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【N#54】眼の検査と眼鏡の作成へ(4)〜1年ぶりの目の検査〜人間というのは「見る」ということを教育や経験を通じて学ぶ

2020年9月18日(金)、視覚行動研究所の代表・野澤康さん(以下野澤さん)の目の検査を受けるため、飯田橋へ。

新潟在住の野澤さんは定期的に、関東と関西へ出張(東京は月に1回で2〜3日間、関西が月に2~3回で各2~3日間)している。
Rolfing House festaのロルファー・大友勇太さんから、野澤さんをご紹介いただいたことを「どのように見えているか?」より「眼をどのように使うか?」が大事」に書いた。
2019年9月に遠近両用のメガネを作って、主に近くで本を読む時や暗い時に使うことが多かった。
同年9月17日(木)に、久々に野澤さんのホームページを見たところ、1枠、検査枠(午後12時20分〜)が空いていることが判明。今回は恵比寿ではなく、飯田橋での検眼となった。
1年ぶりの再会。
野澤さんには、
・メガネを長期的に使うと、疲れやすい
・近い時に使用することが多い
とお伝えした。

野澤さんは、出張には必ず機材を伴うので、大変だと「Imagine ─ 眼鏡によってこの人に見えてくる世界」に書いている。客観的に見れる機材を使っているので、左右・遠近で何が問題なのか、明確だ。
例を挙げると
裸眼だと、
・遠近の切り替え遅い、
・縦線と横線の場合には、縦線が見にくく、三次元を捉えるのが難しい
・老眼は少しずつ進んでいる
等を客観的に数字に表してくれた。
メガネだと、これらの症状が改善するので、改めてメガネの偉大さにも気付くことができた。時々、専門家に見ていただいた方が良いと思っているので、これからも定期的に野澤さんところに通いたい。
さて、ロルフィングは視覚をどのように改善していくのか、違ったアプローチで見ていくので、せっかくなので、取り上げたい。

Rolf Movementの認定のため、ミュンヘンでトレーニングを受けていた時、
Rita Geirola先生は、
「人間というのは「見る」ということを教育や経験を通じて学ぶ」
といってた(「3つの情報収集系のバランスを整えること」参照)。
ロルフィングの基礎トレーニングでは、身体には、3つの情報収集系があることを学ぶ。
視覚(Visual system)、内耳感覚(Vestibular system)、筋感覚(kinesthetic system)だ。
心理的、知覚的な変化〜身体地図」に
「なぜ身体が姿勢をとることができるのだろうか?」
身体の仕組みについて、取り上げた。

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1)例えば、自分の身体の足、膝、腰、肩、腕、手をなぜ人間は、しっかりと認識できるのか?
2)目を閉じても、鼻、口、目に触れることができるのはどういった理由からなのか?
Google Mapを使って、自分の場所を調べるのと同じように、人間には身体の中に地図(body map、身体地図)を使って、身体の場所を意識するようになる。
実は、身体地図にはボディスキーマ(Body Schema)とボディイメージ(Body Image)の2種類がある。
ボディスキーマは脳によって無意識に作られる身体地図。一方で、ボディイメージは、脳によって意識できる身体地図だ。
ロルフィングで取り上げるのは、ボディスキーマの方だ。
ボディスキーマは、主に五感(視覚、聴覚、触覚等)、固有感覚(Proprioceptive)や平衡感覚(Vestibular)等により無意識に作られる。iPad、iPhone、Android等のアプリが自動的にアップデートされるのと同じように、皮膚、関節や筋肉から送られてくる感覚の情報が脳に送られ、ボディスキーまで、情報のアップデート化(書き換え)が進められる。

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ロルフィングを含めた太極拳やヨガ等のボディワークは、ボディスキーマという無意識の地図に働かせて、世界を無意識で捉えていたものを、意識化・言語化させる。
脳へ情報を送る際に、神経の細胞がネットワークを張りめぐさられている。インターネットでは、無線(WIFI、携帯の4G、LTE)・有線(LANケーブル)で繋がっているのと同じように。
身体の神経系の働きには2つある。
身体から脳へと伝わる情報と、脳から身体へと伝わる情報だ。
「情報収集」は、身体から脳へ、
「動きの指示」は、脳から身体へ
だ。
興味深いことに、筋肉に繋がっている神経系は、2つの働きを担っているが、同時進行することができない。パソコンでは、マルチタスク(同時に複数(マルチ)の作業(タスク)をすること)ができるが、筋肉の神経系はそれができない。
力みが発生するのは、「動きの指示」が優位になり、情報収集ができないためだ。逆に、「情報収集」に専念させると力みが自ずと取れる。

ロルフィングでは、視覚(Visual system)、内耳感覚(Vestibular system)、筋感覚(kinesthetic system)の3つの「情報収集係」を活性化することによって、「情報収集」を優位にさせ、最終的に無意識に作られるボディスキーマを書き換えていき、姿勢が整っていく。
尚、視覚は目の使用、内耳感覚は、耳の使用(主に平衡感覚)、そして筋感覚は主に筋肉の神経系を使用して、それぞれ情報を収集する

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目は身体の前側、耳は身体の後側にあるので、足の重心が、目優位だと、つま先、耳優位だと、かかと先にいきやすい。
面白いのは、内耳感覚、筋感覚は、生まれながらすでに備わっているが、視覚は、経験・教育を通じて学ぶので、感覚の中でもっとも意識しやすい
残念ながら、目の感覚が強くなりすぎると、内耳感覚の働きや重力が感じにくくなってしまう。目は頭の後頭部に繋がっているため、目の酷使は首こりと肩こりにつながる。
余談になるが、ロルフィングはこれらの課題に対して、根本的なところに注力するので、首こりや肩こりが改善しやすい。ぜひ、ご興味がありましたら「お問い合わせフォーム」からお問い合わせください。

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野澤さんのアプローチの面白いところは、目の動きを楽に動かすのを慣れさせるために、メガネという手段を使うことだ。
今回、長期的にメガネを使うことで、遠方に見えるものに対しても、立体視が改善すること。メガネを長期に渡って使用していると、メガネが慣れてきて、目の疲れも改善していくことなどのアドバイスがあった。

今月(2020年9月)、新たに、色付きメガネである「イノチグラス」を購入。ロルフィング・セッションや対面で人と接している時に使っている(「「どう見えるか?」よりも「どういう世界が見たいのか?」」「イノチグラスが到着!〜色が身体へ与える影響について」参照)
セッションで使うと、直感が働きやすく、更に、自分の強みを発揮しやすい、イメージが湧きやすい等の効果がある。
野澤さんのメガネは左脳、北見幸さんのイノチグラスは右脳を刺激しているように感じるので、両方をどのように使い分けるのか、模索をしていくことになっていくが、視覚の改善に向けて引き続き取り組みたい。

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