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【N#144】基礎講座(第6回)を開催〜エネルギー代謝の働き〜脂肪をどう燃焼させる?

はじめに

こんにちは!東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。

昨日(2023年8月2日(水))に、栄養&マインド基礎講座(食事付、以下本講座)を八幡山で開催。その模様について、一部紹介したい。

生活習慣の改善が先!〜医師と処方薬の前にできること

本講座は、医療従事者(医師・歯科医師・薬剤師)にアドバイスを求める前に、自分でできることは何か?を学ぶ内容になっている。なぜならば、原理・原則を知っていると、不調になった時に、どのような生活習慣を取り入れたらいいのか?食事をどう変えていくのか?サプリメントは?を自分で調べ、判断できるようになるからだ。

講座内容の紹介〜どのように知識を活用するのか?

最小限の知識で、最大の効果が得られるには、どのように健康情報を伝えることができるのか?第0回は、科学の活用法、第1回は、食事の消化・吸収を脳科学からみた。第2回は、ストレスとホルモン(性ホルモンを含む)との関係について取り上げ、第3回は、肝臓と腎臓、第4回は、小腸と大腸、第5回は、甲状腺、膵臓のそれぞれの働きについて話した。

いずれも行動・生活習慣の改善として、何を行ったらいいのか?それが難しかったら食事・サプリメントとして摂取できるものは?そして、最後にどういうタイミングだったら医師に相談したらいいのか?を含め紹介している。

エネルギーとは何か?〜産業革命の遺産

今回は、身体とエネルギーについて、たっぷり時間をかけて紹介した。テーマは、いかにして脂肪を燃焼するかだ。

まずは、エネルギーというのは、英国で起きた「産業革命」によって生まれた考え方であること。英国では、産業革命を通じて、馬で行った仕事(炭鉱の水汲み、運河で物を運ぶこと、馬車等)を機械に置き換えて行うようになった。その過程で、経済が裕福になり、結果的に蒸気機関車、蒸気船、エンジン、タービン、モーター等が発明されていく。その過程でエネルギーの定量化を進めていく。

人間は機械にたとえて、考えることが可能だ。という視点から、1900年頃に、カロリーが計算できるようになり、栄養学の中にエネルギーの概念が入ってくる。そこまでのプロセスを話した後に、最新の人類学が語っているエネルギーについて話題を進めていった。

人間は太った霊長類?〜人間にとって「体脂肪」は大切

興味深いことに、霊長類から見て人間は皆、太っているということ。他の霊長類は、成体になってからの体脂肪は平均6%、子供は約3%になる。人間の狩猟採集民の体脂肪の典型的な割合は、新生児で15%、幼少期は25%、大人になって、男性が10%、女性が20%に落ち着く。なぜかというと、体脂肪率が高いには、人間の脳が大量のエネルギーの供給が必要なためだ。

しかも、女性の場合は、体脂肪がないと、生理もこないし、妊娠もできない。実際、母親にとって、胎児・新生児の成長に使うエネルギーよりも、妊娠、授乳の方がエネルギーを使うのだ。例えば、新生児の平均体重は3200-3600g、作るのに必要なエネルギーは17000kcalに過ぎない。一方で、母親は体重を増やし(11-14kg)、新しい組織を維持するためのエネルギーが10ヶ月間必要なため、合計で80000kcalに達するという。

しかも、興味深いことに、人間の「1日のカロリー消費量」が決まっていて、変えることができないということだ。普通ならば、運動すれば運動するほど、カロリーが消費され、代謝が上がると考えると思う。しかしながら、1日のカロリー消費量はどの民族(アメリカ、オランダ、イギリス、日本、ロシア、狩猟採集を行うハッザ族)でも同じ。実際、身体活動量を増やしたからって、1日の消費量には上限があるのだ。

要は、1日の消費量が決まっているので、体脂肪を燃やそうと思っても、そう簡単に行うことはできないのだ。

限られたエネルギーのリソースをどう振り分けるか?

実は、人間は限られたエネルギーを成長、維持、蓄積、活動(運動)、繁殖に割り当てる。生命維持だけでも、エネルギーを使うことになるので、人間は極力身体を動かさないように進化させているのだ。興味深いことに、運動をすると、エネルギー的に重要ではない免疫の活動が抑えらえる。そのため慢性炎症が抑えられる。一方で、運動をしている大学生年齢の女性は、女性ホルモンのレベルが低く、生理の周期も乱れが起きる。生殖が後回しになるからだ。

それを知った上で、脂肪をどのようにして燃焼するか?を考えていく必要がある。面白いのは、体脂肪は炭水化物と同じ、炭素、酸素、水素の3つの元素からなる化合物。細胞は、この二つの物質を区別することができないのみならず、炭水化物と体脂肪は共通したエネルギー代謝の回路を使い、燃焼すると、エネルギーを生み出し、廃棄物として「水」と「二酸化炭素」が生まれる。

炭水化物と脂肪をどう使い分けるか?は脳から作り出されるアドレナリン(体脂肪の燃焼を進める)と膵臓ら作られるインスリン(体脂肪の燃焼が行われず、脂肪が溜まる方向へ)によって決まる。甲状腺ホルモン、成長ホルモンにも影響を受けるので、運動のスペシャリストが言うには、いかにして、炭水化物と脂肪をうまく身体が柔軟性を持って使えるか、の方が重要とのこと。そのことをシェアさせていただいた。

まとめ

第6回は、身体とエネルギーについて詳しく話した。次回は、エネルギーになるための食事について、有機、化学肥料、農薬を中心に食材を語った上で、食事の取り方について話す予定だ。

ご興味のある方、2023年10月開始の「100年人生を生き抜くハイパフォーマンス戦略!脳科学活用講座 基礎編 実践編のご案内」をチェックくださいね!

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