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【B#161】私の読書の方法〜人類学〜入門書から関心のあるテーマを見つけるまで

はじめに

東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・睡眠・マインドの脳活(脳科学活用)講座を提供している大塚英文です。

毎年1年間の読書のテーマを決める

私が本を読む時、毎年テーマを決めて本を手にするようにしている。その理由については「本をどう選ぶか?〜毎年「テーマ」を決める〜選書の基準」にまとめたので、チェックいただきたい。簡潔にまとめると、自分が勉強したことのない分野を選択し、視野を広げるためだ。

このことで、視野を広げ、新たな考え方、思考法、フレームワークを学ぶことができるだけではなく、人との出会いも変化が起きる。2024年2月に「竹倉史人さんのお話会」に参加したのも、人類学に興味を持って、いろいろと調べていく中でのご縁だった。

今年(2024年)のテーマは、人類学(2024年1月〜5月、5ヶ月間)、人工知能(2024年7月〜11月、5ヶ月間)と決めていて、それぞれの分野の本を50冊以上(オーディオブック(audible)、電子本(kindle)、紙媒体)読むことを目標にしている。

2024年に入り「人類学」の本を71冊(2024年5月26日現在、電子書(kindle)、オーディオブック(audible)、紙媒体)手にして読んだが、入門書から、どういった本と出会っていったのか?を中心に語っていきたい。

入門書を手にして感じたこと〜学問の細分化の現状

新しいテーマを調べるためには、専門家による入門書を手にするのが手っ取り早い。そこで、人類学、文化人類学、考古学等を検索(Amazon)し、最終的に3冊の入門書が印象に残った。

一つ目は、祖父江孝男さんの「文化人類学入門」は、文化人類学の定義から始まり、欧米と日本でどのような学問として発達してきたのか?歴史的な背景から説明しているのが興味深く、日本での文化人類学、民俗学、民族学の違いについてもわかりやすくまとまっている。

二つ目の奥野克己さんの「はじめての人類学」は、祖父江さんの本と同じように、人類学の歴史を語っているが、押さえる必要のある人類学者(マリノフスキ、レヴィ=ストロース、ボアズ)だけではなく、現在活躍中のインゴルドも網羅しており、未来の人類学はどのように発展していくのか?語っているのが興味深かった。

三つ目の松村圭一郎さんの「旋回する人類学」は、過去の偉大な人類学者も取り上げているが、現在活躍中の人類学者(ラトゥール、インゴルド、グレーバー)も紹介しており、現代で必要とされる人類学の考え方は何か?を中心に語っている。

共通しているのは、15世紀の大航海時代。西洋人が、新世界の人たちという「他人」と出会うことで、人間とは何か?を考えることで、人類学が発展していったこと。現地に住み、生の人間を観察。現地の言語を覚えて、調査するという「フィールドワーク」を使ってアプローチするということだ。

人類学の「anthropology」は、人間(anthropos)、学(logy)に由来。人間について研究するという意味を持つ。英国では、人類学を「自然人類学」「先史考古学」「社会人類学」の3つに分かれる。

人類の外見を科学的にに解析する手法を取り入るのが「自然人類学」、遺跡から出た土器、動物の骨、植物の種子などを通じて世界を語るのが「先史考古学」、社会の諸民族を比較して解析するのが「社会人類学」といってもいい。英国の社会人類学は、伝統的に家族、親族、婚姻等、集団に重点が置かれるという。

一方で、米国では「社会人類学」を「文化人類学」と呼び、上記の3つに加え「言語人類学」が加わる。フランスでは、社会人類学や文化人類学を「民族学(ethnologie)」、日本では「民俗学(forklore)」などが加わる。

しかも、未開社会の民族の研究からスタートした人類学だったが、今では、先進国、病院、企業、軍隊、経済等も研究対象になっているという。入門書として合計10冊ほどチェックした。感じたのは、人類学という学問の細分化が進み過ぎている現状があったこと。何を手にしたらいいのか?見失い、わからなくなってしまうことだ。

