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【B#70】人工知能と未来(3)〜言葉を理解し、コミュニケーションをとること

人工知能と未来については2回にわたって紹介している(「人間と人工知能のそれぞれの強みをどう理解するか?」「人の強みはチームワーク、意思、少ない情報から学ぶ」参照)。

 
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1回目は、将棋と人工知能、人工知能はどのような仕事を奪うのか?仕事がなくなった後にどのような教育が必要なのか?ベーシックインカム、ITの大手企業の取り組み等について、「LIFE SHIFT〜100年時代の人生戦略」に書かれているように100歳まで生きるという前提でどのように人生を設計するのか?の読後感想を含め「人間と人工知能のそれぞれの強みをどう理解するか?」で紹介。
2回目は、「人ができて、人工知能にできないことって何か?」という問題意識の下、人間が得意とするのはチームワークであり、コミュニケーションであるということを取り上げ、
ボストン在住のサイエンスライター・吉成真由美さんのインタビュー著書「知の逆転」にて
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マービン・ミンスキーの言葉の以下の言葉を紹介した。
「問題は、研究者が、ロボットに人間の真似をさせることに血道を上げていること、つまりたんに「それらしく見える」だけの表面的な真似をさせることに夢中になっている、というところにあります」
「チェスの場合、単に可能な手を検索し尽くすというだけで、人間の対戦者を負かすことができるのです。人間にとって難しいことは、コンピュータにとって朝飯前で、人間にとって易しいことは、研究の対象として無視されてきたわけで、全く変な話です」

「人間にとって易しいこと」って何か?
ズバリ、言語を理解しコミュニケーションをとることができること
だ。

そこで、
「人工知能は人間の言葉についてどれくらい理解しているのか?」

の謎について
長年言語学者として活動している川添愛さんによる著書「働きたくないイタチと言葉がわかるロボット
を紹介したい。

同書はストーリー展開で
「機械=人工知能が言葉を理解するとは何か?」
について書かれている。
もっとも興味深かったのは、人間と言葉との関係で、機械がなかなか難しいと思われる3つの事柄のまとめの箇所。
1)人間は言葉を習得するとき、生まれた後で接する言葉だけを手掛かりにしてるわけではない→「生まれ持った能力」が関わっている(機械は大量のデータが必要)。
2)人間は「言葉についてメタな認知を持っている」。人間は、言葉というものは何かを表すものであるということを産まれながら認識できるということ(機械は言葉を言葉として理解することができないので、工夫が必要)。
3)人間は他人の知識や思考や感情の状態を推測する能力を持っている。他人も自分と同じように心を持っていることを認識し、自分の立場からではなく、相手の立場からも考えることができる(機械は話された言葉から、話し手の意図を推測するのが苦手)。
このような3点から考えてみても、
「言葉の理解から考えると、万能なロボットが本当にできるのか?」
疑問に思えるほど、万能な人工知能はまだまだ先であることが本書を通じて理解することができた。
他にも論理的思考とは何か?話すこと、聞き取ること、質問に答えること等について取り上げているが、コーチングやカウンセリングを職としている方にとっても知って損のない知識が入っている。


地図、時刻表、本、データの処理等、既に知っている知識については検索能力を含め、人工知能に任せるのが得策だが、新しい知識を得ること、他人の気持ちを察すること、行間を読むことが、人工知能でできない理由も含め本書から学ぶことが多い。人工知能と言葉の理解について知りたい方、コーチングに興味を持っている方を含め勧めたい一冊だ。

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