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【J#120】しまなみ海道を越えて──大三島・今治・石鎚の神々を巡る旅〜愛媛・高知の旅③

はじめに

こんにちは。渋谷でロルフィング・セッションや脳科学に基づいた講座を提供している大塚英文です。

四国・松山と高知を巡る5泊6日の旅も、いよいよ折り返し地点となる3日目(2025年8月4日)を迎えた。前日は四万十川の上流域から宇和島、松山を経て、自然と歴史が交錯する「川」と「石」の巡礼を果たした。

3日目は、神社巡りと、昨年(2024年)、伺うことのできなかった、今治市のタオル美術館を巡ることにした。

出発──今治「ITOMACHI HOTEL 0」から

この日の朝は、今治市の郊外、新居浜との境に近い「ITOMACHI HOTEL 0」から出発した。午前8時に、チェックアウトを済ませ、今治市内にある「タオル美術館」へと車を走らせた。

到着したのは午前9時すぎ。美術館の開館時間(9時30分)にはまだ間があったため、急遽予定を変更し、先にしまなみ海道を北上して「大三島」へ向かうことにした。

しまなみ海道を走る──大三島へ

しまなみ海道は、瀬戸内海に浮かぶ島々を結ぶ美しい橋の連なりである。昨年も、松山市から広島へ向かう途中にも通過した有料道路だ(下記は来島海峡PAから見た橋の様子)。

車窓から見える海と空の青、そして橋の白い構造美が織りなす景観は、旅の目的地へと至る道そのものを「目的」に変える力を持っている。

並走して自転車道もあり、炎天下にもかかわらず、自転車を走らせる人も見かけた。今回は、一気に本州へ行くのでhなアク、途中の大三島ICで下車。

向かったのは、今治市の大三島の中央に鎮座する「大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)」だ。この神社は、全国にある山の神・海の神を祀る神社の総本社であり、創建は2000年以上前とも伝えられる。

御祭神は「大山積大神(おおやまづみのおおかみ)」──天照大神の兄神にあたる存在であり、日本神話の中でも非常に重要な自然神である。神武天皇の御東征に先駆けて四国に渡った大山積大神の子孫である小千命(おちのみこと)がこの大三島に勧請鎮祭したと言われており、宝物館に、その家系図が展示されている。

境内には、樹齢2600年を超える御神木の大楠がそびえ立ち、境内の雰囲気の良さを感じた。また、宝物館には源義経や武将たちが奉納した刀剣や甲冑が数多く展示されており、ここが「戦いと自然、祈りの交差点」であったことを物語っている。

今治へ戻る──タオル文化の美術館へ

大三島を後にして、今治へ戻る。今治と言えば、世界的にも知られる高品質な「今治タオル」の生産地である。その象徴的な文化施設が「タオル美術館」であると言える。

開館時間を過ぎ、ようやく訪れることができた館内では、タオルという身近な素材をブランディングして、美術館として展示している点、印象的な場所だった。美術館というより、高級タオルショップで、今治タオル以外にも様々なブランド品が販売されていた。

今治タオルのブランディングに貢献した、デザイナーの佐藤可士和さんによると、かつて今治には500社以上あったタオルメーカーが、中国製の廉価品の台頭により徐々に淘汰され、230社まで激減したという危機的状況があったとのこと。 

その状況を打破する目的で、国の「JAPANブランド育成支援事業」に認定され、ブランディングプロジェクトが本格始動。可士和さんは、実際に今治タオルを使用して「今治」と産地情報が記されていないことに気づく。「どこのタオルかわからない」ではブランドにはならないと考え、白・赤・青を基調としたロゴを作成。

さらに、12項目にも及ぶ厳格な品質基準を設け、それをクリアした製品だけが「今治タオル」ブランドを名乗れる仕組みを導入することに成功する。

今治タオル工業組合の各社が競合する関係にありながら、同じロゴ・基準を共有し「今治タオル」のマスターブランドを構築していった。当初は異論もあったが、共通の方向性に向かい続けたことが、産地としての一体感とブランド力を一挙に高めていく

美術館の中で、印象的だったのは、ムーミンの物語をモチーフにしたタオルが販売されていた点だ。他にもスヌーピー、コナンといったアニメキャラを使ったタオルなども販売されており、タオルを全国に向かって発信していく姿が非常に興味深かった。

石鎚神社へ──石鎚山の玄関口「口之宮 本社」を訪ねて

次に、車を西へと走らせ、石鎚山信仰の中心地である「石鎚神社 口之宮 本社」を目指した。石鎚山は、西日本最高峰の霊峰として、古くから山岳信仰や修験道の聖地とされてきた。その登山口に位置するのが「口之宮 本社」である。

境内に足を踏み入れると、荘厳な空気とともに、石鎚山を仰ぎ見るような神聖な静けさが広がっていた。奥には神門と拝殿が鎮座している。

車を走らせている途中、急な雨のため、どうなることやら、、、と思ったが、階段を登って頂上に到着する頃には、太陽が出てきてほっと一息。

今回は、山に登らなかったが、ここで手を合わせることで、自然と人とのつながりを深く感じられる場となった。

再び石手寺へ──四国霊場51番札所

松山市に戻る道中、ふと「もう一度訪れたい」と思い、再度「石手寺」に立ち寄ることにした。四国八十八箇所霊場の第51番札所である石手寺は、国宝の仁王門をはじめ、多くの文化財と霊的な空気に包まれた場所である。

特に印象深かったのは、昨日、伺うことのできなかった、境内奥にある「曼荼羅洞窟」である。暗闇の中を手探りで進むその道は、まるで内面の闇と対話するような、現代における「心の巡礼」のような体験となった。弘法大師ゆかりの地としてだけでなく、人間の奥底と向き合う場として、今も生き続けている寺である。

是非ご興味のある方は、宝物館とともに、チェックいただきたい。

【参考】
▶︎ 石手寺公式サイト:https://88shikokuhenro.jp/51ishiteji/

まとめ

このように、旅の3日目は、瀬戸内の神社仏閣、タオルのブランディングなど、予想外に多くの収穫があった。ここで、旅はひと段落。4人のうち、一人は東京へ戻り、明日からは3人に加え、明日(2025年8月6日)に開催される坂村真民さんのイベントに参加するメンバーも合流する予定だ。

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