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【N#131】食と健康の判断をしていく上で④〜脳科学の視点も大事〜日光、消化管からの情報、十分な睡眠

はじめに

みなさん、こんにちは!
東京・渋谷でロルフィング・セッションと栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。

栄養学に抜けている「脳科学」の視点

食事といえば、どの食事の方法を学べば、健康にいいのか?手段に目を向きがち。
例えば、マクロビ、地中海式食事、糖質制限、ローフード、分子栄養学等。

私は、いろいろと試して中で、分子栄養学の治療に辿り着き、3年間実践してみた。
アトピー性皮膚炎を発症していたため、治療に役立つものは何か?サプリメントを色々と試すことができた。
しかしながら、一方で、何か足りないものを感じた。特に感じたのは、分子栄養学は、栄養素にのみ目を向けていて、
脳科学の考え方が抜けていることだ。

実は、脳は、内臓と迷走神経で繋がっており、常に身体内で何が起きているのかチェックしている。
血圧、体重、体温、血糖値、睡眠、取り入れる食事の量を含め、適切な範囲内に収めるため、しっかりとコントロールしている。
(恒常性、ホメオスタシスと呼ばれている)

特に食事に関わっているのが、体内時計、血糖値、体重、睡眠だ。
例を挙げたい。

脳科学の視点①〜日光を浴びると食欲が抑えられる?

一つ目は「目」だ。目のなかに光が入ってくることで、朝、昼、夜かと、人間は判断していくが、興味深いことに、目は食欲と関係が深い。何と、「目」の中に日光(紫外線)が入ってくることで、メラニン色素(日焼けの色、毛を黒くする色素を作る細胞)を作るαMSH(メラノコルチン細胞刺激ホルモン)が誘導され、脳に情報が伝わる。この物質は、メラニン色素を誘導して、日焼けと同じような状態にするが、これ自体「食欲」を抑えるのだ。一般的に、春や夏など、日照時間が長い方が、冬に比べ、食欲が低い事実が知られているが、この原理から説明できる。

余談だが、αMSHは、性的興奮も誘導し、妊娠中の女性では増えるとも。ちなみに、エストロゲン(女性ホルモン)は、食欲を下げ、テストステロン(男性ホルモン)は、食欲を上げることが知られている。

脳科学の視点②〜満腹感と消化管ホルモンとの関係

二つ目は、「消化管」だ。人間は、食事を食べてから15分から30分後に、満腹を感じることは体感としてご理解いただけるかと思う。不思議なのは、その時間帯って、まだ胃のなかに消化していない食物が入っていることだ。なんで、腸に入っていないのに、満腹感を感じるのだろうか?

甘いもの、塩辛いもの、辛いものは、舌に検知できる受容体があるので、味覚を使って食事を判断するが、似たような受容体が「消化管」にあるのだ。例えば、蛋白質と脂肪酸が入ってくると、消化管が検知し、CCK(コレシストキニン)というホルモンが血中、神経細胞に分泌される。CCKは、血液を経由して胆嚢へ。胆嚢を収縮させ、胆汁を十二指腸に押し出す。そして、脳と消化管を繋ぐ「迷走神経」を通じて、脳へ。脳の中にある食欲を抑える神経系に情報を伝えることで、食欲を抑えるのだ。

仕組みとして面白いのは、腸から迷走神経を経由して伝わった情報をもとに、脳が、身体内に栄養素が十分に入っているかどうかチェック。十分だと感じた時に、食欲が抑えられるこということだ。スタンフォード大学のAndrew Hubermanのポッドキャスト(英語、スペイン語のみの字幕)で紹介されていたが、CCKの場合は、脂肪酸(オメガ3)とグルタミンが十分に消化管の中に入ったら、食欲が抑えられ、砂糖を求めなくなるとのことだ。

脳科学の視点③〜睡眠不足は食欲を増す

三つ目は「睡眠」。マシュー・ウォーカーの「睡眠こそ最強の解決策である」に紹介されたデータだが、睡眠不足(4時間半)になると、十分に睡眠をとっている(8時間)に比べ、食欲が増すという。

これは、睡眠不足により、満腹感を感じるホルモンの分泌が減り、食欲を刺激するホルモンが上がり、脳にその情報が伝わるのだ。睡眠時間が短くなると、8時間半眠った期間に比べ、同じ人の食事が300キロカロリー増加し、5日間の合計で1000キロカロリー以上の増加したという。

しかも、甘いもの(クッキー、チョコレート、アイスクリームなど)、炭水化物(パン、パスタなど)、しょっぱいスナック菓子(ポテトチップス、プレッツェルなど)の消費が増えることも知られている。

脳科学と食欲〜タイミングも大事

このように、食事って、栄養だけではなく、脳の中で何が起きているのか?今回、取り上げなかったが体内時計を含め、脳によって内臓がどういう状態に置かれているのか?を含め考えていく必要がある。

食事は全体から見ることが重要〜栄養素だけではない!

食事や栄養って、単純に栄養素を学ぶだけでは、足りないと思う。

私が提供している「栄養&マインド基礎講座」では、栄養素だけではなく、脳科学からも見ていく。それを知った上で、「一人一人の人間は体質が違う」からこそ「一人一人に合った治療法がある」があることが理解できるようになっており、自分なりの答えを出すにはどうしたらいいのか?一人一人の体質に合わせた、食事や栄養、身体を見極める力を養うことを目的にしている。

ぜひご興味のある方は「【栄養&マインド基礎講座】〜基礎コース、実践コース」に詳細を書いたので、チェックいただければと思う。

まとめ

今回は、栄養素を脳科学(食欲、消化管、睡眠)の視点からまとめさせていただいた。
少しでも、この投稿が参考になれば幸いです!

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