【B#29】「ほぼ日」から学ぶ〜人の感情と価値観
最近の私のマイブームは糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」(ほぼ日)の成り立ちを調べること。以前からほぼ日に興味を持っていたのだが、詳しく調べようと思ったのは、遊識者会議で山口楊平氏の講演を聞いたことがきっかけとなっている(【起業/独立コラムVol.1】参照)。
詳細は、【起業/独立コラムVol.1】でも触れたが、著書「そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか」にその考えが詳しく書いてある。
そこでは、
ビジネスを行う際に、
「何をやるか?」よりも「どうやるか?」
を大切にすることを学んだ。
そして、
「どうやるか?」=「今までに成功したビジネスモデル」について勉強し、それを真似ることで、利益の出る仕組みを確立させることができるのだそうだ。いろいろな企業の実例が上がってきた中で、興味を引いたのが、「ほぼ日」の事例だ。
「ほぼ日」は、コンテンツそのもので収益を上げているのではなく、収益の土台は「手帳」であるというが、
これもまさに山口氏の
「本当に「好き」で「食う」を目指すなら、まずはさまざまなプロフィットモデル事例を見つけ、自分の「やりたいこと」に当てはめることから始めてみることから始めてみることをお勧めします」
ということを試行錯誤で繰り返して、最終的に出てきたものと考えると分かりやすい。
このようなことを考えていた頃、SPT(Source Point Therapy)のトレーニングのため大阪へ(【RolfingコラムVol.120】参照)。その開始直前の2015年10月9日、大阪で友人と再会。教育において自由と秩序のバランスが重要ということが話題になった(【RolfingコラムVol.121】参照)。その際にも「ほぼ日」の取り組みが話題となり、より深く「ほぼ日」の取り組みについて知りたくなった。
そこで、糸井氏の「インターネット的」と「ほぼ日刊イトイ新聞の本」の2冊を手に取った。
「ほぼ日」のWEBサイトを立ち上げた経緯は?その動機(パトロンやスポンサーに頼らないクリエイティブな場作り)や参考にした考え(ビジネスモ デルを考えない、立花ゼミ、その他)が述べられており、マーケティングやコンテンツよりも大事にしなければならない価値観というものを考えされられる一冊となった。
「ぼくにとって新しい仕事の方法論、それが「インターネットという手段で、自前のメディアをもつ」ということだった。自前のメディアを持てば、クリエイティブという目に見えにくい仕事に「場」をつくってやることができると思ったのだ」(「ほぼ日刊イトイ新聞の本」からの引用)
というところから始まり、インターネットサイトを運営していく中でさまざまなことを模索。基本的に大事にしているのは、感情の面というところが興味を引いた。
「みんなサイトを立ち上げるときに「コンテンツが大切だ」といいながら、実際にコンテンツを作ってこなかったのだ。コンテンツとはソフトだ。つまり、クリ エイティブだということだし、よろこばしきびっくりのことだ。ビジネスモデルをどんなに検討尽くしても、人はその「ビジネスモデルってやつ」を喜ぶわけで はない。反対に「ほぼ日」ではビジネスモデルはないが、人が何を喜ぶのかということを考えたり、それで遊んだりしてきた」(「ほぼ日刊イトイ新聞の本」からの引用)
考えてみれば、身体を扱うロルフィングや言葉や絵を扱うタロット・カード・リーディングはいずれも人間の感情面を最終的に働きかけ、違った視点を与えていくもの。
ブログを継続して書いていく上で、正直が重要。自分を必要以上に大きく見せないことや等身大の自分で表現するということは結果的に自分を利するというのも、上記の2冊を通じて学ぶことができた。
例えば、
「山岸さん(社会心理学者の山岸俊男氏)の研究は、ある種のゲームを繰り返して、どういう戦略を持った人間が、そのゲームの勝利を得るか、ということを実 験していたりするのです。そこで繰り返し実験した結論が、「相手を騙したり裏切ったりするプレーヤーよりも、正直なプレーヤーの方が、大きな収穫を得る」 ということになったらしいのです」(「インターネット的」からの引用)
今後、自分のセッション・ルームZEROに集まってくる人たちとどういった考え方を共有していくのか?を考える上でヒント満載だった2冊。