【N#145】脂肪を燃焼させるには?〜運動ではない意外な行動が決め手となる。
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はじめに
こんにちは!東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。
体脂肪と燃焼〜脳が指令する
2015年6月から東京・渋谷でロルフィング・セッションを提供している。セッションでは、健康を維持するために、生活習慣をどう改善していったらいいのか?アドバイスを送っている。
近年、最も問題になっているのは、体脂肪。特に、年齢を重ねる毎に、体脂肪を燃焼していく上で重要な「成長ホルモン」の分泌量が下がってしまうこともあり、体脂肪率が必然的に上がってしまう。結果、内臓周辺に脂肪が蓄積し、蓄積度合いによっては、糖尿病の前段階(インスリン抵抗性)に近づき、心臓病や脳卒中のリスクの発症が高まる。
実は、意外と知られていないのは、体脂肪と脳との関係だ。脳は、体脂肪が蓄積している脂肪細胞に働きかけ、細胞の中にある脂肪(中性脂肪)の分解(脂肪酸へ)と燃焼を促すことが知られるようになったのだ。興味深いことに、脳が脂肪細胞に直接、ある物質を出すことで上記の働きが起きるのだ。それは、交感神経を活発にさせる「アドレナリン」だ。
脳と体脂肪との関係を考える前に、体脂肪がどのように体内で処理されるか、まとめたい。
体脂肪は複雑なステップを経て、燃焼が進む〜炭水化物より難しい
体脂肪が燃えるためには、脂肪細胞の中にある中性脂肪から、脂肪酸が切り出され(脂肪分解)、血中のタンパク質によって脂肪酸が運び出され、筋肉や肝臓に到達。細胞の中のミトコンドリアに運び込まれる。そこで、酸素と一緒になって燃焼(β酸化、炭素が2つずつ処理)するのだ。このプロセスに、脳が関わるのだ。
まとめると、
1)脂肪細胞にある中性脂肪を脂肪分解(脂肪酸を切り離す)
2)たんぱく質を使って血中に脂肪酸を運ぶ
3)筋肉や肝臓の細胞に入ること。
4)細胞内の発電所と呼ばれる「ミトコンドリア」に入り、脂肪酸を徐々に燃焼(β酸化と呼ぶ)
という4段階のプロセスを経ることになる。
さらに、赤肉に多く含まれる「カルニチン」によって、脂肪酸が「ミトコンドリア」へ移行すると言われている。
よく、MCT(中鎖脂肪酸)はすぐにエネルギーになるから、取った方がいい、と勧められるが、MCTは、小腸から吸収されやすいのみならず、ミトコンドリアへ移行するのに、カルニチンが不要なため、ミトコンドリアで燃焼しやすいのだ。
対照的に、炭水化物(ブドウ糖、グリコーゲン)は、
1)細胞内(肝臓や筋肉)にグリコーゲンが蓄積されているので、直接ブドウ糖に分解。
2)ブドウ糖を解糖系でピルビン酸に分解→ピルビン酸がミトコンドリアに入り燃焼。
という2段階のシンプルなプロセスで進む。
炭水化物は、細胞の中にあるので、血中で移動させる必要がない。だから、体脂肪よりも炭水化物を燃焼させるのが優しい。
さて、ここから脳と体脂肪との関係についてシェアしたい。
体脂肪が燃焼する行動〜震えるを含めたfidgeting、NEAT〜運動は関係ない
60年代から70年代にかけて、
「食事を多く取るのに、体脂肪がつかない人」
「食事を少なく取るのに、体脂肪がつく人」
の差は、どこにあるのだろうか?
英国の研究者が研究を進めていくうちに、面白いことがわかった。
体脂肪がつかない人たちは、震える(例えば、冷風呂の中の寒さを感じて震える)、落ち着きがない行動をとる(席を立ったり座ったり)、膝を動かす、貧乏ゆすりをする、ペンを回すといった行動(英語でfidgeting又は、NEAT(Non exercise activity thermogenesis、非運動活動による熱発生)と呼ぶ)をとる人たちで、体脂肪がつく人たちは、このような行動を取らないと。
さらに、興味深いのは、この行動が脳の指令によって無意識で行うということと、運動は全く関係ない(カロリーの消費とは関係ない)ということだ。そして、さらに解析を進めていったところ、脳からの神経細胞が脂肪細胞に直接つながって、アドレナリンを出す状態にもなっていることが判明したのだ。すごいのは、こういった小さな動きによって、対照となる人たちに比べ、800-1200 kcalを消費するというのだ。
冷風呂・冷シャワーによる効果
このような原理から考えると、冷風呂や、冷シャワーも脂肪燃焼に効果的と思われる。実際、1〜5回/週、冷風呂によって、脂肪細胞の中にミトコンドリアが増えた褐色脂肪細胞が誘導され、脂肪細胞内で、脂肪の燃焼が行うようになるのだ。
サウナと組み合わせていくと効果的なので、もしご興味がありましたら合わせて実践してみてくださいね。
まとめ
今回は、脳と脂肪燃焼との関係についてまとめさせていただいた。
少しでもこの投稿が役立つことを願っています。