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【J#70】松江・出雲・米子への旅(1)〜和鋼博物館を通じて日本の製鉄の文化を知る

2020年9月19日(土)、4連休の初日。羽田空港からの早朝便で、米子空港へ。

実は、日本国内では41都道府県を訪れたことがある。残りは、6県。島根県、鳥取県と四国4県だ。
2年前に伊勢神宮へ行ったこともあり、次旅するのならば、出雲大社!となり、知人を誘って、9月の四連休中に、未踏の地である島根県と鳥取県に伺うことにした。

まずは8月8日に宿泊先を確保から。

初日は、島根県・出雲市から10キロ離れた小田市にある「はたご小田温泉」
二日目は、鳥取県・大山にそばにあるホテルに宿泊予定だ。踏み込んだことにない未踏の地なので、これは知人の意見を聞かねば・・・

と思い、一週間前の9月7日、
Facebookの自分のタイムラインに「米子と出雲大社方面に伺う予定です。島根、鳥取方面で、ここはオススメだよ!これは見たほうがいいよ、ご存知の方は是非ともアドバイスを!よろしくお願いしたします」
と投稿した。

何と、14人の方からコメントやアドバイスをいただくことができた。これだけコメントをいただけるのなら、期待できそう!いただいた情報をもとに前日に、日程案を作成。

当日を迎えた。
米子空港で、レンタカーを借りて、さぁ、出発。東京に比べ、道の広さ、土地に余裕にあることや空気が綺麗と言ったいろいろな良さをかんながらの移動だった。

まずは、美保神社へ。

えびす様を祀っているが、神社に流れている気がすごくいい上、車で移動中の海の景色にも見惚れてしまった。特に途中に大きな橋があったが、その上に、神社の横に小道があり、城下町の雰囲気を感じた。

船のりにとって、無事に航行することが大事で岬には目印と共に神社を祀っているという。おそらく美保神社もその一つなのでしょう。次に伺ったのが和鋼博物館。

和鋼博物館は、知人のオススメには上がっていなかったのだが、出雲へ行く道中に絶対寄りたい場所だった。

旅する前、司馬遼太郎さんの「街道をゆく・7巻〜甲賀と伊賀のみち、砂鉄のみち」をチェックした。そこに、製鉄の話が出てくる。
ヨーロッパの製鉄は、古代から鉱石だったのに対し、東アジアの製鉄は砂鉄だった。
砂鉄は、花崗岩や石英粗面岩のあるところならどこにでもあるが、それを溶かすために大量の木炭が必要とされる。
大量の木が必要ということは、鉄が持続的に生産されるためには、樹木が復原力も必要。
日本は、歴史的に一番遅く製鉄法が入ってきたにもかかわらず、モンスーン地帯が幸いし、樹木の復原力が朝鮮半島や中国に比べ、卓越していたという。
つまり、梅雨期から夏にかけて高温多湿な日本は山そのものが多量の水を含んでくれるおかげで、明治以降に石炭を原料とした溶鉱炉が出てくるまで、砂鉄から鉄を作るのに必要な木炭を不足させることがなかった。

司馬さんの本が面白いのは、鉄が好奇心を刺激するとの関連で語っていることだ。
木器や石器が道具の場合、人間の欲望は制限され、無欲にならざるを得ない。一方で、鉄器を持つと、欲望や好奇心の心を育てるのではないかという。

そして、鉄の道具により農業の生産力が飛躍的に高まる。そのことで、商品経済が盛んになっていくというのだ。
江戸時代は鉄を使った道具の全盛だった。
例えば、桶という商品をつくるためには、指物道具という鉄器が必要。それのよって桶物屋が栄える。城郭建築や数奇屋普請を行う際、この技術を支えるために、多種類の大工道具や指物道具が必要。これも鉄が大量に必要で、少ないと建物を作る願望が実現しない。
江戸時代に豊かな建物が多く作られていたのは、鉄の技術もさることながら、やはり日本の天気が良く、木が育ちやすい環境だったのが大きい。
ちなみに、日本の砂鉄から製鉄の方法は、たたらと呼ばれ、宮崎駿さんの映画「もののけ姫」の主題なので、もしご興味があったらその視点からチェックしてください。

実は、島根県の安来市には、古代から伝わる「たたら」を紹介する博物館が日本で唯一あることを司馬さんを通じて知る。

ここはいかねば!の思いで、和鋼博物館へ。

入り口にたたらからできる鉧(ケラ)が展示されている。

そして
砂鉄はどのようにとるのか?木炭はどれだけ使うのか?日本の刀が優れているのは、日本の製鉄のおかげだということ、等。
様々なことがわかりやすく展示されていた。

ものづくりに興味を持っている人にはたまらない内容で、あっという間の1時間。ここの博物館は、本当に面白かった。

私の仮説の部分が強いのだが、あんだけ大きな出雲大社を昔作れたのは、朝鮮半島から伝わった製鉄の技術抜きでは考えられないと思う。それ想像しながら博物館見ていると、好奇心が刺激されるような感じだった。

炎の強さで温度を見ること、どのように技術が伝承されるのか?見ていく上でも面白い。

この博物館にはお手頃で食事できるレストランが併設されており、ここで昼食。
次の目的地の足立美術館に向かった。この美術館については次回取り上げたい。

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