【J#76】「いちばん大事な生き方は、伊勢神宮が教えてくれる」を拝読して〜神社と神道の考えを知る上で、気づきの多い本
最近、伊勢神宮の禰宜(ねぎ)・吉川竜実さんの本「いちばん大事な生き方は、伊勢神宮が教えてくれる」を拝読。神社好きな一人として、神道の理解が深まったのでブログで紹介したい。
私の趣味の一つは、神社巡りだ。
過去3年振り返っても・・・。
2018年は、熊野・伊勢神宮(「伊勢神宮参拝:日本文化に触れる旅になった。」参照)、秩父三社(「登山神社+奥宮と秩父神社を参拝して。」参照)、東国三社(「息栖神社と香取神宮を訪れて。」参照)、富士山の麓にある新屋山神社(「新屋山神社と忍野八海〜金運神社への参拝+水の音に癒される」)、房総の安房神社(「安房神社と房総半島〜金運神社への参拝+海風に癒される」)へ。
2019年は、福岡の太宰府天満宮(「久留米・太宰府への旅〜超音波血管エコー検査と太宰府天満宮への観光」参照)へ。
2020年(今年)は、島根の出雲大社(「出雲大社、日御碕神社、熊野大社、神魂神社、八重垣神社へ〜5つの神社を巡り、心が浄化された参拝になった」参照)、奈良の大神神社と春日大社(「大神神社と春日大社を訪れて〜過去2年住んだ奈良を満喫した。」参照)へ。
それぞれの神社を満喫している。
神社巡りをする前に、必ずガイドブックや本、場合によっては、現地に住んでいる友人と一緒に行動することもある。過去に恵比寿のサロンで、講師を招いた古事記のセミナーも開催した(「『古事記』を読むと見えてくる世界(4)〜生産に関わる神、人と神の違いについて」参照)。ただ、神道や神社に関して、基本的な考え方から語った本は非常に少なく、残念に思っていた。
これだけ神社巡りに行っても、
「改めて、神道とは何か?」
「神社って何のためにあるのか?」
と聞かれると、言葉にするのが難しい。
そのよううなタイミングで、知人でサンマーク出版の斎藤りゅう哉さんが編集された本、「いちばん大事な生き方は、伊勢神宮が教えてくれる」(吉川竜実著)が2020年11月10日に発売。りゅう哉さんからオススメもあり、一気に拝読。
神社や神道に関する、数々の素朴な質問が、現役の伊勢神宮の禰宜(ねぎ)として神事に当たっている方が臨場感あふれる言葉で語っているのが面白かった。
以下、「いちばん大事な生き方は、伊勢神宮が教えてくれる」に書かれてる内容を引用しながら、本の内容を紹介したい。
いちばん面白いと思ったのは、
神道を
「日本の神々の存在を知覚することによる「感謝」と「直感」の宗教」
の意味で使っているところだ。
私も神社に行く際に、「今まで見守っていただきありがとうございました!」と感謝の気持ちを願う。すると、神社の境内で感じるパワーから叡智、直感をいただき、自分自身リセットされる感覚がある。このような実感があるので、この言葉の意味を深く理解できる。
この本では、神道と西洋の代表的な宗教であるキリスト教との比較が出てくるが、
「神道では、人はそのままでパーフェクト、完璧な存在であるとらえる」
「神道の大切な教えのひとつに「今この瞬間こそが、理想の世界だ」というものがあり、「神代在今(かみよいまにあり)」という言葉で表しています」
と、今を肯定する考え方があるのに対し、
キリスト教は、
「罪を持って生まれてきた」=「性悪説」
と世界を捉えるので、神道とキリスト教は対照的な考え方に感じた。
さらに、
「神様と感謝と祝福を捧げることで、人は「ひらめき」や「直感」を受け取る。それに従って行動することで夢や願いがかなっていく」
「神道の持つ独自性、その特徴をいい換えるなら、異常な状態を正常(=清浄)に戻すテクノロジー(技術)であるといえます」「お祓いで、私たちは清浄な「ゼロ」の状態に戻ります。その「ゼロ」になったところに、神さまからの「直感」や「ひらめき」が降りてくるのです。それこそがご祈祷の核心であり、神道の本質なのです」
といった「ひらめき」「直感」を研ぎ澄ませるために、神社があり、神様がある。
「この世のすべてのものに神が宿り、人々が関係し合って成り立つ、そのおかげで自分がいるというが神道の世界観があるからこそです」
「(神道の神様に)上下関係がない」
といった「神様」に上下関係がないといった、神道の特徴は、私が神社を巡っていても感じる。過去に世界一周し、様々な国を訪れたが、日本独自のものといってもいい。
「厳密にいうと、神道は「宗教」ではないのです」「一般的に言えば、宗教とは「戒律」「経典」「教祖」の3つを兼ね備えているものを指します。しかし、神道には、この3つの要素のいずれもがないのです」
も
「なるほど!」
と感じたし、
西洋の考え方として、労働は罪と比較的考えるのに対し、
「伊勢神宮は、基本的に「自給自足」です。それを支えているのが、この五十鈴川なのです」
「自分たちが汗水たらして得たものでなければ、神祭りをしてはいけないということです」
といった、神社が率先して労働を行い、自給自足を送っていることはこの本で、初めて知り驚いた。
駆け足で、「いちばん大事な生き方は、伊勢神宮が教えてくれる」の本を紹介させていただいた。著者の吉川竜実さんの人間性を感じさせる文章で、しかもご自身の言葉で語っているのがすごくいい。
ぜひ、神社巡りをされている方、日本文化について知りたい方にオススメしたい。