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【W#122】バルセロナ(2)〜カンプ・ノウ

バルセロナに到着して2日目。宿泊先のEuro Park Hotelで案内のあった観光バス(Barcelona Bus Turistic)に乗り込むことにした。ホテルからの紹介で2日間乗降自由のバスは36ユーロ。まったく行き先を決めず、最寄りのバス停に向かって乗車した。すぐにガウディのサクラダ・ファミリアが目につき約2時間半滞在、その後ガウディのグエン公園を外から少し見た後に、サッカーチームのバルセロナFCの本拠地、カンプ・ノウへ向かった。
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ガウディのサクラダ・ファミリアについては次回触れることにして、今回はカンプ・ノウの体験について述べたいと思う。
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カンプ・ノウは市内観光バスのルートの一つに入っているためにアクセスしやすい。これは、後ほど触れるバルセロナFCを世界的なクラブチームに導いた経営者、ソリアーノ・フェナン氏が就任当初の2003年、バスルートの一つに加えたことがきっかけとなっている。
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カンプ・ノウはツアーになっており、観光客は23ユーロ(約3,000円)を支払えば、入場できる。なお、私の場合にはオーディオガイドも使いたかったので5ユーロ(約650円)を支払った。
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優勝カップやビデオによるゴールシーンをタッチパネルで繰り返し確認することができるのみならず、フィールドの近くや観客席、放送席も見ることができ、全てを回るのに1時間半程度かかる。
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また、カンプ・ノウのそばにはバルセロナFCのレプリカユニフォームの販売店があり、3階建て。まるでデパートに来たような広さだった。
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このツアーはまるで遊園地にいるような雰囲気。そして、アジア系の人もいたが驚くべきことにヨーロッパ中から観光客が来ているという印象も受けた。
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私はサッカーの観戦歴は15年近い。2003年ベルリンに滞在の際にはバイエルン・ミュンヘンとヘルタ・ベルリンの一戦を見に行ったことがある。不思議に思うのは、なぜ、バルセロナFCのようなヨーロッパの世界的なクラブチームが収益をあげることができるか?にある。
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それに応えてくれる本が、2003年、経常利益が赤字で破綻寸前だったバルセロナFCを、わずか4年で再生し、世界No.1クラブに育てたソリアーノ・フェナン氏による「ゴールは偶然の産物ではない」である。
その本によると、現代のサッカー界には3つの収益源があるとのこと。スタジアムの入場料による収益、テレビ放映権による収益、マーケティング(スポンサーやレプリカなど)による収益の3つだ。古いデータだが、2007年/2008年のバルセロナの収益は合計で3億880万ユーロ(約401億円)(ちなみに、マンチェスターユナイテッドの同年の収益は3億2500万ユーロ(約423億円)、ACミランの同年の収益は2億1000万ユーロ(約273億円)。その内訳は、放映権料(1.16億ユーロ、約150億円)、スタジアム(8,760万ユーロ、約113億円)、マーケティング(8,590ユーロ、約112億円)となっている。バルセロナFCの特徴は、もう一つ一般人から会費を募るソシオの仕組みがある。そのソシオからの収益は171万ユーロ(約2億2230万円)。
参考に、Jリーグで最も収益の高い浦和レッズの入場料収益は約21億円(2013年現在)だ。
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1)スタジアムについて
バルセロナFCの本拠地はカンプ・ノウ。収容人数は98,000人。平均観客動員数は70,000人。2003年以降、バルセロナの観光バスのルートにカンプ・ノウが加えられ、そのことで観光客もアクセスがしやすくなった。またある程度の高額なチケットを許容できる観光客にターゲットにして、過去5年間(2003年〜2007年)で500万ユーロ(約8.5億円)から2,000万ユーロ(約26億円)に収益を伸ばすことができたそうだ。
2)放映権料について
放映権については、1980年に公共放送による試合の放映独占が終わり、民間のテレビ局が台頭。試合の放送権をめぐる競争が始まった。現在のサッカー界では、テレビ局との個別契約(リーガ・エスパニョーラ)か全クラブの放映権料を一旦プールして収入レベルに応じて各クラブへ分配(プレミアリーグ、UEFAカップなど)の二つの方式で行われている。バルセロナは現在、個別契約で収益を上げている。
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3)マーケティングについて
マーケティングにはユニフォームのメインスポンサー、スポーツ用品メーカー、清涼飲料水、銀行、自動車などの日常生活に関連するメーカーモスポンサー。ユニフォームのレプリカ、海外へ遠征して親善試合を行うのも収益源。プレシーズンマッチでも過去3年間で40万ユーロ(2003年)から200万ユーロ(2006年)に増やすことができたんだそうだ。
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ちなみに、この本によると人件費は収益の50%〜60%以内に抑えられているとのことだった。そう考えると、アルゼンチン代表のリオネル・メッシに年俸で20億円(2007年次では、約8億円)をなぜ支払うことができるのが容易に想像ができる。
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スペインには、バルセロナFC以外にもう一つ大きなクラブチームがある。首都マドリードを本拠地とするレアル・マドリードだ。マドリードへ行った際には、このチームの本拠地にも訪れ、その違いについて考えてみたいと思っている。

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