1. HOME
  2. ブログ
  3. ブログ/全ての記事
  4. コラム
  5. 【N#135】基礎講座(第1回)を開催〜脳科学の理解は栄養学から

BLOG

ブログ

コラム ブログ/全ての記事 分子栄養学・歯科治療 脳活講座 脳科学・脳活講座 西洋医学

【N#135】基礎講座(第1回)を開催〜脳科学の理解は栄養学から

はじめに

こんにちは!東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。

今週末(2023年5月31日)に、栄養&マインド基礎講座(食事付)を渋谷で無事開催させていただいたので、ご紹介させていただきたい。

脳科学を如何に学ぶか?〜食事から見るとわかりやすい

前回(第0回)は、科学の考え方をを中心に紹介。今回から、基礎講座も第1回を迎えることができた。本格的に脳科学の知識を取り入れる内容になっており、脳科学から見て(分子)栄養学をどのように活用したらいいのか?の話をさせていただいた。

脳科学は、21世紀に入ってから急激に発展した分野。分子生物学、細胞生物学、生化学、解剖学、数学、物理学、コンピュータ・サイエンス、情報科学、人工知能(AI)など、様々なアプローチに応用されている。残念ながら、知識が膨大なため、全体像を捉えるのが非常に難しい。

初心者が脳科学を勉強しようと思っていても、細分化された本が多い。しかも、脳の細かい解剖学の部位の用語も登場。専門的で難解なので、途中で挫折してしまう人が多いのではないかと思う。日本でも脳科学を教える高校は皆無で、大学に入っても、医学部、薬学部、歯学部、心理学系以外はほんとど触れない状態が続いている。

個人的には、食をどのように探すのか?見つけた後、どのように食事を消化するのか?どのように身体は栄養を利用するのか?脳科学を食事や栄養学の視点から見ることで、さらに理解も深まるのではないかと感じている。

脳(マインド)が食事や運動に与える影響〜Crum博士の実験

脳(マインド)が如何に、食事の消化・吸収に影響を与えるか?についてスタンフォード大学の心理学科の准教授Alia Crum博士は、興味深い実験をしている。ご興味のある方は、下記のTEDの動画をチェックくださいね(英語版です)。

まず、マインドが身体の運動と消費カロリーに影響を与えるかどうか、調べるため、84名のホテル清掃職員(7つのホテル、アメリカ全土)に対して調査を行った。ホテル清掃職人は結構な仕事量のはずなのだが、普段から運動をしていますか?と聞いたところ、何と3分の2は「全く運動しない」と回答したのだ。

84名を、2つのグループに分けて調査を開始。1つのグループには、15分のプレゼンを行い、それぞれの掃除に対してカロリー消費があり、仕事自体、素晴らしい運動になっていますよ、と紹介。例えば、シーツの交換は、15分で40カロリー消費、15分間の掃除機動作は、50カロリー消費、15分トイレ掃除は、60カロリーを消費する、等。

片方のグループには何もしなかった。説明を受けた群と受けていない群で4週間後のデータを比較すると、説明を受けた群は、体重減少、体脂肪率の減少、血圧の減少、仕事の満足度が上がる、といったデータ得られたのだ。行動を変えることなく、プレゼンの説明(マインド)だけで身体に変化が起きるという興味深い結果になった。

マインドが食事に影響を与えることを検討するために、次に、ミルクシェイクの実験へと進める。脂肪、糖分がほとんど入ってない140カロリーのシェイクのことを説明した後に、シェイクを飲んでいただく。その後、別の日に脂肪、糖分がたっぷり入っている600カロリーのシェイクを説明した後に、同じように飲んでいただく。

興味深いのは、140カロリーのシェイクを飲むと、食欲ホルモン(グレリン)に変化が起きず、お腹がいっぱいにならなかったのに対して、600カロリーのシェイクを飲むと、グレリンに変化が起き、お腹が一杯になるという結果になったことだ。実は、種明かしすると、二つは同じもので300カロリーのシェイクなのだ。

第1回〜脳科学が食事・栄養学に与える影響

このように食事、運動を含め脳(マインド)は大きな影響を与えることがわかってきた。これはプラセボ効果とも言ってもいいが、この現象の理解は、脳科学が不可欠のように思う。そこで、第1回では、脳内で作られる化学物質(神経伝達物質、ドーパミン、アドレナリン、セロトニン)、ホルモンの基本的な考え方を紹介。

人間が食事を探して、口の中に入れ、内臓で消化・吸収していく上で、脳科学とどう関連が深いのか?脳科学の視点を理解すれば、どのような行動をすれば、取り入れた食事を栄養にできるのか?サプリメントを含め、紹介させていただいた。大事にしているのは、身近に例えて、知識を深め、ご自身で実感していただくことだ。

今回は第1回ということで、消化・吸収の基礎を話したが、今後、ホルモン(性ホルモン、成長ホルモン、ストレスホルモン)、各内臓の働き(肝臓、腎臓、小腸、大腸、甲状腺)、基礎代謝、脳と食欲、脳と免疫、脳と睡眠・覚醒など、いろいろな視点から最新の科学について探究できればと考えている。

まとめ

第1回は、脳科学の知識をどのように食事・栄養に活用していったらいいのか?について話した。次回以降は、その基礎をもとに、知識を深めていく予定だ。

ご興味のある方、2023年10月開始の「100年人生を生き抜くハイパフォーマンス戦略!脳科学活用講座 基礎編 実践編のご案内」をチェックくださいね!

関連記事

【E#178】ハーバリウム・ワークショップに参加して〜モ...

【T#11】コミュニケーションは相手があってこそ

【J#76】「いちばん大事な生き方は、伊勢神宮が教えてく...

【W#14】旅のスタートにあたって:準備と荷物

【B#136】第52回・読書会の開催の報告〜小池浩著「借...

【E#199】4周年を迎えて(4)〜ニュートラルに保つこ...