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【W#140】セビリア(1)〜闘牛とフラメンコ

モロッコ、スペインの国境を越えた後、いよいよセビリアへ向かった。興味深かったことは、タリファからセビリアへ行く途中に、風力発電の施設が多くみることができたこと。実は、昨年スペインでは原子力発電(21%)をわずかに上回るスペイン国内で一番の供給源(21.1%)になったらしい。
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さて、セビリアには色々な形容詞がつくが、闘牛とフラメンコの本場ということで、まずはこの2つについて取り上げる。
闘牛は、ローマ帝国時代のポンペイに記録として残っていることから、ローマの時代にさかのぼることができる。興味深いのは、スペインを征服したイスラム教徒のムーア人は馬を使って闘牛が行われていたらしい。こういった影響が今のスペインの闘牛に現れている。闘牛が現在の形になったのは、1726年になってから。現地の人によると、闘牛士(マタドール)による牛を煽るための赤い布(ムレータ)やその素振りは全てアートととのこと。そうはいうものの最終的に闘牛を犠牲にするというのは少し残酷にようにも思う。
闘牛用の牛は、広々としたアンダルシア地方の自然で育てられる。偶然だが、バスで走行中に闘牛に遭遇することができた。4歳までは悠々自適に育てられ、その後闘牛の開催の際、運命を全うする。
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スペインでは闘牛は国技として一時人気を博していた。しかしながら、スポーツの人気が闘牛からサッカーへと移ったことと(サッカーについては【旅コラムVol.123】【旅コラムVol.127】で触れた)、2000年代以降、動物愛護団体や国営放送による闘牛中継の中止などにより、衰退していく。さらに、近年では闘牛の開催禁止の「闘牛禁止法」がスペイン国内でも成立。特に2012年のバルセロナがあるカタルーニャ州での法律成立は、スペインへの独立を念頭に置くカタルーニャの国民の心理が働いたとも。
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セビリアに向かう途中には小さな闘牛のミュージアムがあり、簡単な闘牛の歴史を見ることができた。
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セビリアでも闘牛場(bull ring)を外から見ることができた(下の写真は1765年に建てられた闘牛場)。なお、闘牛は復活祭の日曜日から始まり、10月まで続くらしいが、私自身今回は闘牛を見る機会はなかった。
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セビリアに到着した後、最初に行ったのが、フラメンコを見ること。フラメンコも闘牛同様、ムーア人の影響があると考えられているので、その歴史を少し紹介する。フラメンコの歴史は18世紀に成り立ったという。フラメンコの名前の由来は、フランドル地方の音楽という意味で19世紀半ば以降に使われるようになった。フラメンコに大きな影響を与えたのは2つのエスニック・グループ、アンダルシアのコミュニティの一つヒターノとムーア人。フラメンコの誕生のきっかけはキリスト教徒によるムーア人及びイスラム教徒の追放から始まった。
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1499年にカトリック両王によってムーア人が国外へ追放されたが、1609年にイスラム教徒からキリスト教徒へ改宗したモリスコを国外へ追放するというモリスコ追放令が新たに出される。モリスコであっても多くが隠れイスラム教徒として信仰をし続けていたためだ。そうはいうものの、モリスコの中でもスペイン国内にとどまる人もいて、ヒターノのコミュニティに潜伏している人もいた。そしてヒターノがモーア人の舞踊音曲を取り入れた結果、フラメンコが生まれた。
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フラメンコはフラメンコギターと呼ばれるアコースティックギターの一種で演奏する。興味深いのは手拍子。二種類の手拍子があり、甲高い音の「セコ(seco)」と低い音の「バホ(bajo)」の二種類の音を使い分ける。また、カスタネットいう道具も使い、利き手には高い音、反対側には低い音がでるようにしている。
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歌い手(カンテ、Cante)と踊り手(バイレ、Baile)も主要な役割を果たしているが、バイレがまさにフラメンコのイメージとして考えてもいい。つま先やかかとで床を踏み鳴らすサパテアードと手の動きを使って身体を表現するブラッソは見ていて美しい。もちろんライブで見るのは初めてで非常に面白く、踊り手は魅力的だった。1時間半のフラメンコを楽しんだ。最後の10分全主演者が登場する時には写真を撮ることができた。
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次に、セビリアの市内観光について書きたい。

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