【E#179】「つながるアートとビジネス〜美学は共感を生む」に参加して
2018年6月15日(金)、六本木アートカレッジ主催のイベント「つながるアートとビジネス〜美学は共感を生む」に参加するため、六本木ヒルズのアカデミーヒルズへ行ってきた。
六本木アートカレッジは、
「自分にとっての「アート」とは何か?」
を、感じ、考え、自分なりのこだわりのあるライフスタイルを確立することを一つの目的として、2011年にスタート(詳細は「アートカレッジとは」参照)。
以前、
2011年11月23日に開催されたイベント
「六本木アートカレッジ-アートって、こういうことだったのか-」
にアート好きな友人と共に参加したことがあった。
終日(午前10時〜午後6時半)、アートをアカデミーヒルズで学べるということもあり、興味深く拝聴できアート(特にモダンアート)への理解も深まった。
アートカレッジは、毎年テーマが決まっており、2017年から3回シリーズで開催されるようになったという。
今年(2018年)の3回シリーズのテーマが、
ビジネスとアートの接点(題名「自分と、アートと、ビジネスと。」)
非常に魅力的な題名な上、
元商社マンで「Soup Stock Tokyo」(スープ専門店)「Giraffe」(ネクタイ専門店)等を起業したスマイルズ株式会社の遠山正道社長と、森美術館の南條史生館長の2名の対談。
メーリングリストで見た後に、すぐに申し込み、チケットを入手。
すぐに売り切れたのでラッキーだった。
ビジネスとアートの接点は以前、グローバル企業においてもアートや観察力を取り入れた教育が盛んに行われているらしいことを本コラムで取り上げた(詳細は「アートと経済(1)〜企業にとってなぜ観察力や美意識は大事なのか?」参照)
山口周氏の「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか〜「アート」と「サイエンス」」によると、
英国のロイヤル・カレッジ・オブ・アートは、修士号、博士号を授与できる世界で唯一の美術系大学院として知られているが、最近「グローバル企業の幹部トレーニング」がビジネスとして拡大中。そこに、グローバル企業が幹部候補生を送り込んでいるという実態があるという。
最近、書店にもアート関連の本が並ぶようになり、今ビジネスとアートとの接点は注目されている。
そのためか、本セミナーも満員御礼になったのだと思う。
午後7時から始まった本対談もあっという間の1時間半。
ところどころにユーモアもあったが、会社員時代に感じていた違和感みたいなものが払拭された感があり、やりたいと思うことが本当にできるのだ、という気にさせてくれたので、自分のビジネスをやっていく上で、エールをいただいた感があった。
いくつか印象に残る発言があったので、自分のメモから書き起こしたい。
1)アート作品には、なんの絵を描くのかアンケートを取らない、人に任せない、好きなことをするから失敗の概念がない。あるとしたら、他人から言われたままに絵を描いて、売れないから、そのようになっていく。
2)やりたいと思う気持ちからビジネスが始まる。仕事というのは他人事ではなく、自分ごと。一人一人が自分ごと、一人一人が(理由があって)前に向いた矢印を持って歩み出すこと。
3)デザインはクライアントありで、アートはクライアントなし
4)自分の書いたじはさすがに自分も好き。好きに書いているから当たり前。当たり前がいかに少ない世の中か。自分が作ったものを愛す信念が人を動かす。
5)立ち返るものがあること:根拠が自分の中にあること。
6)「必要なこと」(業務、業態、用途、内容物、価格)と「大事なこと」(美味しさ、素材、思い、おもてなし、感動)を分けて考える。「必要なこと」は言語化しやすく、具体的でビジネスに向く。「大事なこと」は抽象的で言語化しにくいので意識してコミュニケーションが必要。抽象的でアートに向く。
7)小さいビジネスから始めよう。そして、大きくなる必然性があるのであるならば、大きくしていく。
自分のやりたいことをどのようにして仕事にしていくのか?
ヒントが満載で、勇気を与えてくれる。ビジネスというのは色々なやり方があり、創意工夫をすることで自己実現へと繋がっていくということを知ったのは大きな収穫だった。
やはり発想は自分の分野外のところから出てくると思う。今年は、色々と自分の知らない世界を知ることをモットーにセミナーにも顔を出していきたい。