【W#113】ドレスデン〜市内観光
2015年2月21日夜、ベルリンからドレスデンに移動した。旧東ドイツの都市の一つドレスデンを観光するためだ。旧東ドイツの都市を訪れるのはベルリン、イエナに次いで3都市目となる。
ドレスデンはエルベ川を挟んで、左側の旧市街と右側の新市街に分けることができる。面白いのは、新市街よりも旧市街の方が歴史が古いことだ。
さて、ドレスデンといえば、第二次世界大戦。第二次大戦の終了直前の1945年2月13日〜15日にかけて米英の空軍による徹底的な無差別攻撃にあった。当時のドレスデンの街の85%が失われ、25,000人以上の犠牲者が出たといわれている。ドレスデンは目立った軍事施設がなく、かつバロック様式の美しい街並みを有する都市であったため、まさかここが空襲を受けるということがないだろうと無警戒だった。そのため、旧ナチスドイツ軍による反撃も全くなかったらしい。
ドレスデンは戦後旧ソ連の支配領域であったため、東ドイツ側に属した。ドレスデンの街を歩くと時々ロシア語の表記が見られるのはその理由。
戦争によって旧市街の聖母教会、ツヴィンガー宮殿、ゼンパー・オーパー(州立歌劇場)や新市街を含め85%もの建物が崩壊した。ゼンパー・オーパーは旧東ドイツ時代の1985年、ツヴィンガー宮殿は旧東ドイツ時代からベルリンの壁崩壊後の1992年にかけて再建された。
印象的だったのは、聖母教会(Frauenkirche)のエピソードを聞いた時だった。戦争中に一部の壁を残し全壊。戦後、東ドイツ政府は宗教施設ということで再建を後回しにしていた。住民による働きかけにより、戦跡の瓦礫(黒く焦げた瓦礫)を最大限に活用。有志からの寄付金等により、ベルリンの壁崩壊後の1996年から2006年の間に「世界最大のジグソーパズル」と呼ばれた再建工事を終えた。なお、上にある十字架は、空爆を行ったイギリス空軍兵士の家族の寄付によって2004年に作られたとのこと。
ドレスデン市内の再建は今でも行われており、工事中の箇所が多かった。
ドレスデンはエルベ川沿いにある街。エルベ川沿いを歩くと、ヨーロッパらしい風情を十分に体感することができる。
また、歴代のザクセン君主を100メートルにわたって描かれた壁画が圧巻だった。
エルベ川を渡ると新市街や新市街の郊外を見渡すことができる。今回、周遊バスを使ってみることができたが、坂の上に家を建てていること、そして意外と住居が少ない印象を持った。逆に緑が多い(街並みの65%が緑だと言われている)。
また旧東ドイツ(旧社会主義)の都市の都市らしく、新旧市街を離れ中央駅近辺を歩くと、近代的な建物も少なくこれから経済を含め発展していくことを予感させるような雰囲気だった。
ドレスデン市内は1日あれば充分に観光できる。もし、ベルリンの近くを訪れた際にはここを立ち寄ることをお勧めする。緑の多い街並みは綺麗だし、ドイツの中でも旧西ドイツ側とは違った雰囲気を感じるからだ。