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【N#114】第17回・直立歯科医学研究大会に参加〜歯の噛み合わせ治療の基本原理を知る

はじめに

こんにちは!東京・渋谷(恵比寿)でロルフィング・セッションと栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。

研究大会に参加した理由〜熊谷先生と岩前先生との出会い

2022年10月22日と23日
「第17回・直立歯科医学研究大会」が開催されたので、
東京工業大学(東工大)・大岡山キャンパスに伺った。

東工大に行くのは初めてだったのだが、
何と、国内外の学会に参加するのは、10年ぶりとなる。

私は、昨年の4月から「統合医療実践グループ」に参加している。
そこでは、統合医療を実践している医師、歯科医師、薬剤師、看護師を含めた医療従事者が中心となって、週1回、ズームでセミナーを行なっている。

ズームセミナー以外に、オフサイトで同グループの合宿が開催されたこともあり、安曇野淡路島の2回参加した。
安曇野と淡路島で、歯科医師の熊谷倫恵先生(以下熊谷さん)と出会う。

そして、熊谷さんを通じて、日本直立歯科医学研究会の存在を知り、
昨年末の同グループの忘年会で同研究会の岩前里子先生(以下岩前さん)と仲良くなった。

翌年(2022年)5月頃に、妻・亜希子と
「ANAのマイルが溜まっていて有効期限があるから使いたいよね!」
と話しており、
「それならば札幌にいこう!」
「その際、熊谷さんの治療を受けよう!」
と思って、マイルを使って札幌へ。

熊谷歯科医院で治療となった。

歯の噛み合わせの治療を受ける@札幌(熊谷歯科医院・熊谷倫恵先生)

2022年7月25日と26日の2日間、同歯科医院でお世話になった(詳しくは「姿勢を良くする噛み合わせ歯科治療①〜札幌への旅(2)+レントゲン検査」参照)。

椅子を倒しながらの姿勢で歯科治療を受けるのが普通だと思うが・・・。
熊谷さんの治療の特徴は、時々立位の姿勢で、爪楊枝の形をしたものを上顎と下顎との間の歯に挟み姿勢の変化を見ていくこと。

熊谷さんは、これを「顎ズレ治療」(もしくは「体を真っ直ぐにする噛み合わせの治療」)という名前で呼んでいるそうだが・・・。
「噛み合わせがどうなっているのか?」「どちらに偏っているのか?」
最終的に上下のマウスピースを作成し、食事以外装着する。
そのことで、徐々に身体がバランスの良い噛み合わせを見つけていく。
そして、結果的に姿勢も改善していくのだ。

マウスピースのメンテナンス治療を受ける@銀座(岩前里子先生)

札幌でマウスピースを作成した後、月1回・メンテナンスが必要とのこと。
月1回、埼玉で開業している歯科医師の岩前さんが銀座にお越しになることもあり、2回(2022年9月18日と10月16日)に受けた(「身体が噛み合わせに与える影響〜月1回のメンテナンス」参照)

実際の開発者の岩前さんからの治療は本当に面白く、
後頭骨を持ちながら、マウスピースの上にレジンを少しずつ盛っていくのだが、
盛っていくごとに、首の可動域が変わっていくのが、すごく興味深く。。。
歯の噛み合わせによって、首が楽になり、内臓が整っていくという感覚をすごく感じることができた。

メンテナンスを受ける1週間前から、後頭下筋や胸鎖乳突筋を含めた首の周辺のコリを感じるようになったのだが、それが首をマッサージなしで、柔らかくなっていくのは、すごい!と実感した。

治療から3ヶ月が過ぎたが、
1)身体の体温が上がり、代謝が上がったこと(たくさん食べてもそれほど体重が増えない)
2)背筋が伸び、左右のバランスが整い、呼吸が深まったこと
3)舌が上顎(口蓋)に乗るという感覚が初めて掴めたこと
4)口腔から咽頭にかけての空間が広がったこと
等があり、パソコン作業をしていても疲れなくなった。

「マウスピースはどのような経緯で開発されたのだろうか?」

熊谷さんから紹介いただいた
歯科医師の臼井五郎先生の「下顎平衡機能から考える直立二足歩行と歯科医療」を拝読。
「マウスピースの基本原理を知りたい!」
という思いが強くなり、今回の同研究大会への参加を決めた。

