【Y#18】TaoZen Workshopへの参加(1)〜瞑想(1):欧米とマインドフルネス
今、瞑想は世界的に注目され、企業でもグーグル、インテル、ナイキ、ツイッターなどが瞑想法の一つ「マインドフルネス」を取り入れている。欧米諸国では一つのムーブメントになっており、TIMEやHarvard Business Reviewでもマインドフルネスの様々な効果が特集されているという。
なぜ、経済的に豊かになり、必要とされるものがすべて入手することができる欧米諸国で、一つのムーブメントになっているのか?そして、その中でなぜ、マインドフルネスが取り入れられるようになっているのか?
サンガ編集部の「グーグルのマインドフルネス革命:グーグル社員5万人の「10人に1人」が実践する最先端のプラクティス」によると、マインドフルネスとは、
「瞬間、瞬間、今という時間に気づくこと。好奇心や親切な心、思いやりの気持ちに満ちたもの」
という。意識を光(スポットライト)に例えて考えた場合、意識のスポットライトを今ここ(Here and Now)に当てるということになる。
仏教に由来するマインドフルネスを含めた瞑想を宗教色をできるだけ排除した形で、誰にでも受け入れられやすくするにはどうしたらいいのか?ということをグーグルは取り組みながら、2007年からマインドフルネスに取り組み始めた。現在では、全社員の5万人のうち5,000人の社員が、世界の33箇所のオフィスでこのトレーニングを受けているという。
マインドフルネスに取り組むメリットとして、
- ストレスが軽減され、仕事の生産性が上がる。
- 感情のコントロールができるようになり、感情的な判断ミスをしなくなる。
- 思いやりの気持ちが育ち、チームワークが向上する。
- アイデアが湧く脳になり、想像力が高まる。
が挙げられる。科学的な実証も伴っているということが欧米で信頼を勝ち得ている一つの要因という。
ビジネス分野への広がりは、2000年頃から始まったらしい。マインドフルネスが心身の病気を持つ人を癒すのみならず、一般の人たちの心や健康や能力開発に効果があることがわかったからだ。そして、2012年からマインドフルネスが世界経済人が集う、ダボス会議で取り上げられるようになり、2013年から企業やビジネススクールにおいてトレーニング導入例も取り上げられるようになってきているとのこと。
現在、アメリカで盛んになっているマインドフルネスのムーブメントは、1960年代エサレン研究所(【RolfingコラムVol.94】、【RolfingコラムVol.95】参照)で取り上げたヒッピー、カウンターカルチャーの人たちとは無縁で進んでいるところに特徴があるらしい。これからどのようにビジネスが瞑想とリンクして進んでいくのか?注目していきたい。
2011年に私もクリパル・ジャパン〜Yoga of Lifeの「瞑想の基礎」(【YogaコラムVol.2】参照)や2013年にSarah Powersの陰ヨガワークショップを通じて(【TarotコラムVol.9】参照)瞑想を学ぶ機会に恵まれた。現在までに細々と瞑想を続けているものの、なにかしっくりこない感じがしていた。
私の瞑想のイメージは「心がリセットされる」「物事をシンプルに考えることができるようになる」等が挙げられると思う。そうはいうものの、この得体の知れない瞑想というものを、世界一周の旅を終えた後、もう少し学べればと思っていた。
帰国後、TaoZenの説明会に参加したのをきっかけとして(「TaoZenの説明会に参加して」参照)、チネイザン・プラクティショナー・コースが始まる前に「TaoZenモーニング・プラクティスとロータス瞑想」の2日間(2015年6月6日と6月7日)参加することができた。
大内雅弘さんの講習に興味を持つようになったのは説明会後に手に取ってみた「1分瞑想」と長年にわたって米国・ニューヨークでマーケティング会社を経営されながら、瞑想や太極拳・気功などを体系化、米国・ヨーロッパ・アジアで教えてきたという経験と国際的な視点だ。
「1分瞑想」という本は非常にわかりやすく、瞑想のことを
「ココロとカラダを静かにして、自分の中に何が起きているのか、ありのままを観察し続ける」
と定義。長年の歴史の中で培われていた人間の知恵として、生き方の姿勢が変わっていくとのこと。そして、瞑想は生きるための「アート」と呼ぶ。決して展示会で展示されるわけではなく、その場で消えてしまうアート。しなやかで決して折れないココロの強さを養ってくれるという。
前置きが長くなってしまったが、次回「TaoZenモーニング・プラクティスとロータス瞑想」の模様について少し紹介したい。