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【N#213】2年間のデータが教えてくれた「睡眠と身体の深い関係」──OURA RING Gen 4を新規購入

はじめに

こんにちは。渋谷でロルフィング・セッションや脳科学をベースにした講座を提供している大塚英文です。

OURA RING──指輪型のデバイス

OURA RINGは指輪型のデバイスで、睡眠・HRV・心拍数・呼吸などを高精度で記録してくれるウェアラブルである。指輪型であるため、腕時計と比べて睡眠の邪魔になりにくく、24時間装着し続けられる点が大きな利点になっている。

睡眠研究者の Matthew Walker も推奨しており、さらに長寿科学で知られる Peter Attia も『Outlive』の中で活用していることから、私自身も信頼して2年間使い続けてきた。

さて、2023年11月15日から愛用してきた OURA RING(第3世代のオーラリング;OURA RING HERITAGE GEN3 サイズ11)が充電できなくなり、使用不能になってしまった。そのため、OURA RING(OURA RING Gen 4, Black サイズ10)を新たに購入することにした。

以前にサイジングキットでリングのサイズを測定していたので、サイズ10で2025年11月18日(火)に注文。何と、11月20日(木)にはDHL経由で到着した。

一つ残念なことがあった。OURA RINGを継続して購入する際には、専用アプリ経由でHPから購入すると、1割引の特典がつく。今回、そのプロセスを経て購入手続きを進めたのだが、海外からの輸入のため、DHLで配達の途中に関税の請求がされ、結果的に1割引のメリットが帳消しとなってしまった。

このようなことが起きるので、もし新規で購入を希望する方は、Amazonで購入することも検討しても良さそうだ。

OURA RINGから見えてきたこと──2年の使用経験

さて、OURAを継続的に使うことで、自分自身では気づけなかった身体の変化が、データとして確かな形で見えるようになった。

睡眠不足の翌朝は、やはりスコアは低い

「今日はよく眠れなかったな」と感じている日は、たいてい睡眠スコアも低く、その感覚とデータが自然と重なっていく。

深い睡眠は、身体の疲労を癒す

運動した日の夜は、深い睡眠(ノンレム睡眠)が増える傾向(1時間を超える)がはっきりと現れる。逆に運動不足の日は、浅い睡眠(1時間半を超える)が中心になりやすい。

身体を動かした日は身体が回復を求め、動かさない日は脳の負荷が目立つ。そんな当たり前のことが、数字として見える感覚は面白く、気づきも多かった。

頭を使った日は、浅い睡眠(レム睡眠)が増える

長時間のデスクワークや思考の負荷があった日は、深い睡眠が少なく(20分〜30分)、レム睡眠が多くなる(1時間半を超える)傾向がある。レム睡眠は記憶の定着に関わるとされるが、まさに“脳が処理を続けている夜”という印象がある。

HRV(心拍変動)はストレスの鏡

OURAは安静時心拍数だけでなく、HRV(心拍変動)も計測してくる。HRV(心拍変動)とは、自律神経のバランスを示す重要な指標で、ストレスに強い人ほど数値が高く、弱っていると低くなる。

HRVが低い日は、
「昨日はメンタル的に緊張していたな」「人とたくさん会って疲れたな」
という実感と一致することが多く、ストレスの指標として非常に信頼できると感じている。

OURA RINGを使い続けることで、身体の疲れ・脳の疲れ・感情の疲れ、それぞれの違いをより繊細に理解できるようになってきた。

使い続ける理由──“指輪型”であることの意味

OURA RINGを選んでいる理由には、機能面だけでなく、日常生活での扱いやすさがある。

時計だと寝返りの際にどうしても気になる

Apple Watchのようなスマートウォッチを使って睡眠をトラッキングしたことがあるが、装着感にズレが出ることや、寝返りによって無意識に外してしまう日もあった。そのため、正確に測定することができないケースが多い。OURA RINGはその点、このような問題が起きない。

指輪は「外す」という行為自体がほとんど発生しない

指輪というアクセサリーは、普段から身に着けていても邪魔にならず、意識せずに24時間データを取り続けられる点が非常に便利である。

体温の微細な変化まで計測できる

体温は健康状態を示す最も確かな指標のひとつだが、OURA RINGはその変化を自動的に捉えてくれる。「最近疲れやすいな」と感じる日や「風邪」を引く前兆を、体温データを介して伝えてくれる。

さて、過去に「風邪」を引いた時に、どのようなデータが出たのか、事例を挙げてみたい。

風邪──体内の変化はデータにどう現れたのか?

