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【Y#10】~心をどう見る?呼吸か脳か

ヨガを教えることに対して興味を持つようになり、最近Under the Light Yoga Schoolに通い出したことは、その経緯を含めて「【YogaコラムVol.7】〜物事を単純に考える」で触れた。そのため、最近専門の西洋医学との違いについて考える機会が多い。
ヨガは西洋医学に比べて歴史が長く、紀元前1500年のヴェーダの聖典群にすでにその言葉が登場する。約4,000年の歴史なので、西洋医学の100年〜200年の歴史に比べてかなり長い。
またそれぞれには大きな違いもある。
西洋医学は、誰もが理解できるように、
「わからないから、調べてわかるようにする」
を出発点にする。
対してヨガやインドの考えは、すでに悟りに至った人の考えを修行など通じて追体験する、というプロセスを踏む。悟りに至った人から見れば、
「体験してみないとわからないから、体験する事が重要だよ!」
となるわけで、目に見えないゴールをめざすことになる。限界をどこに設定するかについては体験してはじめてわかるもの、という考え方になる。

このことから、
西洋医学とヨガはそれぞれ「目に見えるもの」と「目に見えないもの」を重視する、という対極の価値観を持つ
と考えていい。例を挙げた方がいいかもしれない。
西洋医学では、心と肉体を分けて考え、肉体から治療していくという特徴がある。それは、心というのは実体のないものであり、実体のある肉体の方がよりアプローチしやすいと考えるからである。また心が脳の産物であると考えているため、その変化によって様々な病気が発症するという前提で薬も開発されている。例えば、うつに対する治療薬も肉体(生体内の物質)の変化がどうなっているのか?という観点から薬の投与が開始される。
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対してヨガは心と肉体は一体であり、心をどのようにして「飼いならす」のか?というアプローチをとる。犬(ペット)を例に考えてみる。しつけを間違えると、犬は飼い主よりも偉いと考え、好き勝手に行動するようになる。犬を心だとすると、自分や他者に害を及ぼすのを避けるためには、まず心をしつける事が大切と考えられる。心に鈴をつけ、共存に適したふるまいをすることができれば飼い主と犬の関係はうまくいく。ヨガでは心に鈴をつけるために大切なのが呼吸。
西洋医学では心は脳であると述べたが、ヨガでは、心は呼吸であると考えられているためだ。

心に対して、
呼吸からアプローチするのか?
脳からアプローチするのか?
いずれにせよ、この視点から見るだけでも、西洋医学とヨガの見方というのは興味深い。

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