【N#137】睡眠は何に役立つのか?〜記憶の定着、食欲、記憶スペースの確保
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はじめに
こんにちは!東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。今回は、意外と知られていない「睡眠」についてまとめたい。
睡眠は何に役立つのか?〜記憶の定着、食欲、記憶スペースの確保
我々人間は、人生の3分の1は「睡眠」に費やすが、思いの外、その大切さが知られていない。例えば、厚労省によると、質の悪い睡眠は生活習慣病の罹患するリスクを高め、かつ症状を悪化させる等。
しっかりと「睡眠」をとると
「勉強したことを記憶する」
「身体の動き(球技、ダンス等)を覚える」
「記憶のスペースを確保する」
「適切な食欲の調節」
と脳にとって良いことが起きることがわかってきている。しかも、睡眠をしっかりととる事で、集中力も増し、仕事がはかどることも。
脳は変化し続ける〜睡眠との関係
医学界では、長年「脳は変化しないもの」と信じられていたらしい。
その理由として、
1)脳に障害を持つと回復がほとんどできない
2)生きた脳の状態を顕微鏡で観察することができない
3)脳を機械的に見るという思想
等。大きいのは、脳を構成する神経細胞は一回障害を受けると、再生されないという事実が知られていたことだ。
驚くべきことに、1960年代から1970年代にかけて、「環境に応じて、脳は自ら変わることが出来る」ことが注目され、「脳の可塑性(Neuroplasticity)」
(脳(神経)細胞(neuron)と可塑性(plasticity)(=変化できる、修飾できる)の造語)が語られるようになった。「脳の可塑性」において、睡眠を十分に取らないと、
このようなことから、「睡眠」の基本的な知識を知ることで、どのように生活習慣を改善したらいいのか?そのヒントが得られると思っている。さて、睡眠を理解するために必要なのは、人間の睡眠時に何が起きているかを知ることだ。
睡眠のサイクル〜レム睡眠とノンレム睡眠
人間の睡眠は90分周期を5サイクル繰り返し、目覚めに向かうと考えられている。実は、睡眠の前半は、ノンレム睡眠が長く、後半はレム睡眠が長い。
レム睡眠は、1950年代に発見された睡眠。研究者が、昼夜の赤ちゃんの眼球運動(Eye Movement)を観察した際、寝てる時に、眼球運動が激しく動き、脳波の動きも起きている時と同じように活発になっている状態を発見した。「目が素早く動く」=「Rapid Eye Movement」=「REM」=「レム」睡眠と呼ばれるようになった。
一方で、眼球運動が起こる前後には、眼球が動かない、脳波の活動も穏やかな長い睡眠も認められた。やがてノンレム(Non REM)睡眠と呼ばれるようになった。この2つが睡眠中交互に現れるが、睡眠の前半はノンレム睡眠が多く、後半はレム睡眠が多い。
2つの睡眠の役割〜脳の容量を確保すること
ノンレム睡眠の面白いところは、身体の動き(ピアノを弾く、球技の動き、ヨガのポーズ、大工の作業)に関わる記憶や、学習したこと、勉強したことの記憶の定着に関わっていることだ。更に、脳に蓄積されたごみの処理(グリンファティックシステム)、細胞内の修復と代謝の促進(成長ホルモンを分泌)等、意外に知られていない働きがある。
レム睡眠は、夢をみる比較的浅い睡眠。恐怖や不安などの感情に関わるノルアドレナリンがゼロになる(24時間の中で、ノルアドレナリンがゼロになるのは、レム睡眠の時だけ)。その日の出来事を記憶する際に、不安や恐怖を考えることなく記憶できるので、感情と出来事の分別が可能になり、感情を抜きに出来事を記憶できるのだ。
2つの睡眠で、脳の記憶スペースの容量不足を解消することが知られている。記憶のスペースは脳の中にある神経細胞とその繋がりの数で決まってくるが、脳は古い記憶となるべく残しつつ、さらに新しいスペースを確保するように働く。
面白いのは、
1)ノンレム睡眠で、情報を整理:神経細胞の繋がりを削除
2)レム睡眠で情報を統合する:神経細胞の繋がりを強化
と使い分けていることだ。
このように脳内はうまい具合に、容量を確保することができるのだ。
寝不足だと・・・レム睡眠とノンレム睡眠のどちらかを失う
また、寝る時間も重要だ。たとえば、午前12時に寝て午前6時に起きると、通常の8時間睡眠ではなく、6時間の睡眠で、通常は25%の睡眠が失われると思う。しかしながら、後半のレム睡眠が失われてしまうので、睡眠時間が少ない状態で起きると、レム睡眠の何と、60ー90%失うのだ。
逆に起きるのが午前8時でも、午前2時に寝た場合には、今度はノンレム睡眠の大部分を失う。しかも、寝不足になると、食欲に大きな影響を与え、ジャンクフードを欲するようになり、食欲の調整がしにくくなる。
このように寝る時間も大事になる。
このように考えると、脳の休息だけではなく、脳のリセット(ゴミの処理)、記憶の強化、1日の振り返り等、睡眠はさまざまな働きがある。睡眠不足だと、結果的に仕事の生産性が低下し、生活習慣病にもつながっていくことがご理解できると思う。
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まとめ
今回は、睡眠について、休息だけではなく、記憶を定着するという視点からシェアさせていただいた。
少しでもこの投稿が役立つことを願っています。