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【E#288】感情とは何か?思考・感情・身体感覚の3つの視点から理解する

はじめに

渋谷を拠点に、ロルフィング®やコーチング、タロット、脳活講座を行き来しながら、考えること・感じること・身体感覚(肚・丹田)が、自然にひとつの判断としてまとまっていく状態を取り戻すための場をつくっている大塚英文です。

感情をどのように扱ったらいいのか?

日々、さまざまな人の身体に触れていると、人が悩んでいる問題の多くは「感情の扱い方」に関係していると感じる。

怒り、不安、悲しみ、喜び。

私たちは日常の中でさまざまな感情を経験している。

しかし、

・感情とは何なのか
・どう扱えばよいのか
・どう感じればよいのか

について体系的に学校で学ぶ機会はあまりない。

今回のブログでは、思考(脳)、感情(心)、身体感覚、という3つの視点から、感情について整理してみたい。3つの関係を理解すると、感情との付き合い方はとてもシンプルになる。

感情とは何か

感情は単なる「気分」ではない。感情が起きるとき、人の中で、思考、感情、身体感覚の3つが同時に動く。

怒りを感じたとき、

身体では

・心拍数が上がる
・呼吸が速くなる
・筋肉が緊張する
・お腹が締めつけられる

といった変化が起きる。

心では、

「これは許せない」
「ひどいことをされた」

といった感情が生まれる。

脳(思考)では、

「どう対応するべきか」
「なぜこんなことが起きたのか」

といった考えが動き始める。

要は、感情とは、思考・感情・身体感覚が同時に動いている状態である。この3つがバラバラになると、人は混乱する。逆に、この3つが一致しているとき、人はとても自然に行動できるようになる。

感情の課題は何か

多くの人が思っているのは「感情がつらい」ということ。実際、感情そのものが問題なのではない。問題になるのは、感情に対する抵抗

例えば、悲しみを感じたくない、怒りを感じたくない、恥を感じたくない、といった気持ち。

Joe Hudson(コーチ)は、感情の課題について、以下のように語っている。

If you’re scared feeling an emotion, you’re already in it.
ある感情を感じることを怖がっているとき、人はすでにその感情の中にいます。

悲しみを恐れているとき、その人はすでに悲しみを感じている。怒りを恐れているとき、その人はすでに怒りのエネルギーの中にいる。

更に、感情を避けようとすると、次のようなことが起こりうる。

  • 失敗を避ける→安全な選択ばかりしてしまう→自分は挑戦できない人間だと感じてしまう
  • 対立を避ける→人に合わせ続ける・人に媚びる→心の中に葛藤が生まれる・不満が溜まる
  • 負けることを避ける→人をコントロール・優位性を示す→信頼を失う

感情を避ける行動は、逆にその感情を強くする、という不思議な現象が起きるのだ。

Overthinking(考えすぎ) と感情

もう一つ、多くの人に起きているのが、Overthinking(考えすぎ)。頭の中で同じ考えがぐるぐる回る状態だ。Overthinking の多くは、感じられていない感情から生まれている。

要は、感じる代わりに、考えているのだ。

例えば、

・人間関係について考え続ける
・仕事の失敗を何度も思い返す
・未来の不安を想像し続ける

こうした状態の背景には、怒り、悲しみ、恐れ、といった感情があることが多い。思考はとても優秀だが、思考は感情を処理することはできない。感情を処理できるのは、身体感覚だ。

このため、考え続けるのではなく、身体で感じる、というプロセスも必要となる。

どのように感情を感じたらいいのか

では、感情はどのように感じればよいのか?

大切になってくるのは、感情を真剣に受け取ること、一方で、そのまま信じすぎないことだ。

感情は多くの場合、現在の出来事だけで生まれるわけではない。過去の経験や記憶が、無意識のうちに影響している。身体は強く反応していても、そのストーリーが必ずしも現実とは限らない。

たとえば、誰かの言葉に強く傷ついたとき、その出来事そのものよりも、過去の体験が重なって反応していることがある。

だからこそ、感情は大切に扱うが、感情のストーリー(記憶)と完全に同一化しないことが重要になる。

俳優が演技をするときのことを想像するとわかりやすい。俳優は怒りや悲しみを全身で表現する。と同時に、「これは演じた役の感情である」という距離を保っている。

感情を感じるときも同じだ。感情を感じながら、感情そのものにならない。この距離感がとても大切だ。

感情を感じる方法:3つのステップ

以下、まとめると、

感情を信じすぎない・ステップ1

感情はしばしば、現在ではなく過去の経験から生まれている。だからこそ、感情を真剣に受け取るが、そのまま信じすぎない、ことが大切。

身体感覚に注意を向ける・ステップ2

感情は身体に現れる。例えば、胸、お腹、喉、呼吸、などに注意を向けてみる。すると感情は少しずつ動き始める。

感情と同一化しない・ステップ3

俳優は怒りや悲しみを演じるが「これは役である」という距離を保っている。感情を感じるときも同じ。感情を感じながら、感情そのものにならない。この距離感が大切になる。

感情と抵抗との関係

感情を扱うとき、もう一つ大切なのが、抵抗との関係

人はよく、この感情を消したい、この気持ちを変えたい、早く楽になりたいと思う。このとき起きているのは、感情への抵抗だ。

そして興味深いことに、抵抗に抵抗すると、さらに抵抗が強くなる。そこで有効なのは、抵抗そのものに気づくことだ。

例えば、「怒りを感じたくない」と思っているとき、本当に起きているのは、怒り+怒りへの抵抗。

もし怒りを受け入れることが難しいなら、まず、抵抗している自分を受け入れてみる。

判断せず、変えようとせず、ただ気づく。それだけで、感情は少しずつ動き始める。

喜びは感情の「母」

感情についてとても興味深い考え方がある。それは、喜びは感情の母である、という考えだ。もし家の中に子どもたちが歓迎されていなければ、母親はその家に入ってこない。

それと同じように、怒り、悲しみ、恐れ、不安、といった感情を拒んでいると、喜びも現れなくなる。つまり、ネガティブな感情を排除しようとするほど、、人生から喜びも消えていくのだ。

すべての感情が歓迎されるとき、はじめて喜びも現れます。

まとめ

感情を理解するためには、思考、感情、身体感覚、という3つの視点で見ることが役立つ。

整理すると、感情とは、思考・感情・身体感覚が同時に動く現象である。

  • つらさを生むのは、感情そのものではなく、感情への抵抗である。
  • 感情は、真剣に受け取るが、そのまま信じすぎない。
  • そして感情を受け入れられないときは、抵抗している自分に気づく。

感情は、私たちの内側から送られてくる大切なメッセージ。それを抑え込むのではなく、丁寧に感じていくことで、思考、感情、身体感覚、この3つが少しずつ一致していく。

そしてそのとき、人は自然に自分らしい判断や行動ができるようになっていく。

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