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【J#40】日本の伝統芸能の能を学ぶ〜心を癒し、安らぎの世界に導く曲「西王母」を通じて

2016年2月8日、ロルフィングのセッションを受けていた知人からの紹介で日本の伝統芸能の能についてのワークショップに参加。それがきっかけとなり、2016年8月から月1回、セッション・ルームZEROにて生徒3人で能を学ぶようになった。
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学んでいるのは、京都在住の能楽師・井上貴美子先生。題材は「西王母」。「西王母」習得コース(全20回)。現在、10回が終わっている(2017年2月28日現在)。
各回の稽古は1時間。配布された台本に従って「謡(うた)い」を謡う。そして時に、基本的な動作である「仕舞(しま)い」を学ぶこともある。
「謡い」で声を出して練習すると、不思議と心がリラックスしてくる。終えた後に身体の整い具合を見ると、ロルフィングの施術を終えた後と同様に、足がつま先と踵の真ん中に重心がきて、呼吸が全身に広がっていくという感覚があることに気づく。
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「仕舞い」の稽古の時は、深層筋を使った意識を実感することができ、動きが繊細でゆっくり。足を揃えるのに意識をどこに向けたらいいのか?四苦八苦しながらの稽古。最後は、ヨガを練習した後の疲れが出た。
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今後とも能の稽古の模様についてはコラムに書いていく予定だが、今回は能との縁について少し書いてみたい。
実は、父方の祖父が能楽師で、その実家にも能の舞台があったということから、私は能と何らかの縁はある。
そして、2016年4月5日、知人からの紹介で、靖国神社での奉納靖國神社夜桜能への参加を通じて能を鑑賞したこともあった。その時は、中世にタイムスリップするという感覚を味わうのと同時に、意外と能は面白いものだということを感じることができた。
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以前から茶道を通じて日本文化に興味があったので、能についても、世阿弥著の「風姿花伝」、ロルファーであり能楽師でもある安田登氏の「身体能力を高める「和の所作」」、内田樹氏と観世清和氏による「能はこんなに面白い!」等の本に触れる機会はあった。
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「初心忘るべからず」「秘すれば花」「上手は下手の手本、下手は上手の手本」等、含蓄のある言葉で語った「風姿花伝」は、稽古や演技、芸道について語っており、日本文化への興味から時々読み返している。
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以前、安田登氏の著作は、ロルフィングとの関連でコラムで触れた(「ロルフィングに関連する本の紹介」参照)。深層筋(大腰筋、腸骨筋、梨状筋等)を意識する際に、能の動作が役に立つということを紹介していた。
確かに、2016年2月のワークショップに参加した際、すり足の動作を行うと、大腰筋への意識が強まるということから、
「なるほど!」
と体感で理解することができた。
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「能はこんなに面白い!」は能についての基礎的な知識を含めわかりやすく書かれており、読み物として面白かったのだが、
内田樹氏が
「中世日本人の身体運用を今に伝えるものとは何であろう。思いついたのは、茶の湯徒禅と能楽の3つだった。その中では、能楽が身体運用を学ぶのに最も適しているように思われた」
と言っている。
そう考えると、日本文化と身体運用について考える際に、能は避けて通れないように思えたし、今こういった形で能を学んでいるのは、なんか宿命みたいなものを感じる。次回の「西王母」の稽古は、2017年3月22日。気づきをまたコラムに書いていきたい。
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