.4%→7.9%)にも変化があり、一見減少しているように見えるが、2.0%に留めたいところ。
好酸球から出すIgEの量も測定したが、変化ががなく、正常の値の範囲内。腸内の免疫を司どるIgAの値は若干減少(231→218(mg/dL)、正常範囲以内)していた。
今回のワクチンによって、添加物の一つ、PEG(ポリエチレングリコール)がアジュバント(免疫賦活剤、免疫の働きを高めるために、ワクチンに入っているもの)として反応している可能性が高い(「アレルギー反応が心配されている、ポリエチレングリコール(PEG)やポリソルベートが含まれる医薬品にはどのようなものがありますか」参照)。
しかも、反応として、遅く出ている可能性も。
このことを考えると、
1)グルタチオンを含めた解毒系の働きが弱まっている
2)遅延型(IgG)のアレルギーが出ている
ことによって、ワクチン接種後にアトピー性皮膚炎の症状が出たと推測される。
1)のグルタチオンの分解系が弱いのは、2021年6月に血液検査をしたところ、グルタチオンの材料となるホモシスティンの値が高い(10.4 nmol/mL、8〜9前後になることが望ましい)。
ホモシスティンは、葉酸やビタミンB12の助けを借りて、グルタチオンを作り出すが、ホモシスティンの量が多いということは、この合成回路が働いていない可能性がある。
働かないと、グルタチオンが不足し働きが弱まることが予想される。
さらに、肝臓の解毒系の指標として調べるγGTP(グルタチオンを分解するのにも使われる)の値を調べると、若干増加している(24→26(U/L))こともわかった。
2)の遅延型のアレルギーは、腸内環境が整っていない(リーキーガット症候群とも言われる)と、起こす可能性があり、今、腸内環境を整えている途上。その影響が出ているのではないかと考えられる。
ワクチン接種前後のミネラルの変化〜亜鉛、マグネシウム、銅
免疫の働きを高めるためには、マグネシウム、亜鉛、ビタミンA、ビタミンDが重要だと言われているが、ワクチン接種によってミネラルは消費されるのだろうか?
マグネシウム、銅、亜鉛の変化を調べたところ、
マグネシウム(2.4→2.3(mg/dL))
亜鉛(107→114(μg/dL))
銅(125→128((μg/dL))
は、消費されるどころか、亜鉛や銅が血中内で若干増えている結果が出てた。
ワクチン接種前後の血液凝固系や筋肉への影響
エール大学の免疫学者の岩崎明子教授の報告では、新型コロナの感染より、血液凝固系に影響があると報告があるので、
内因性凝固物質(APTT)、外因性凝固物質(PT-INR)を調べたところ、変化が認められず。
筋肉に関わるCKも変化がないことから、筋肉へのダメージもないこともわかった。
まとめ
第1回のワクチン接種の前後で、血液検査を行い、分子栄養学的にどのような影響があったのか?を中心に取り上げた。
今回の血液検査でわかったことは、
1)白血球の中で好中球、単球の割合が増え、炎症が起きていること
2)ミネラルの値に変化がないこと(あるいは若干増えている)
3)グルタチオンの解毒系が弱まっている可能性が高いこと
4)腸内環境を整えている途中なので、その影響が出ている可能性があること
等だった。
腸内細菌の除菌をすすめることで、4)は改善の方向に向かうと思う。
一方で、1)は、今の治療方針によって、徐々に好中球、単球の割合が減っていくことはわかってきているので、
グルタチオンのサプリメント(NAC(Nアセチルシスティン)、リポソーム型のグルタチオン)等を取り入れつつ、週1回のグルタチオン+ビタミンC点滴を継続することで、副反応の軽減をしていきたいと考えている。
少しでも、この投稿が参考になれば幸いです。
過去の記事〜2020年10月からの分子栄養学の取り組みについて
過去の取り組みについては、下記の記事をチェックしてください!
「御川先生の診察と血液検査〜アレルギー性皮膚炎の治療の再開」(1回目の診察)
「分子整合栄養医学って何であり、どのように発展してきたのか?〜歴史からみる」
「血液検査から何がわかるのか?〜腸内細菌の環境、蛋白質・脂質がどのように身体内で利用されているのか?神経伝達物質はどうか?を含め」(2回目の診察)
「細胞のエネルギー代謝の働きを高めるステップ1から、次の腸内環境を整えるステップ2へ」(3回目の診察)
「腸内環境を整えるステップへ〜リーキーガット症候群とは何か?〜何に取り組んでいるのか?」(3回目の診察から1週間後)
「「水素点滴」の治療を受ける〜アトピー性皮膚炎治療の一環として〜BAPとdROMsテストで検証」(水素点滴を5回受ける)
「「水素点滴」の治療を受け終えて〜BAPとdROMsテスト検査と今後の方向について」
「サプリメント+ステロイドとの併用〜必要ならば西洋の薬を使うことが大事」(4回目の診察)
「腸内環境の除菌(1)〜食事制限と抗真菌サプリメントを使った治療へ」(5回目の診察)
「腸内環境の除菌(2)〜真菌と細菌の違い+ダイオフとは何か?」(5回目の診察から2週間後)
「腸内細菌の除菌(3)〜ダイオフ症状(アルコール、重金属、メチレーション回路)について」(6回目の診察)
「腸内環境の除菌(4)〜ダイオフ(痒み、brain fog)への対処はうまく行っているのか?+食事(グルテンフリー、カゼインフリー)をどう工夫しているか?」(6回目の診察から2週間後)
「腸内環境の除菌(5)〜「活性炭」を使う意味〜そもそも活性炭とは何か?」(7回目の診察)
「ビタミン(サプリ)の効果の検証〜7ヶ月(2020年11月〜6月)の取り組み、医師の下、血液検査の結果」(8回目の診察)
「腸内環境の除菌(6)〜カゼインフリー、麹フリー、グルテンフリー、砂糖フリーの生活をどう送っているのか?」
「腸内環境の除菌(7)〜INTERFASE(真菌の除菌)から日野百草丸(真菌、細菌の除菌、整腸、粘膜修復、健胃)へ」(9回目の診察)
「腸内環境の除菌(8)〜ミネラル・脂質の血液検査・途中経過〜どのように検査値が変化しているか?」(10回目の診察)
「腸内環境の除菌(9)〜モリブデンとセレンを取り入れることとその意味」