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【E#116】キャリアについて考える(2)〜全体像を知る

2016年9月17日、キャリアに関するセミナーを開催した。前回、どのような発表をしたのか?について簡単に書いた(「キャリアについて考える(1)〜自分の武器を見つけること」参照)

今回は第二弾ということで、キャリア形成のシナリオ(全体像)について考えていきたい。

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私は民間会社を合計で5社に勤めた。その経緯については、「キャリアについて〜強みより貢献」で紹介したが、11年で5社というのは世間的に非常に転職の数が多いと悪く評価する人もいるかと思う。

転職についての広告が電車で頻繁に見られることから、だいぶ転職についてのネガティブな考えがなくなってきているとはいえ、5社というのは日本人によっては、社会不適合ではないか?と判断される可能性があるからだ。

そうはいうものの、英国経済誌のEconomistの最新記事(’The New Methuselahs‘)によるとアメリカの経済指標の一つS&P500社に所属する企業の平均企業寿命は1958年で61年だったのに対して、2011年には18年。そして、現段階の500社のうち2027年には75%の企業がなくなるだろうと予想。
日本でも似たようなデータがある。中小企業白書2001によると企業の寿命が25年で、人間の平均寿命の約80年を大きく下回ること。
又、人工知能の発展に伴い、10年後には人間の仕事がなくなる可能性を指摘した、英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授の報告(日経新聞記事より)。

という事実・予想があることから、一社のみで生きる生き方よりも、途中で勉強して新たなスキルを磨いて何社か経験する生き方を選ぶ可能性が高まる。そうすると違った前提でもって生きていくことが大事となる。

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そういったことを予想していなかったが、5社経験できたのは貴重だった。その過程で、ヘッドハンターと頻繁にやりとりをすることができたことが良かった。毎年のように自分の武器の見直しをしていたので、履歴書を英語と日本語で頻繁に書き換え。その添削をヘッドハンターに依頼することができたからだ。

面談予定の企業の募集要項に応じて、毎回違ったものを書くのだが、簡潔に履歴書を書くということを彼らを通じて学ぶことができた。ひな型として役立ったのはビジネス版SNSであるLinkedin。Linkedinの活用法について「キャリアと履歴書〜今を大事にすること」に詳しく書いた。

履歴書を更新する意義としては、
1)自分の武器は何なのか?
2)今働いている会社でどう言ったスキルを学んだら次のステップに進めるのか?
がある。

ただし前提となるのが、キャリアの全体像(キャリアにはシナリオがあるということ)を知るということ。
それを考える際に、大きな影響を与えた一冊の本がある。リンダ・グラットン教授の「ワーク・シフト(The Shift: The Future of Work is Already Here)」(2012年に出版))だ。

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ロンドン・ビジネス・スクールで教鞭をとるリンダ・グラットン教授を含めた「働き方コンソーシアム」が中心になってまとめた2025年に人はどのような働き方をするのか?を考えた一冊になっているが、未来予想というよりも、今何ができるのか?に焦点を合わせているので、興味深い。
最近、ワークシフトの考えを更に深化させた本が、2016年10月下旬に日本語の翻訳が出る。「ライフ・シフト:100年時代の人生戦略(The 100-Year Life: Living and Working in the age of Longevity)」だ。

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今英語版で読んでいるが、
大学卒業 → 会社勤め(終身雇用) → 引退・年金暮らし

という3段階の人生設計が通用しなくなっていることを、平均寿命、財政面といったことを事実ベースで記載。100歳まで生きることを前提に、どういったスキルをいつ身につけたらいいのか?考えるヒントが満載だ。
特に、シナリオを複数用意すること、専門スキルが通じなくなった場合には、リセットして新たなスキルを磨く時間を取ることなどは、今、自分で研究者とはまるで別の人生を歩んでいる自分が、世界一周中に行ったことであるので、こう言ったケースが今後増えていくことに関して共感を覚える。
ワーク・シフトでは、以下の3つを磨く必要性があると説く。
1)専門技能を身につける
2)他人と共同で働く術を磨く
3)仕事に情熱を注ぐ
結論が至ってシンプルなところが興味深いと思う。
スペースの関係上、次回に上記の3つのスキルと幸福や夢と結びつけて書きたい。

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