人類学の果たす役割〜より良い社会を築くためのヒントを見つけること

10年前に、世界一周し、先進国を巡ってきた経験から感じたのは、経済発展が止まり、貧富の差が拡大した世界だった。人類は、20万年前にアフリカで登場して以来、世界各地に移動し、文化を築いていた。人類学や考古学は、人類の歴史はどのように発展し、現在に至ったのか?知る手段だ。

本質的に考えると、今の世の中にとって、役立つような物語って何か?大事なのは、より良い社会を築くためのヒントを見つけることが求められているのではないかと、個人的には思う。しかしながら、人類学の本を手にしても、学問の細分化が進み過ぎてしまい、その答えから乖離しているものが多かった。

例外だったのが「人類とは何か?」、現在の世界を知るために大枠として人類学の知識をどう活用するのか?という疑問に対して適切に答えを与えてくれる、ユヴァル・ノア・ハラリさんの「サピエンス全史:文明の構造と人類の幸福」だ。わかりやすい内容なので、全世界で2500万部のベストセラーになったのだろう。

ハラリさんは、人類は、農耕革命や定住革命はじめさまざまなテクノロジーの革新があり、その後、都市や国家が誕生。共同体も巨大になる中で現在のグローバル社会が登場したと。人間は、架空の事実を物語で語ることで人間を集団にまとめ、世界制覇していったのだという視点で語っていたのが、明快だ。

しかしながら、ハラリさんは人類学者ではないので、現在の人類学ではどこまで正しいのか?本当にこのストーリーでいいのか?疑いの目を向けていた。

松村圭一郎さんの「旋回する人類学」には、現代の人類学に疑問を持っている人類学者のディヴィド・グレーバーさんの本を勧めていたので、きっとその疑問に答えてくれるだろうと思い、手に取ってみた。

人類の歴史は一直線上に歩むわけではない?!

それが、人類学者のディヴィド・グレーバーと考古学者のディヴィド・ウェングロウの「万物の黎明〜人類史を根本からくつがえす」だ。このを読んだ時に、ハラリさんが語っていた一直線上の物語のように人類の歴史が歩むことなく、考古学的な例外の史跡が多く発見されているという事実を紹介していたことだった。

古代社会で、都市運営を行う際には、ヒエラルキーがなく、平等社会が実現していたこと。農耕の技術はすぐに受けいられたのではなく、数千年の年月を経て、天才ではない、普通の人間たちによって徐々に取り入れられてきたこと。そこに女性が重要な役割を果たしていたこと。

実は、古代社会は、社会実験の場として機能したこと。つまり、隣の地域の人たちが、身分制をひくと、自分たちは身分制を作らずに差別化する。土地が住みにくければ、遠くへ移動。別の人たちと社会を作る。男性と女性の地位も相対的に平等だったという。

こうした自由が、だんだんヨーロッパ、日本やアジアで消滅していく。驚くべきことに、15世紀にヨーロッパ人がアメリカ大陸に上陸した時、先住民の自由な生き方に衝撃を受けたらしい。

このように考えると、人類は、置かれている環境に対して、自分たちで考えていき、最適な答えを出していくことで、繁栄していったことがよくわかる。

人類の歴史は一直線上に歩むわけではない?!

このように、いろいろな本を読んでいくことで、自分が興味を持っているテーマが見つかる。私の場合には、以下の4つに興味を持つようになった。

1)人間は、霊長類からどのように進化し、他の動物に比べ、身体能力の長所と短所は何か?
2)人類はいつから儀礼に幻覚剤を使うようになったのか?シャーマンや精神疾患との関係
3)なぜ「科学」的な考え方は、西洋から生まれたのか?
4)農業はどのように生まれ、家族構成にどう影響を与えたのか?

上記のテーマから、人類学の中で、興味深いと思った本を次回のブログ記事で紹介できればと考えている。

まとめ

今回は、私自身がどのように本を読んでいるのか?新しい分野を勉強する際に、入門書から入り、新しい本をどう見つけていくのかを中心に紹介した。

少しでもこの投稿が役立つことを願っています。

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