2024年1月20日(土)の夜、突然体調が悪化し、39度の発熱、浅く速い呼吸、強い喉・鼻の症状に見舞われた。3年ぶりと感じるほど重い風邪で、睡眠も浅く、体の回復が追いつかない状態だったといっていい。

このとき、OURA RINGは何を示したか。ここでは実際に記録された数値とともに振り返ってみる。

安静時心拍数の急上昇

安静時心拍数は、睡眠中に最も低くなる。私の場合、通常は 46〜49 bpm が基準範囲である。

しかし風邪をひいたときには次のように急上昇した。

52(1月20日) → 63(21日) → 64(22日) → 56(23日) → 52(24日) → 49(25日)

医学的には、体温が上がると心拍数も上がる。体温が0.5度上がるごとに、心拍数は平均10拍/分上昇すると言われている。

発熱=代謝亢進=心臓の負荷増大
という仕組みが、データに正確に反映されていた。

呼吸速度の上昇(Respiratory Rate)

私の安静時呼吸数は通常 13.5〜15.0 回/分 の範囲にある。

風邪の期間の推移は以下の通りであった。

14.9(20日) → 15.4(21日) → 17.2(22日) → 17.6(23日) → 16.5(24日) → 15.5(25日)

風邪で鼻や喉が炎症を起こすと、呼吸は浅く速くなる。また発熱によって代謝が上がるため、酸素消費も増加し、呼吸が自動的に速くなることが知られている。

心拍変動(HRV)の低下

前述のように、HRV(心拍変動)は自律神経のバランスを示す重要な指標で、ストレスに強い人ほど数値が高く、弱っていると低くなる。

私の通常値は 25 ms 前後だが、風邪の期間は次のように変動した。

20(20日) → 17(21日) → 13(22日) → 15(23日) → 20(24日) → 32(25日)

体が炎症・発熱ストレスにさらされると、交感神経が優位になるためHRVは確実に下がる。数値の低下が体調不良の“警告灯”としてよく機能していることを改めて実感した。

血中酸素濃度(SpO2)は正常範囲を維持

風邪の種類によっては肺炎を併発し、SpO₂が著しく低下することがあるが、私の場合は 95〜100%の正常範囲 を維持していた。

この指標が正常だったことで、「重い感染症ではない」という安心材料にもなった。

OURAが教えてくれた“体調悪化のサイン”

今回の風邪を通して痛感したのは、体調が崩れる前から身体は“静かにシグナル”を出しているということである。

特に注目すべきは以下の4つ。

  • 安静時心拍数の上昇
  • HRVの低下
  • 呼吸速度の増加
  • 体温の変動(OURAでは皮膚温)

これらが数日前から異常値を示すことがあり、結果として「風邪の前兆」に気づける可能性がある。

新世代(Gen 4)へ──身体の声をより繊細に受け取るために

旧世代(Gen 3)のOURA RINGの故障をきっかけに、2025年11月20日に新世代(Gen 4)のOURA RINGを購入した。新しいモデルではセンサーの精度がさらに向上し、より細かく身体の変化を読み取れるようになっている。

  • 深い睡眠の質
  • ストレス反応の推移
  • 日中の回復度
  • ホルモンや交感/副交感神経の変化
  • 体温変化の精度向上

など、睡眠と体調管理の両面で大きく進化しているらしい。旧世代に比べ、素早くデータを集めていることが実感できるので、これからもどのようなデータを計測してくれるのか、楽しみにしている。

Peter Attiaも推奨──“健康寿命”の視点から見たOURAの価値

Outlive – The Science & Art of Longevity(邦訳:『アウトリブ・人はどこまで生きられるのか』)』の著者であり、長寿科学の第一人者でもある Peter Attia MD(ピーター・アッティア)がOURAを推奨していることも、私にとって大きな後押しになった。

Attiaが大切にしているのは、「どれだけ長く、生産的で、健やかな人生を送れるか」という 健康寿命(Healthspan) の考え方だ。

そのために欠かせないのが、

  • 質の高い睡眠
  • ストレスの管理
  • 身体の回復度のモニタリング
  • 日々のコンディションの把握

であり、OURAはまさにそのための強力なサポーターになってくれる。

まとめ―“データと体感”がつながると、身体の理解は深まる

  • 運動すると深い睡眠が増える
  • 頭を使うとレム睡眠が増える
  • ストレスはHRVに表れる
  • 発熱すると心拍・呼吸が上がる
  • 風邪の前兆はすでにデータに出る

OURAを使って気づいたのは、身体は常に変化していて、そのサインは必ずどこかに表れているという単純でありながら深い事実だ。

過去の風邪はつらい経験だったが、自分の身体がどのように反応し、どのように回復していくのかを客観的に観察できた貴重な機会でもあった。

OURAは、単なるデバイスではなく、“自分自身を理解するための静かなパートナー”だと感じている。今後も、睡眠・健康・体調の変化について気づいた点があれば、またブログでシェアしていきたいと思う。

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