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【B#155】「竹倉史人さんのお話会」に参加して〜発想の原点を知る

はじめに

東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・睡眠・マインドの脳活(脳科学活用)講座を提供している大塚英文です。

みつる堂でお話会が開催〜参加した理由

2024年2月11日(祝)、三軒茶屋駅から徒歩圏内にあるみつる堂で「竹倉史人さん『土偶を読む』 お話会」が開催された(「竹倉史人さん「土偶を読む」お話会に参加して」参照)。

独立研究者としてご活躍中の竹倉さん。竹倉さんは語り手として超一流で話がわかりやすい。普通の研究者は、難しいことを難しく語る傾向が強いが、竹倉さんは、難しいことをわかりやすく語ることに長けている。

なぜ、ぞれが可能かというと、恐らく、本質的なところを見ているからだと思う。竹倉さんの専門は人類学。「人類とは何か?」を追究していく中で、知識偏重の世の中に警鐘を鳴らしていて、身体の感覚で学問の理解を深めていくことが不可欠だと語るところが素晴らしい。

ただし、前回のイベントでは、本の内容を超えて語られることが少なく、どちらかというと、竹倉さんを囲んだ食事会で、語った直感を活用していることが印象的だった。竹倉さんは「アブダクション」の研究の方法を重視していること。参考に「アブダクション」とは、直感から仮説を出し、データを集め、解析していく方法だ。

直感の活用や、ひらめき等については、本では語れない内容。次回の4月(2024年4月6日(土))に、公には語れない裏のお話会である「竹倉史人さんのお話会」を開催するから、その時に語るよ!と話が中途半端に終わってしまった。ぜひとも、竹倉さんの発想の源を伺いたいと思い、今回も参加することになった。

「輪廻転生」を読んで〜心霊主義の考え方

今回の竹倉さんのイベントに参加に際し、なぜ「輪廻転生」の本を書いたのか?知りたくなり「輪廻転生〜私をつなぐ生まれ変わりの物語」を事前に読んだ。

竹倉さんの修士論文をまとめた一冊。「人間が亡くなったらどうなるのか?」「生まれ変わりはあるのか?」の疑問に、難しい学術的な修士論文で発表されたとは思えない程のわかりやすく語られていた。せっかくなので、この本のエッセンスを紹介したい。

「生まれ変わり」を「主体としての<私>が肉体的な死を経験した後に、別の身体を持って再生すること」と定義。その上で、「生まれ変わり」を、再生型、輪廻型、リインカーネーション型の3つに分けて語られている。

再生型とは、転生が自分の家族や親族の限定されており、祖霊信仰の考え方と結びついている。世界中の民俗文化で認められる思想で、人間はあくまで自然の一部として考える。死後は、祖霊界へ赴き、しばらくそこに滞在したのちに、再び自分の親族内に戻るという「循環」を基本とした考え方をする。

輪廻型とは、インドを起源にする思想で、ウパニシャッド、仏教、ジャイナ教、ヒンドゥー教等に登場する。来世生まれ変わるかどうかわからず「流転」がキーワードになる。実際、人間の世界に転生すること自体いいとは限らない。肉体に束縛され、欲望と苦悩に支配されるからだ。つまり、理想郷へ脱出することが理想とされる。

この2つの考え方はお馴染みの考え方だったが、3つ目のリインカーネーション型は、私にとって新しい考え方だった。

リインカーネーション型は、リヨン生まれの教育学者のアラン・カルデックが1857年の「霊の書」に造語でリインカーネーションという言葉を使ったという。当時、フランスの社交界では、<霊>との交流がブームになっており、薄暗い部屋で集い、<霊>との交流を楽しむ交霊会が開催されていたらしい。

フランスだけではなく、19世紀の欧米社会で広く見られたこの流行を「心霊主義」と呼び、レ・ミゼラブルのユーゴ、シャーロックホームズのコナンドイル、真空放電管を発明したクルックス、放射線物質を発見したキューリー夫妻等が参加していたという。

この思想の背景となったのは、フランス革命に伴って起きたカトリック教会の信頼の失墜。唯物論や無神論は、社会秩序を破壊することを知っていた教養人は、神、教会、聖職者に依存しない、輪廻転生の考え方に対し、魅力を感じた。

心霊主義は、シュタイナー教育のルドルフ・シュタイナー、催眠を活用したエドガー・ケーシー、アメリカで流行したニューエイジ運動、そしてスピリチュアリティ文化にも影響を及ぼすことになる。

他にも、ヴァージニア大学医学部で行われている前世の記憶の研究の紹介もあり、この分野についてご興味のある方は、ぜひ手に取っていただきたい本だ。

お話会の内容〜公にできないことを中心に

今回の竹倉さんのお話会は、午後4時から午後6時15分までの長丁場。スライドもない一人語りだったがあっという間の2時間15分。トイレ休憩もない、時間もあっという間に経つ、本当に素晴らしい公演になった。

内容は、学問には興味がないが、本質的な疑問には興味があることから、ふとしたきっかけから生まれた「人間は死んだらどうなるのか?」という疑問。そこから「輪廻転生」のテーマを選んで、さまざまな方々に対する聞き取りから、最終的に修士論文にまとめたこと。

興味を全く持っていなかった「土偶」に対しても、観賞用ではなく、縄文時代に呪術に使っているのではないか。縄文時代の精神世界がわかるのではないか。という発想から「土偶を読む」が生まれたこと等を紹介した。

そのプロセスについては、公にできないこともあり、ここでは説明を割愛するが、ユニークな発想は、何事にもとらわれないマインドや身体感覚が重要なのは確か。直感やひらめき、目に見えない神の力、瞑想、身体を整えること等、いろいろなことができる。竹倉さんの話を通じて、様々な発想法を学んだ気がする。

ぜひ、どのようにして新しい学問や発想が生まれるのか?知りたい方は、竹倉さんの裏の「お話会」に参加することをお勧めする。

まとめ

最後に、食事のテーブルに移動。竹倉さんを囲んだ食事会へ。みつる堂さんの自然食とともに、あっという間に午後8時半になってお開きとなった。

最後に、この場を借りて、主催いただいたみつる堂、演者の竹倉さんを含め、参加した皆さんに御礼を申し上げたい。

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