【B#178】心理的安全性と創造性を発揮する組織〜ハーバード大学から学ぶ
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はじめに
東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・睡眠・マインドの脳活(脳科学活用)講座を提供している大塚英文です。
私がコーチングやロルフィングのセッションを提供していく中で、重視しているのは「心理的安全性(Psychological Safety)」。
心理的安全性とは、「チーム内で対人関係上のリスクを取っても安全であるという共有された信念」として定義される。意見を述べたり、質問したり、ミスを認めたり、新しいアイデアを提案したりしても、拒絶されたり罰せられたりする恐れなく行動できる環境のことを指す。
一番最初に本としてまとめたのが、ハーバード大学大学院のビジネス・スクール教授のエイミー・エドモンドソン(Amy Edmondson)の「恐れのない組織(Fearless Organization)」だ。

創造的な組織を作り上げていく上でも「心理的安全性」は重要な考え方であり、この考え方を身につけるだけでも、創造性が発揮しやすい。今回は、エドモンドソンの本を参考に、創造性を発揮する組織と「心理的安全性」との関連でまとめたい。
心理的安全性と創造的な組織の作り方
心理的安全性とは、チームの中で自分の考えや疑問、懸念を遠慮なく発言できる雰囲気や文化を指す。エドモンドソンは、この考え方が、学習、成長、そしてイノベーションにとって不可欠だと説いている。特徴をまとめると以下の通りになる。
特徴〜心理的安全性
- 発言しやすい環境: メンバーが恐れることなく意見を述べられる
- 失敗から学ぶ文化: ミスを個人の責任にせず、組織の学習機会として捉える
- 建設的な対立: 異なる意見を尊重し、建設的な議論を促進する
- リーダーの脆弱性: リーダーが自らの不確実性や失敗を認めることで模範を示す
- 好奇心の促進: 質問や探求が奨励される環境
エドモンドソンの本で紹介された3つの事例についてまとめたい。
事例1〜病院の看護師チーム
エドモンドソンの研究では、投薬ミスの報告率が高いチームは、実際には優れたパフォーマンスを示していることが判明。これらの組織では、心理的安全性が高く、メンバーがミスを報告しやすい環境があったとのこと。対照的に、ミス報告が少ないチームでは、ミスが多く発生していても、非難を恐れて報告されていなかった。
看護師たちが「このミスを報告したら、どう思われるだろう」と恐れるより、「このミスを報告することで、患者の安全が向上する」と考えられる環境づくりが重要だと考えた。例えば、定期的なチームミーティングでミスを共有し、再発防止策を全員で考える取り組みが効果的だったという。
事例2〜Googleのプロジェクト・アリストテレス
Googleは「プロジェクト・アリストテレス」と呼ばれる研究で、最も生産性の高いチームの特性を調査。結果、最も重要な要素として「心理的安全性」であることが判明した
高パフォーマンスのチームでは、メンバー全員が平等に発言する機会があり、「対人的な感受性」が高く、お互いの感情や非言語的サインに敏感だった。
この研究結果を受けて、Google社内で、定期的に「心理的安全性」の測定を行い、マネージャー向けのトレーニングプログラムを実施。「アクティブリスニング」や「包括的な会議運営」などのスキルを強化しているという。
事例3〜福島第一原子力発電所事故
福島の原発事故は、心理的安全性の欠如によってもたらす悲劇的な例としてエドモンドソンの本で取り上げている。事故前、現場では潜在的なリスクや懸念を率直に話し合う文化が十分に根付かず。階層的な組織構造と「和」を重んじる文化が、警告サインや懸念を表明することを難しくしていた。
実は、一部のエンジニアは津波のリスクについて懸念を持っていましたが、それらの声は組織の上層部に効果的に届かなかったり、真剣に検討されなかった。要は、心理的安全性がないと、重要な情報が共有されず、組織全体の安全とパフォーマンスが脅かされることへとつながっていくのだ。
創造的な組織を作るためのステップ
では、創造的な組織づくりをしていくために、どのようなステップをとったらいいのか?
- リーダーが率先して脆弱性を示す: 「わからない」と言える
- フレーミングを変える: 仕事を学習の機会として捉え直す
- 積極的に意見を求める: 全員の声を聞く仕組みを作る
- 質問の文化を育てる: 好奇心と探求を奨励する
- 失敗から学ぶプロセスを構築する: 非難なしで振り返りを行う
- 心理的安全性を測定する: 定期的な調査で状況を把握する
心理的安全性の高い組織は、メンバーが本来の能力を発揮でき、イノベーションが促進され、持続的な学習と成長が可能になる。単なる「居心地の良さ」ではなく、厳しい課題に立ち向かうための基盤となるものだという。
まとめ
創造的な組織を作り上げていく上でも「心理的安全性」は重要な考え方であり、この考え方を身につけるだけでも、創造性が発揮しやすい。
今回のブログでは、エドモンドソンの本を参考に、創造性を発揮する組織と「心理的安全性」との関連で事例を含めまとめさせていただいた。
少しでもこの投稿が役立つことを願っています。