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【B#153】灰谷孝さんの「いのちのめがね」を読んで〜メガネを変えると人生の見方が変わる

はじめに

東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・睡眠・マインドの脳活(脳科学活用)講座を提供している大塚英文です。

私は、薬に頼らずに、身体を使った「生活習慣」で改善できる方法がないかどうか模索。ロルフィングや脳活講座でその考え方を伝えるのもその一環だ。

2024年1月24日、灰谷孝さんが開発したイノチグラスについて書かれた最新本「いのちのめがね:眼鏡屋さんが明かすパフォーマンス向上法」が発売になった。同時期に「いのちのめがね」セルフクラウドファンディングの募集があり、私もサポートしたいと思い支援。サイン入りの本が自宅に届いた。

このプロジェクトは、「全国のフリースクールの子どもたちの目を守りたい(書籍と視力スクリーニングの機会を提供したい)」の資金として使われるとのこと。寄贈校880校、支援金額1,000万円、支援者777人を達成したらしく、本当にこの取り組みは素晴らしい。

早速、楽しみにしていた新刊を読んだので、イノチグラスとの出会いから始まり、新刊の内容を紹介したい。

イノチグラスとの出会い

以前のブログにて、目育士さんのきたみさちさんにイノチグラスを作成したことを紹介。メガネを使って、身体を整えていく方法があることに感動し、2週間後にイノチグラスを手に取って、自分の中で変化も感じることができた(「イノチグラスが到着!〜色が身体へ与える影響について」)。

コロナ禍の時に、統合医療実践グループに参加した際、イノチグラスの創始者の灰谷孝さんとご縁をいただいた。その後、同グループの合宿で、淡路島のイノチグラスの制作工房に伺う機会があった(「淡路島への旅〜「自分の身体の声を聞き、感覚に合うものを選ぶといい」を知る旅になった」参照)。

更に、灰谷さんとは、四次元パーラーあんでるせんでご一緒する機会に恵まれ、イノチグラスの制作秘話まで伺うという贅沢な時間を味わうことができた。今回の新刊では、このような内容を含め分かりやすく書いてあるので、以下、本内容を紹介したい。

イノチグラスの考え方〜メガネで姿勢を整えるツール

私が、興味深く感じているのは、灰谷孝さんが開発したイノチグラスのコンセプトだ。

「視力を矯正するという今までのメガネの考え方を一変させ、目から入る波長を一人一人の脳に合わせて調えることができるツール」と位置づけているところ。

そして「目の見え方が変われば自然と生き方も変わる」という表現をしている。その発想の源泉はどこから来ているのだろうか?と思っていたのだが、新刊では、それがコーチングから生まれていると書いている。

では、目がどのように生き方に影響を与えるのだろうか?

例えば、「頑張らない」メガネを作ったとしよう。このようなメガネのサポートを受けると、よく見えて、かつ脳や体が疲れない状態になるというのだ。

私自身、目の奥深さは、ロルフィングのセッションでも感じていることだが、この本には、目や筋力の疲れ具合には左右差があり、乱視は身体のねじれを誘発す流。そして、身体のねじれは、歯の噛み合わせのずれ、骨盤の回旋、左右の肩の高さの違いに及ぶ。結局、目は姿勢に大きな影響を与えるのだ。

目の筋肉は、単独で動いているわけではなく、全身の筋肉と連動して動いている。目には6本の筋肉があるが、外眼筋が働くときには、首の後ろに位置している後頭下筋が連動して動く。

目を動かしすぎると、首が凝り、逆に首をうまく使えるようになれば、目がうまく使えるようになるのだ。そう考えると、目って全身運動に大きな影響を与えているといってもいい。

灰谷さんは、これらを発達障害と関連づけて説明しているところがすごいと思う。発達障害の子供達は、首の筋肉が未発達。目の体操の前に、寝返り、はいはい、風船遊びのような首を育てる遊びをたくさんすることで改善するという。しかも、足を発達させることや、よく噛んで食べることも、目の発達に重要らしい。

視覚の4つの働き〜遊ぶことで養うことができる

この本で一番興味を持ったのは、
1)見たものを受け取る力(視覚受容能力)
2)目のチームワーク(目の協調性)
3)注意を向ける力(視覚のセンタリング)
4)表現する力(知覚表現能力)
の4つの視覚の働きだ。

見た物を受け取る能力

見た物を受け取る能力とは、目と身体感覚がつながることで、奥行きや立体感覚、周辺視野が発達すること。このことで、学習や運動の能力が上がる。この能力を身につけるためには「私は空間の中のどこにいるのか」という固有受容感覚を養う必要があり、この感覚は、筋肉や関節にある。

このように目は皮膚や筋肉、関節等、全身が目と連携して視覚を担うので、寝返りやずりはいなど、床の上での子供の動きが重要で、大人でも効果が高いという。

目のチームワーク〜耳と目との共同作業

目のチームワークの力が育つと、両目を使ったより細かな距離感の把握やコミュニケーション能力、記憶力、理解力が上がっていく。特に、目と耳とのコラボが重要。例えば、文章の理解には、脳の中で視覚的にイメージするだけではなく、音を小さく部分的な言葉に分けていく能力も必要。

この能力を養うためには、夜の室内照明を暗く過ごす、楽器の生の音に親しむ、歌を歌う等が重要だそうだ。

注意を向ける力〜手と目の共同作業

注意を向ける力は、見る対象や焦点を選択し、必要のない視覚情報を篩にかける能力。見ることと同じように見ないことも重要。学習で、集中しているときは、必要なこと以外は見てない。これによって分析能力、物事を読み取る能力が上がる。

手の働きと同じように、目も伸ばし、掴み、持ち続けて、採り、手放すことが重要で、手と目の協調性、つまり、積み木やお絵かき等、手が届く身近なもので遊ぶことで身につくのだ。

表現する力〜自分の中のイメージを作る

表現する力は、想像力や創造性により、視覚化し、現実を生み出す力。脳内でイメージを作り、それに基づいて行動できる。自分が確固たる一個性と感じるのと同時に、他者に共感し思いやりを持てる。これは社会的な境界線を設定し、個人の空間の感覚を持っているかだできるのだ。

読み聞かせ、おままごと、モノマネ、人形などで想像力を使って遊ぶことで内なる視覚を養うことができるそうだ。

自然の中で遊ぶことが大事

このように考えると、自然の中で遊ぶこと、子供らしくその子らしく、のびのびと遊ぶことが大事となる。

他にも、斜めを見る力は、人間関係を養うのに重要、自然の大地を感じながら足を使うこと、等、色々とヒントとなることが書かれているので、ぜひご興味のある方は、本を手に取って欲しい。灰谷さんの観察力の凄さを実感できると思う。

まとめ

今回のブログでは、灰谷孝さんが開発したイノチグラスについて書かれた最新本の内容を中心に、身体の奥深さについて紹介させていただいた。

少しでもこの投稿が役立つことを願っています。

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