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【N#69】「ビタミンって本当に役立つの?」〜ビタミンC編(後半)〜世界一周、ビタミンCを作らない人間、どれだけ必要か?:セミナー開催報告

5月26日(水)、サプリで最も使われている「ビタミン」をテーマに初心者もわかりやすく紹介するセミナー「「ビタミンって本当に役立つの?」〜薬との違い、精神病との関係、使い方を含め」を開催した。

前半のビタミンBの内容については「「ビタミンって本当に役立つの?」〜ビタミンB編(前半)〜薬との違い、精神病との関係:セミナー開催報告」にまとめた。

ビタミンCは、ヨーロッパの大航海時代に船旅をした人たちの間で起きた「壊血(かいけつ)病」の原因を追及していく中で見つかったもの。

コロナ禍では考えられないことだが、7年前(2014年7月〜2015年6月)、STAR ALLIANCEの世界一周券を使用して「世界一周」の旅へ。

当時の模様は「ブログ(カテゴリー・世界一周」で発信していた。

STAR ALLIANCEの世界一周券は、ビジネスクラスで100万円を切り、16都市の空港を使って、大西洋と太平洋を渡って10日以上、1年以内で行うもの。
基本、世界一周券を扱う旅行代理店で購入する。私の場合には、世界一周堂さんにお世話になった。

そこで、世界一周の経験者から色々なアドバイスをいただきながら、経路を考えた。
最終的に、最初から最後までの電子チケットが発行される。

このように、今や非常に簡単に世界一周を行うことができる。

しかしながら、1500年代の大航海時代の船による世界一周は困難を極めた。
「P・ルクーター、J・バーレサン:スパイス・爆薬・医薬品・世界史を変えた17の化学物質」によると、
初めて世界一周に成功したのは、フェルディナンド・マゼラン。1519年~1521年に、マゼランを中心として、世界一周の航海へスタートしたが、何と、マゼランを含め90%以上の乗員が生きて帰れなかった。

原因は「壊血病」(Scurvy)

疲労と衰弱、手足のむくみ、歯茎が柔らかくなる、台中にあざ、鼻、口から出血、匂い息、下痢、筋肉痛、歯が抜け、肺と腎臓に障害が出るといった症状が出て、肺炎などの呼吸器系の急性感染症が起きる、恐ろしい病気。

長期にわたって陸を離れ、湿気が強い船上での食料は、かた焼きパン、塩漬け肉等の長期保存に効くものに限られた。
新鮮な野菜、果物は腐りやすく、船に積まれることはなかったことが原因であることが、今ではわかっている。

壊血病には「柑橘類」がいいことを示した臨床試験が1747年に報告される。

スコットランド出身の海軍外科医のジェームズ・リンドは、サリスベリー号に勤務中、壊血病に罹った水兵(12名、症状が似ている)に対して、以下のような食事を与えた。

炭水化物中心の養生食に加え
1)りんご酒を約1リットル(2名)
2)ビネガー(2名)
3)硫酸塩の内服液(2名)
4)海水240ml(2名)
5)ナツメグ、辛子のたね、ミルラ樹脂、酒石英(酒石酸水素カリウム)、大麦水の調合水(2名)
6)オレンジ2個、レモン1個(2名)

結果、6日以内に柑橘類を与えられた2人は勤務に復帰できるほどになった。
「壊血病に関する論文」として発表されたが、イギリス海軍が強制的にレモン汁を配給するまで、さらに40年待たされた。
ビタミンBの時にも書いたが、海軍の食に対する保守性が招いた災いだった。

さらに、柑橘類は、ただの壊血病を治癒するための医薬品として認識され、柑橘類に含まれる微量だが、健康に必須の物質にはつながらなかったのと、感染症は突然発病するのに対して、ビタミンの欠乏症は、ゆっくりと進行するので、患者がたとえ、症状が現れたとしても、物質の欠乏かどうか、わからなかった。

