【E#61】ビジネス・マインド〜数字で考えること
2015年12月も後半突入。2016年もすぐそこまで近づいており、来年はどういった年にするのか?計画を立てる上でも素晴らしいタイミングになった。
今年(2015年)、個人事業主として大切にしてきたのは民間企業で身につけたビジネス・マインド。恐らく、ボディワーカーで製薬会社のマーケティング部門を経験している日本人はそれほどいないので、そこが一つの差別化ポイントして考えているのもあるが、マーケティング部門での7年間の経験は間違いなく、今の自分に役立っている。
製薬会社のマーケティング部門で行う仕事というのは、
一言でいえば
「薬の売上げを上げるための仕組みを作ること」
に尽きる。
私の仕事は、薬の情報を如何にして覚えやすい形で医療従事者(医師、看護師、薬剤師、患者)向けにメッセージを伝えるのか?を考えること。
が主軸。情報を伝えるというのは、マーケティングの仕事のごく一部。もっとも重要なのは、正確に薬の年間売上予測を立てることにあった(もちろん通年で考えると予想外のことは起きる可能性があるが、それはその都度見直される)。売上げの現状と未来を知らなければ、仕組みを作ることができないからだ。
そのために、どういった情報が必要か?
対象となる疾患の潜在患者数、病院によって疾患の診断を受けた患者数、薬剤によって治療を受けている患者数、今売っている薬で使われている患者数は?そして、対象となる患者数はどこで治療を受けているのか(医療施設はどこ)?を含めてインターネット・文献を含めた調査及び仮説を検証するための市場調査などを通じて数字に落とし込めていく。
ある意味、患者数というのは推定=仮説に過ぎないこともあるが、根拠となる事実を積み重ね、論理的思考を駆使していくということから、科学的な考え方に近い。自分自身が大学院で身につけた科学的な思考はこの点で非常に役立った。
最終的にどういった企画を立てれば、売上増に貢献するのか?を勘案し、売上予測を立案していった。企画といえば、医師を呼んだ講演会や座談会、広告や薬の情報を伝えるための資材作りなどが挙げられる。
数字で物事を見ることは、ロルフィングを生業とした今でも大切にしている。そして、個人事業主として自立していく上でも、ビジネス・マインド=数字で物事を考えていくことは必須。
例えば、今の仕事で数字で考える必要だと思う実例として、
- 認定ロルファーとして1週間で何回のセッションを行っていけば2〜3年後自立していくことができるのか?(ヨーロッパのロルファーは、2〜3年後に1週間に10セッションを目処に自立を目指す)そのためにはどうしたらいいのか?
- パンフレットや名刺をどのように作成、何部印刷し、どのようにして活用していけば、お客さんを獲得することができるのか?(作成経緯については【RolfingコラムVol.154】と【RolfingコラムVol.165】を参照。300部を作成したがその妥当性について検証が必要)
- ブログを書く際にどれだけの人たちにメッセージが届けられているのか?そこから、セッション・ルームZEROのホームページへのアクセスはどれほどなのか?(ホームページの作成経緯は【RolfingコラムVol.131】を参照。アクセス状況についてはgoogle analyticsを使っている)
- 「ロルフィング」・「ロルファー」という言葉があまり知らない日本で、何度そのことについて話せば覚えていただくことが可能か?(製薬業界では薬の名前を覚えてもらうためには9回話すことが必要だということを学ぶ)
一つ一つを数字で考えていくことで、
「自分の中で何に集中すべきなのか?」
が明確になっていく。
幸運にもセッション・ルームにお越しになっている一人一人のお客さんは大事にしていきたいと思うが、それと並行して自分でできることは他にも色々あると思う。
こういった経験を本コラムで発信することにより、今後個人事業主として自立を考えている人たちも有用な情報として役立てればと考えている。