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【N#165】中年男女が知っておきたい食の基本〜#75 Knowledge Commonsに参加して

はじめに

東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・睡眠・マインドの脳活(脳科学活用)講座を提供している大塚英文です。

「中年男女が知っておきたい食の基本」〜ナレッジコモンズへの参加

小室吉隆さんが主宰する勉強会「Knowledge Commons」が久々に開催されることになり、恵比寿へ。75回目を迎える勉強会の題名は、「中年男女が知っておきたい食の基本」。講師は、三宅諒輔さん(株式会社ASPRIEST)(パーソナルトレーナー・管理栄養士、以下三宅さん)だった。

さて、製薬業界に在籍した頃、3年間、パーソナルトレーナーについてトレーニングに励んでいた。今回、小室さんから、管理栄養士がパーソナルトレーナーに移籍し、食事について語ってくれるセミナーを開催することを聞き、知識を得るという目的ではなく、どのように考えてるのか、知りたいと思ってセミナーに臨んだ。

基本的な栄養の知識〜インターラクティブに学ぶ

まず初めに、三宅さんは、長年、若い人、特にアスリートを見ており、その視点を感じたことだった。対照的に、私が見ているのは、50代以上の高齢者。健康長寿を全うするためにどうしたらいいのか?という視点で見ているので、自ずと、視点の違いを感じた。

健康な身体とは何か?その基準のBMI、体脂肪率の説明から入り、正しい食事とは何か?管理栄養士の立場からの考え方を紹介。蛋白質、脂質、炭水化物の割合はどのように決めるのか?日本人の食事摂取基準(2020 年版)のデータを紹介しつつ(炭水化物(55-65%)、脂質(20%)、蛋白質(15-25%))、話題は、食材へ。

炭水化物、蛋白質のそれぞれの代表的な食材は?を参加者が答える形で会は進行。参加者が意外と答そして、ミネラルとビタミンの話へ。炭水化物にはビタミンB1、蛋白質にはビタミンB6、ビタミンAは成長ホルモン、ビタミンCは関節の保護、要は食事のバランスに重要とのこと。

ビタミンの食材として、緑(赤)野菜、果物(ビタミンCが多いのがなんとキウイ!)が重要なことや、ジュースは100%のみ表記できること。ミネラルの方は、カルシウム(骨の形成)、マグネシウム(筋肉の弛緩、足が攣る)、鉄(自律神経の乱れ)を取り上げ、怪我を防ぐものとして黒い食べ物を推奨していた。

最後に控えたい食材は、砂糖を挙げていた。菓子パン(スティックシュガー40本分)、コーヒー牛乳(スティックシュガー30本分)、スポーツドリンク(スティックシュガー9本分)、サイダー(スティックシュガー15本分)等。

会の内容をまとめると、
1)正しい食事とは、ビタミン・ミネラルを工夫した食事、砂糖量の注意
2)適切な運動、基礎体力の向上、運動習慣の確立、
3)将来への健康投資
になる。説明がわかりやすかっただけではなく、参加者が栄養について何を知りたいのか?管理栄養士さんが、どう栄養をとらえているのか?理解が深まった会だった。

個人的には、良質な脂質について語っていないのが気になったが(三宅さんは、意識しなくても取れると語っていた)、それ以外は概ね納得できる内容だった。

主催者の小室さん、登壇された三宅さんを含め、本当に楽しい場を提供いただきありがとうございました!

せっかくなので、なぜ、管理栄養士の考え方について知りたいと考えているのか?私も、栄養学の情報を提供している立場の一人なので、病気の予防の観点から食事をどう見ているのか?本内容とは蛇足になってしまうが、まとめてみたい。

私が病気の予防の観点から、食・栄養について考えていること

管理栄養士の食事に対する見方〜国が栄養をどう見るか?

今回、楽しみにしていたのは、管理栄養士さんがどのように栄養を見ていることだった。なぜならば、国家資格を有する栄養士さんの言葉は周囲の人は必ず聞くし、言葉の重みがある。いわば、国が栄養学をどう捉えているか?一つの指針を出しているからだ(そういった意味では、今回は収穫ありだった)。

一方で、その栄養の知識が本当に正しいのか?私は、常に疑うマインドを大学院の時に学んでおり、今の栄養学について疑問に持っているのと、欧米では、既存の栄養の知識に疑問を持つ報告が出ており、これから食事についてもガイドラインが変わっていく可能性があるからだ。

西洋医学の総本山で、博士(医学)を取り、バリバリの西洋医学のマインドを持っているが、西洋医学は大いなる問題点を抱えていると感じている。

西洋医学の問題点〜企業との結びつきが強い

製薬業界・食品業界の資金が、一部の例外を除き、西洋医学と結びついてしまっていることだ。本来の真理の探究から、物(薬、ジャンクフード、加工食品)を販売するという別の目的にすり替わり、真理から離れてしまっている。