マウスピース(SAA)の基本原理を知る〜初日の発表

初日の模様に入る前に、事前に書物で知った情報を中心に書きたい。

基本的には、
5キロの頭からぶら下がっている1キロの下顎は、それぞれ違った動きをする。
動きが違った上下の歯の噛み合わせがいいと、歯にダメージを与えることない。
その場合は、歯が動きに対する「緩衝材」になってくれる。

しかしながら、空間的に歯の噛み合わせが悪く、慢性的にぶつかり続けると、歯の部位に穴が開く、歯が折れる、歯茎が腫れる、歯がぐらぐらするという現象が起きてしまう。

歯の上下は、筋膜で全身につながっているので、噛み合わせによっては筋膜を通じて、身体が捻るようになり、内臓にも影響していく。

私は、筋膜へのアプローチを通じて、身体を整えていくロルフィングのセッションを提供していて、口腔内の筋肉も緩めるので、歯の噛み合わせの大切さはわかっているが、このような考え方って、歯科では主流の考え方ではないらしい。
それに、すごく驚いた。

やはり、専門分野別に学問が分かれていると、全体的に物事が見えなくなるのでしょう。
そのように感じながら、初日の研究大会に臨んだ。

初日(10月22日)の内容を一言で言えば、
「基礎的な内容は、臼井先生が紹介し、岩前先生は臨床現場で、どう知識を落とし込んでいるのか?」
だったと思う。

岩前さんの講演では、頭の位置が良好になると、全身の筋膜の緊張が安定し、全身が整った状態へ、脳の血流も改善、認知機能が低下することなく、血圧も安定していくという話や、マウスピース(研究会の中では、SAA、Swing Activator Applianceと呼ばれている)を使うと、どう身体が変わっていくのか?様々な症例を挙げながら、改善していった事例を示していった。

臼井先生の講演では、動きが違った上下の歯の噛み合わせが、人の一生でどう変化していくのか?
なぜ、高齢者は右に偏っている人が多いのか?人間はなぜ、非対称性になっているのか?人類学の知見を交えながらの内容は、圧巻の一言。

臼井五郎先生が新刊を出すとのことなので、それを楽しみにしつつ、初日が終わった。

メガネ+マウスピースの使い分けを中心に学ぶ〜2日目の発表

翌日(10月23日)は、午前9時45分から午後4時まで。昼休憩を挟んで、びっしりとした内容。
歯科衛生士の話、マウスピースを使った臨床例といった内容を含め、学ぶことが多かった。

特に面白かったのは、
イノチグラスの灰谷孝さんと歯科医師の矢島由紀先生の講演
だった。

メガネの中に
1)「カラー」を入れることで、体幹のバランスが変化する
2)「プリズム」を入れると、前後のバランスが変化する
3)「度数」を変えると、左右のバランスが変化する
なぜ、このようになっているのか?
灰谷さんの講演では、イノチグラスの、基本的な原理を3つの視点から学ぶことができた。

一方で、矢島先生の方は、灰谷さんの1年間、マウスピースとイノチグラスを使った治療を行った症例報告だった。
マウスピースを使うと、人間の重心に変化が起こる。
そうすると、イノチグラスが合わなくなってくるという。

現に、3回、新しくイノチグラスを作り直した理由もよくわかったし、
かつ銀歯をとった治療も行ったことによる、精神状態が悪くなったこと等、
分子栄養学的に見ても辛い思いをされたのではないかと推察できるようなことを思い出しながら、
前のめりになって矢島先生の講演内容を聞いていた。

私もメガネとマウスピースを両方併用して、治療を進めているので、私の中でヒントとなることもあり、
すごく役立つ内容だった。

まとめ

2日間の模様について、詳細をまとめさせていただいた。
歯の噛み合わせと身体のバランスはもっと、追究されてもいい内容。
今後とも、日本直立歯科医学研究会の動きは追ってみたいと思った。

このような研究会の存在を教えていただいた、岩前さん、熊谷さんを始め、
今回、色々な方とご縁をいただくことができた。

改めて感謝を申し上げたい。

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