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【N#177】デュピクセントをやめて9ヶ月〜フェリチンの低下、痒み発症、対策

はじめに

こんにちは!東京・渋谷でロルフィング・セッション脳科学から栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。

代官山のマイコホリスティックスキンクリニックの院長の山崎まいこ先生のお勧めもあり、2週間に1回の注射剤・デュピクセント(モノクローナル抗体、分子標的薬)を開始。1年かけて治療(2023年8月に終了)を行なった。

2023年末までの取り組みについては「アトピー性皮膚炎の治療(総括編③)〜デュピクセント+食事+睡眠+内視鏡検査」にまとめたので、ご興味のある方はチェックくださいね!

デュピクセントの治療を終えてから9ヶ月〜痒みが戻る

デュピクセントの治療を終えてから、半年間(6ヶ月間)は、ステロイドをほとんど使用せず。経過良好だったのだが、2024年3月に入り、アトピー性皮膚炎の症状が出現。

まいこ先生によると、ほとんどの方は、デュピクセントを1年間継続的に投与すると、ぶり返すことがほとんどないらしいが、私は不運なことに、半年経過した時点でぶり返してきた。なかなか、痒みが解消されなかったので、2024年3月頃にステロイドを使用開始。1ヶ月間、ステロイドにお世話になる生活に戻った。

原因はなんなのだろうか?まいこ先生に再度、血液検査を依頼。2024年4月23日(4ヶ月ぶり)に実施した。

フェリチンの値が低下している!

2024年5月7日、血液検査の結果が出た。中性脂肪の値が2倍と高くなっていることが気になったが、脂質値は分子栄養学的に適値に収まっている。一番気になったのが、フェリチンの値。80.4から57.6に低下しているのだ。

まいこ先生によると、アトピー性皮膚炎の治療で、フェリチンの値が低くなると、痒みが出てくる可能性が高いらしい。

フェリチンとは、鉄を貯蔵する蛋白質のの一種。このため、血清中の鉄の濃度を維持していく上で重要な役割を果たす。そして、鉄が不足する場合「フェリチンの減少 →血清鉄の減少 →ヘモグロビンの減少」の順で、フェリチンから減少。このため、貧血の指標の一つとして使われる。

酸素を運ぶ上で、赤血球の中のヘモグロビンは重要な役割を果たすが、ヘモグロビンの構成ミネラルに鉄が使われる。フェリチンが足りなくなると、皮膚や粘膜に酸素が運ばれなくなるため、酸素不足へ。健康な粘膜・皮膚が作られない、再生されないことから、アトピー性皮膚炎の症状が出るのだ。

フェリチン値の低下は、亜鉛の取りすぎと筋トレ

今回、まいこ先生を通じて分かったこととして、
1)亜鉛の取りすぎて(例 50mg程度)、鉄を取らないと、鉄が消費され減っていく
2)筋トレによって鉄が消費される
が挙げられる。

以下、説明したい。

なぜ、亜鉛を摂っているのか?

実は、亜鉛とアトピー性皮膚炎には深い関係がある。

皮膚炎に重要な役割を果たしているのは、人の身体にとってエネルギーの大元となるATP(アデノシン3リン酸)だ。通常、ATPは、細胞の中にあるのだが、物理的接触や外部ストレスなどの刺激によって、細胞の外へ出てしまう。外に出ると、炎症を引き起こすことが知られており、皮膚細胞からATPが出ると、皮膚炎が起こる。

本来、ATPは、酵素によって速やかに分解されるが、亜鉛が少ないと、酵素の働きが弱くATPの分解が促進されない。それで皮膚炎もさらに進んでしまう。実は、身体の中でATPが多いのは身体を動かすためにATPをエネルギーに使う筋肉だが、皮膚にもある程度の量がある。なんと、皮膚に存在する亜鉛のうち7割が、皮膚の一番外側の表皮にあると言われている。皮膚炎が起きると、皮膚の表皮がすぐに剥がれ落ちてしまうため、亜鉛が失われる。

この亜鉛が、痒みによって使われていることを考えると、亜鉛のサプリメントを補充することで、この値を上げていくことが必要となるのだ。

そこで、亜鉛を50mg程度取っているのだが、そこは鉄とのバランスも重要になってくる。

何と、筋トレによって鉄が消費されている可能性あり!

もう一つは、筋トレによって鉄が消費されている問題。最近、筋トレを週3回行っているが、特に、持久系のトレーニングの最中に汗をかく際に、痒みが出てくるケースがあり、しばらく様子見という印象だ。

炎症の指標〜TARCとIgEの変化

救いだったのは、アレルギーの指標の一つ、IgEの値が、1年前(2023年3月)に比べると(22 IU/mL→48 IU/mL)それほど上がっていないし、TARCも124 pg/mL→552 pg/mLと思ったよりも上がっていない。

自律神経のバランスは良好

最後に、自律神経系のバランスを見る、リンパ球と好中球の割合だが、リンパ球が28.9%→26.2%、好中球が57%→61.5%と、思ったより影響が少なかった。

鉄(フェリチン)の値が低い〜サプリを補充

今回も対策として、「フローラディクス(FLORADIX)」を取り入れることになった。

前回、3ヶ月間、鉄のサプリの補充に取り組んだ結果、フェリチンが77.5→112(と亜鉛も70→ 95)の値になり、大幅に改善している。その上で、アレルギーの指標となるTARC、IgEの量に変化がないことから、鉄と亜鉛が身体に取り入れられた。

これを期待して、今回は、摂取量を前回の3倍に増量(前回は10mL、今回は30mL)。どのように変化するか経過観察していきたい。

まとめ

今回は、デュピクセントの治療を終えてから9ヶ月後、身体内の変化についてまとめた。

デュピクセントは、素晴らしい薬だということは間違いないが、痒みが完全に引くわけではなく、分子栄養学的アプローチも必要になることが少しでも伝わればと思います。

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