製薬業界にいた時に、勤務している会社は、医療の診療ガイドラインに関わっていたが、現状を知るにつけ、製薬会社抜きでは作成するのは難しいことがわかった。実は、ガイドラインは製薬会社の影響を受けており、ニュートラルな情報ではないのだ。

脂質か?炭水化物か?〜慢性病の原因

食品業界もそれに似ている。砂糖が心臓病の発症リスクを高めると長年言われているのに、驚くべきことに、砂糖業界が研究費を科学者に提供。砂糖よりも脂質(飽和脂肪酸、コレステロール)の方が心臓病のリスクが高いというエビデンスを得るための研究支援を行っていたことも明らかになっている。

砂糖業界の研究支援が功を奏したのか、脂質を減らした食事(LOW FAT、NON FAT)は、革命的な考え方だ!と、全米を席巻した。当時80年代、アメリカに住んでいたので、このことをよく覚えている。しかしながら、、、心臓病が減ったかというと、いまだに全米一位の死因は心臓病。成果が上がっていない。

現在では、砂糖を含め、炭水化物の取り過ぎによって、心臓病が起こる、という説が有力になりつつある。そして、炭水化物を減らすとエネルギー不足になりがち。その分を良質な脂質(オメガ3、オリーブオイル、MCT)で補うことが求められるようになってきている。

スポーツのパフォーマンスと脂質

実際、長友佑都選手が「ファットアダプト食事法、カラダを劇的に変える、28日間のプログラム」に、さまざまなエビデンスを提示している。

例えば、高炭水化物、低脂質(炭水化物59%、脂質25%、蛋白質19%)に比べ、低炭水化物、高脂質(炭水化物10%、脂質70%、蛋白質19%)の方が、運動のエネルギー源として、脂質を使う割合は、2倍以上高くなったこと。何と、アイアンマンやウルトラマラソンのパフォーマンスが上がるらしい。

病気の予防から見た食・栄養:私の仮説

長年の経験から、私が持っている病気の予防の観点からの食についての答え(仮説)も通説は違う考え方だと思っている。

以下、3つのポイントに絞って箇条書きにまとめたい。

カロリーには質がある!

1)1カロリーは1カロリーではない(消化・吸収能力によって変わってくる)
2)いいカロリーと悪いカロリーがある(カロリーには質がある)
3)カロリーの消費よりも、少なく食事を取れば、痩せるというのは幻想で、食欲が増すだけ。
4)肥満は、食事のとり過ぎではなく、脂肪の蓄積によって起こる(カロリー量ではない!)。

肥満の原因は、炭水化物による血糖値の上がり過ぎ→取り過ぎは、脂肪を増やす

1)脂肪(飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸)は、肥満、心臓病や慢性病の原因ではない。
2)インスリンは、脂肪を蓄積させるホルモン。炭水化物がインスリンを刺激、体内の脂肪を蓄積する。逆に、インスリンが低下すると、脂肪が燃料として使われる。インスリンは筋肉を作る等、身体に必要だが、必要以上に上がると、脂肪がどんどん溜まる。
3)炭水化物は同じではない!加工(精製)された炭水化物(お米、小麦等)であればあるほど、急激に血糖値が上がり、加工(精製)されていない炭水化物(玄米、全粒粉)で食物繊維のあるものであれば、血糖値がそれほど上がらない。
4)脂肪が蓄積する原因は炭水化物。炭水化物によって血糖値が上がりすぎるのが問題。中性脂肪が作られる。それが全身に送られ、皮下に脂肪が蓄積し(ここまでは問題ない)その後、内臓(筋肉から始まり、肝臓、膵臓へ脂肪がたまることがわかっている)に脂肪が蓄積することがわかっている。
→炭水化物の取り過ぎの判断については「炭水化物による血糖値の変化〜炭水化物は、同じではない!」に書いた。

内臓脂肪の溜まりすぎ〜病気の原因

1)果糖(アルコール)は、肝臓に内臓脂肪を蓄積させ、場合によっては脂肪肝に。脂肪肝は体内炎症を引き起こし、糖尿病、心臓病、アルツハイマー、がんなどのリスクを高める。
2)内臓脂肪が増えると、インスリンがもっと作られるようになり、内臓脂肪がさらに増える。血液中のインスリン濃度は、さまざまな成人病のリスクと繋がっている。
3)脂肪を燃焼するためには、いろいろな要素(ミトコンドリアが元気か?インスリンが出てないか、神経の状態(アドレナリンが出ているか)どうか?酸素があるかどうか?)によって決まるため、手間がかかる。
→脂肪燃焼については「脂肪を燃焼させるには?〜運動ではない意外な行動が決め手となる」にまとめた。

まとめ

今回は、「Knowledge Commons」に参加した感想と、私が感じている栄養について、まとめさせていただいた。少しでもこの投稿が役立つことを願っています。

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