【E#273】「【コーチングエナジー発掘セミナー】NLP×ストレングスで1ランク上のコーチになる1DAYワークショップに」参加して
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はじめに
こんにちは、渋谷でロルフィング・セッションと脳科学ベースの講座を提供している大塚英文です。
2025年6月6日、私は『【コーチングエナジー発掘セミナー】NLP×ストレングスで1ランク上のコーチになる1DAYワークショップ』に参加しました。
参考に、Peatixのサイトでは、1DAYワークショップは、「質問力」と「強み」の視点から、コーチングの質を高めるヒントを体験を通していろいろなこと学べるセミナー。
第一部はNLPの視点から「適切に情報を受け取る力」を鍛え、第二部は ストレングス(強み)を自分の”問い”や”関わり方”とのつながりを見つめ直すことで、より深いセッションが可能に、と謳われていた。

このセミナーを知ったのは、私の大学院・博士研究員時代を通して6年間、共に研究生活を過ごした友人、佐藤(当時、織田)恵理さんからのご案内がきっかけでした。現在はEnabby Coachingのコーチとしてコーチングの専門家としてご活躍中で、Facebookの投稿にいいね!したことがきっかけで、メッセージをいただく。
そこでスケジュールの都合が空き、最終的に参加を決意した。世界一周する前、2014年3月にシンガポール出張の時にお会いして以来となる再会で、久々にNLP(神経言語プログラミング、Neuro Linguistic Programming)とコーチングの世界に触れるいいきっかけとなった。
私のこれまでの学びと関心〜NLP、コーチングとの出会い
NLPについては、2008年8月から12月にかけてNLP-JAPANラーニングセンターにてプラクティショナーコース(担当講師は、坂東弘康先生、中田順子先生、芝健太先生)を、2009年6月から9月にかけてマスタープラクティショナーコース(担当講師は、芝健太先生)を修了した。
NLPは「脳の取扱説明書」と説明を受けたが、身体の動きが心に大きな影響を与えるワークを多数学び、それが将来、ボディワーク・ヨガへの興味へとつながっていくことを考えると、私に人生に多大なインパクトを与えたと思う。
同時期(2008年3月から12月)に、THE COACHES INSTITUTE(CTI)の基礎・応用コースも受講し、コーチングの本質に触れる経験をした。結果的には、2008年から2009年の間に、私はNLPとコーチングという二つの柱を集中的に学んでいたことになる。
また、大学時代から愛読していたピーター・ドラッカー(Peter F Drucker)の著作、とりわけ『経営者の条件(The Effective Executive)』において、「人が成果を上げるのは強みによってのみであり、弱みからは何も生まれない」という言葉に出会ったことは、私の「強み」への関心の原点となった。

「強み」への関心は、心理学者のドナルド・クリフトン(Donald Clifton)の研究へと向かう。
「人がうまくできないことではなく、うまくできることを研究する」という問いに感銘を受け、Strength Finder(現クリフトンストレングス)に出会った。
2010年11月にStrength Finder 1.0を受講した際のトップ5の資質は、Maximizer、Activator、Ideation、Connectedness、Learner。

