【Y#27】タリック先生の2015年ワークショップ(1)
2008年4月から練習しているマイソール東京で久々にタリック(Tarik Thami)先生によるワークショップが開催された。タリック先生とは、長きにわたって指導を受けていたのだが、今年の前半サバティカルという形で一度仕事を離れ世界を旅。ある意味で私と同じような境遇にあった。帰国し東京での指導に復帰したのが2015年7月。2015年8月30日にワークショップを開催したので参加してきた。
アシュタンガヨガのポーズ、プラーナヤーマ、ヨガスートラについてスタジオにて何度か参加、おまけにリトリートとして過去に3度(高野山(2010年7月)、フィリピンのボラカイ島(2012年10月)、野沢温泉(2013年11月))に参加。タリック先生のワークショップは馴染みのあるものだった。そうはいうものの、しばらくタリック先生のワークショップから遠ざかっていることもあり、自分の今行っているマイソール式=自主性のある練習から客観的に見る上でも久々に参加するはいい機会だと思って2015年8月30日、午前7時〜午後9時40分の2時間半に渡るワークショップに参加した。日曜日にもかかわらず40人ほどの参加者。練習熱心の仲間に囲まれていると改めて感じることができた。
今回のワークショップのタイトルは、「アシュタンガヨガの基本: トリシュターナとヴィンヤサ」。
最初の1時間は座学に当てられた。その内容について箇条書きで書きたい。
- アシュタンガヨガの創始者のグルジは、「99%の練習と1%の哲学」といったが、実際は、1%ではなく10%哲学と言ってたらしい。
- アシュタンガヨガの先生として、これから伝えることは、自分が体験したことベースにあくまでも私の個人的な意見であるということであり、ヨガにおいては、自分で判断することも重要である。
- ヨガにおいては心の柔軟性が重要であるということなので、それを養うためには、自分で色々と試すこと。アシュタンガヨガの日々の練習ではそれが手助けしてくれる。ヨガのポーズは瞑想の準備のためのもの。だからこそ、心を安定するために意識的な練習が大切。
- アシュタンガヨガにおけるトリシュターナの考え方を知ることが大事。トリシュターナにはドリスティ、アーサナ、呼吸の3つから構成。
- ドリスティについて:ドリスティは、目線。アシュタンガヨガには9つの異なるドリスティがあり、正しいドリスティだと、頭・首がまっすぐとなり安定する。ドリスティを行う際には、緊張しやすい首の影響を考えること。ドリスティははっきり見るよりもリラックスの状態を目指す。
- 呼吸について:ポーズの開始から最後まで呼吸の呼気と吸気のリズムは均等にする(1、2、3、4カウントでリズムをとるといい)。最初は呼吸を意識するため、音を出すのがいいが、練習を継続すると隣にはまで聞こえない程度まで静かな呼吸になっていく。グルジはウジャイ呼吸とはいわず、Free breathingといってたらしい。呼吸は力まず、自然の呼吸が大事だけど意識が必要。その際に、ウディアナ・バンダ、ムーラ・バンダへの意識が大事。呼吸というのは、現実・真実、今ここ。アシュタンガヨガの練習のいいところは、呼吸のリズムを調整できること。体調によって(例えば、だるい状態、落ち着かない状態等)呼吸をゆっくり・早くすることも練習に取り入れるといい。呼吸法によって精神的に影響を受けることがわかる。
- バンダについて:バンダは最初は何かわからない。コアを安定させるためにある。バンダが使えるようになると、軽くなる、強くなる、腰が守れるようになる。ウディアナ・バンダは丹田。ムーラ・バンダは肛門を締め付けることで意識する。
- アーサナ・ヴィンヤーサについて:アーサナは土台、安定性が大事。土台を作ってからポーズを組み立てていく。身体全体を意識する。アーサナはヨガの乗り物と例えることができる。基本アーサナは、呼吸とともに動くという意味のヴィンヤーサが大事。正しいヴィンヤーサを行うためには集中力が必要。呼吸が主人公、動きはそれに従う。アーサナは柔軟性よりも意識力が大事。それが瞑想につながっていく。レッドクラスでの呼吸のカウントは合わせなくてもOK。ヴィンヤーサの意義は、熱を作ること。鉄を曲げられる柔軟性が出てきて、汗とともに身体の浄化(リンパ・血液の循環を促す)。ヴィンヤーサは繰り返すから練習に癖として現れやすい。
このような形で1時間の座学の後、スリアラマスカーラA/Bのそれぞれのポーズでどこに中を向けるのか?の説明を行い、練習しながらチェックしていった。スリアラマスカーラA/Bを通じて、上記のドリスティ、アーサナ、呼吸が確認できるので、これから練習の中には是非とも丁寧に入念に行うことの大切さを学んだと思う。
これからも日々のアシュタンガヨガの練習が続く。今後の気づきも楽しみだ。