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【N#171】消費できる1日のカロリーは決まっている

はじめに

東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・睡眠・マインドの脳活(脳科学活用)講座を提供している大塚英文です。

栄養学や食事で登場する「カロリー」や「エネルギー」。これらは、西洋独特の概念として知られているが、東洋の「プラーナ」や「氣」と同じように語られる。前回「カロリー」の考え方は、西洋の文化の中から生まれたことを書いた。

今回は、カロリーについて、より踏み込んでまとめたい。何と、最近の人類学の研究から、消費できる1日のカロリーは決まっていることがわかってきているからだ。

細胞と「代謝」の考え方

人間は、約36兆個の細胞から成り立っているが、細胞の生命活動を維持する(生物学では「代謝」と呼ぶ)ためにはエネルギーが必要となる。このため、安静時であっても、エネルギーが使われる。このエネルギーのことを基礎代謝という。

臓器別のエネルギー消費〜生きているだけでエネルギーを使う

さて、人間の各内臓別にエネルギーの分配を見ていると、面白いことがわかる。脳、筋肉、肝臓で6割のエネルギーが使われているのだ。

これ以外にも
1)体温調整(基礎代謝の10ー25%)
2)免疫の働き(病原菌の撃退、基礎代謝の8−20%)
3)生育・成長(子供の成長に脂肪が必要)
4)妊娠と出産(妊娠と母乳にエネルギーが必要)
にもエネルギーを割り振らなければならない。

このように考えると、代謝は、身体の成長、身体の維持(修復、炎症)、エネルギーの蓄積(体脂肪、グリコーゲン)、筋肉の活動、繁殖に割り振られる。このように、体内の代謝を維持するために、エネルギーが使われるため、極力身体を使わないように、人間は進化。怠け者が一種のデフォルトになっている。

人間は、霊長類の中で、体脂肪率が高い

興味深いのは、体脂肪率だ。霊長類の視点から見ると、人間は皆、太っているといってもいい。例えば、他の霊長類は、成体になってからの体脂肪は平均6%、子供は約3%になっている。

人間の狩猟採集民の体脂肪の典型的な割合は、新生児で15%、幼少期は25%、大人になって、男性が10%、女性が20%に落ち着くのだ。なぜ、体脂肪率が高いかというと、人間の脳が大量のエネルギーの供給が必要なためと考えられている。

ハーマン・ポンツァー著の「運動しても痩せないのはなぜか」によると、類人猿は、食物は自分の分しか取らないのに対し、人は余分な食物を集団内のメンバーの分配する社会的な仕組みがあるという。その結果、カロリーを獲得することができるので、体脂肪率が上がることに貢献しているらしいのだ。

1日の消費できるカロリーは決まっている

驚きは、ここからだ。今までの、有力な説は、カロリー消費量は、1日の身体活動量に応じて、増えていると・・・。つまり、運動すればするほど、カロリーが消費できると!

実際は、違うらしいのだ。現代科学によって、正確にエネルギーの消費量を測定することができるようになった結果、1日のカロリー消費量はどの民族(アメリカ、オランダ、イギリス、日本、ロシア、狩猟採集を行うハッザ族)でも同じで、上限があることが明らかになっている。

どんなに運動しても1日のカロリー消費量が制限されているということは、運動をしたからって、カロリー消費量に影響を及ぼすことがない。逆に、運動をし過ぎると、必要不可欠な活動も制限され、オーバートレーニング症候群のような問題が起きるのだ。

エネルギーのリソース配分が変わる

例えば、運動をしている大学生年齢の女性は、女性ホルモンのレベルが低く、生理の周期も乱れがちで、男性の持久ランナーは、トレーニング開始後、1年後、平均10%、2年後、平均15%、5年以上は30%男性ホルモンの値が低いことがわかった。生殖の優先順位が下がるのだ。

更に、身体の維持管理(免疫、修復)の優先順位も下がる。免疫の働きが低下(炎症が抑えられる)するため、病気にかかりやすく、回復に長い日数がかかる。そして、朝の目覚めを助けてくれるコルチゾールの分泌が弱くなり、倦怠感を感じるようになるのだ。

このように考えると、運動すれば、痩せるというのは幻想であることがわかる。しかしながら、大事な点がある。身体を全く動かさなければ、代謝が働かなくなる可能性が高く、それはそれで問題になる。

まとめ

今回は、人間は1日の消費カロリーは決まっており、その中でエネルギー配分を行なっていること。運動をすることで「痩せる」というのは幻想であることを含め、紹介させていただいた。

少しでも、この投稿が役立つことを願っています。

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