今回、ワークショップへの参加に際して、「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0」を拝読。巻末に、Strength Finder 2.0のアクセスコードがあったので、再受講(2025年6月)。結果は、Learner、Strategic、Ideation、Maximizer、Intellectionだった。
15年ぶりにStrength Finderを受けた中で、私の資質の一部が変化したが、継続しているものもあり、自分自身を見つめ直す手がかりとなった。
第一部:『質問力アップNLPセミナー』──笹原泰さん
第一部のセミナーでは、NLPトレーナーであるGenius Rushの笹原泰さんが「質問力」に焦点を当てたセミナーを開催した。NLPのメタモデルを中心に据えながらも、単なる技術紹介ではなく、その背後にある考え方にも踏み込むセミナーの内容は、私にとっていい復習になった。
以下に印象に残った学びを一覧にして、紹介したい。
印象に残った学び
- 学びの早い人とはどんな人か?
笹原さんが最初に伝えたのは、「素直に話を受け取ること」「実践を前提にシェアすること」が学びの質を高めるという点だった。これは、学びの姿勢として、今の私にとっても改めて大切にしたいポイントだ。 - コミュニケーションスキルの定義が明確だったこと
一般的に「話せる=コミュニケーションができる」と誤解されがちですが、真のコミュニケーションとは、相手の世界観や意図を理解し、それに合わせて関わることだと説明されていた。特に「必要な意図」をくみ取るという視点は、今後の実践でも強く意識したいと感じた。 - ラポールとは何か?
泰さんは、単に仲良くなるという意味ではなく、「相手が抵抗なく、こちらの言葉を受け取れるような関係性を築くこと」と定義していた。また、NLPのテクニックは、ラポールがある状態とない状態でまったく機能が異なると指摘されたことが印象的だった。 - テクニックよりも『在り方』が大事
私が2008年に学んだNLPは、主にテクニック中心でした。逆にテクニック中心だったためNLPトレーナーを学ぶ関心が薄れていった。今回のセミナーでは「どんな意図で、どんな在り方でその技術を使うのか」が強調されており、NLPの倫理性や関係性の重要性を再確認。NLPの魅力を改めて感じた。 - メタモデルの本質とは?
メタモデルとは、人の体験に関する深層の情報が、言語化される過程で削除・歪曲・一般化されることに着目し、それを質問によって解きほぐすモデルの一つで、NLPの初期のモデルだ。ラポールなしで質問をすれば、尋問になってしまうリスクが高い。常に相手の選択肢を広げる意図で用いる必要がある。 - コーチングとの架け橋としてのNLP
単なる技術紹介にとどまらず、コーチングとの接点を意識して伝えてくださった点が非常に良かった。コーチとしての関わりの質を高める上で、NLPの視点は有効な補助線になると再認識した。
第二部:『ストレングス探求ワークショップ』──佐藤恵理さん×林田真実さん
午後のセッションでは、「資質を通じて自分を理解し、コーチングに活かす」をテーマに、恵理さんと林田真実さんのお二人がワークショップをリードした。
こちらについても、学びの要点をまとめる。
学びの要点
- 資質とは何か?
資質とは、自分が無意識のうちに繰り返している思考・感情・行動のパターンであり、それが一長一短を持つものであること。その特性を理解することで、自分の強みをより適切に活かすことができるという考え方に納得した。 - 言葉の意味は人によって異なる
たとえば「Ideation」や「Learner」といった同じ名称の資質であっても、人によってその意味づけや使い方は異なる。まさに“領域(言葉)は地図ではない(Map is not the territory)”というNLPの原則とも重なる視点と感じた。 - 自分を再発見する過程
自分がなぜその行動を取るのか、その背景にはどんな無意識の反応や欲求があるのかに気づくプロセスは、コーチ自身が自分を知るための重要な入り口になる。 - 他者の資質との比較からの学び
参加者それぞれが異なる資質を持っていることで、ワーク中に自然な比較や気づきが生まれた。他者を通じて自分の資質をより立体的に理解することができたのは、このセミナーならではの体験だった。 - グループワークを通じて選択肢が広がる感覚
実際のセッションでは、「目標が揺らいでいるクライアントにどう対応するか」「上司と部下の関係がうまくいっていない場合、どうコーチングで関わるか」といった具体的なシナリオをもとに、3人1組のグループワークが行われた。そこで驚いたのは、同じ状況設定であっても、それぞれが選ぶアプローチがまったく異なっていたことだった。
午後に学んだことは、各自の持つ資質が異なることに由来。まさに「強みのレンズ」を通して状況を見ることで、自分らしい対応が生まれることを体感する機会となった。強みを意識することで、セッションでの選択肢が広がり、柔軟で創造的な関わりが可能になるという感覚を得たと感じている。
終わりに──過去と現在をつなぐ時間
15年ぶりにNLPとコーチングの世界に触れた今回のセミナーは、かつて学んだ知識を現在の自分の感性と統合する、まさに再統合の時間となった。
テクニックや理論だけでなく、「在り方」や「関係性の質」へのまなざしがあったことは、今の私にとって最も必要な学びだったように思える。
最後の懇親会では、様々な方々と情報交換することができ、改めてコーチングの魅力を感じることができた。

再び「強み」と向き合い、「コーチであること」とは何かを問い直す時間を持てたことに、深く感謝している。再会できた恵理さん、そして素晴らしい場を創ってくださった、林田さん、泰さん、黒田美和さん、山口香さんの皆さまに心より御礼申し上げます。