最終的に1900年代に入り、イギリスのケンブリッジ大学にいたハンガリーの医師・生化学者のアルベルトセント・ジェルジによってビタミンCの構造式が決まることで、この問題は解決していく。

Steve Hickey, Andrew W. Saul ‘Vitamin C The Real Story」哺乳類の中で、霊長類、モルモット、インドフルーツコウモリと人だけが食事からビタミンCを取る必要がある。他の脊椎動物、犬、猫ではビタミンCは、肝臓で作られる。
ライナス・ポーリングによると、動物では健康時で2,000-12,000 mg/日、病気の時は40,000-50,000 mg/日のビタミンCを作るとのことだ。

そして、ビタミンCの作用として、コラーゲン合成(がんの転移を防ぐ上でも大事)、抗ウィルス作用、抗ヒスタミン作用(かなり大量に必要とも!)、抗ストレス作用(副腎疲労)、活性酸素除去作用等が知られるようになった。

しかしながら、FDA(米国当局)の成人推奨200mg。1日あたり過剰に摂取すると、一般に飽和レベルに到達、それ以上摂取しても、血中のビタミンCの量は増えない。過剰なビタミンCは、腎臓から排出されるので、大量投与は意味がない。
等、信じられている。

「果たしてそうか?」

ビタミンCは、各々は体質的に違っているので、投与量を決めるのは難しいことがわかっている。
実際、ビタミンCの最大用量を調べるためには、BOWEL TOLERANCE LEVEL(腸耐性用量)を求める必要があることが知られている。
1時間ごとに低い投与量からスタートして、腸に変化(ガス、腸内が緩くなる、緩い便等)が起きるまで継続する。
そして、腸耐性用量の50-90%を至適投与量として使う。

興味深いことに、ビタミンCは、大量に摂取、腎臓から排出されるが、ビタミンCを小分けに間を置きながら摂取すると、血中のビタミンCの濃度が上昇。
結果的に体内の様々な臓器をビタミンCは巡り、臓器のビタミンC濃度を高める。
そして、組織中濃度を高めることがビタミンCの効果を高めるために必要らしい。

FoundMyFitnessのビタミンCによると、ビタミンCを200mg、1g/日、1.25g/日、2g/日、3g/日、2.5g x 4回/日、3g x 4回/日の血中ビタミンCの濃度を測定すると、1g〜3g/日は、3時間をピーク(170-200 μM)に血中濃度が15時間までに元の濃度(70 μM)に戻る、2.5g x 4回/日、3g x 4回/日は、血中濃度が一定になる(200-220 μM)ことがわかっている。

又、静注(IV)でビタミンCを1gから100gまでの投与量を調べると、経口で摂取した時に比べ30-70倍の血中濃度を示すという。

ビタミンCは
1)小分け、頻度がポイント。
2)BOWEL TOLERANCE LEVEL(腸耐性用量)で投与量を決める。
3)静注ビタミンCと経口ビタミンCの血中濃度が違うことを知ること。
が大事になる。

ビタミンCの飲み方だが、
「細胞の中にどのようにビタミンCが吸収されるのか?」
を知る必要があるが、その経路は3つ。
ブドウ糖と同じ経路(GLUT)で取り込まれるので、食間がいいと考えられたが、ヒトナトリウム依存性ビタミンC輸送体(hSVCT1/hSVCT2)の発見により、必ずしもそれが正しくないことがわかった。

最後に「ビタミンCの選び方」について。
水溶性ビタミンC、アスコルビン酸塩、脂溶性ビタミンC、リポソーマルビタミンC、静注ビタミンCの5種類が知られている。

人工も天然も同じ「アスコルビン酸」成分なので、基本どちらでとってもOK!
日本製だと、1000mg以下で販売されており「アスコルビン酸塩」として発売されていることが多い。
「アスコルビン酸塩」(アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム)は、粉として販売。
アスコルビン酸の酸性を中和し、胃の負担が減ると言われている。
しかし、食塩制限のある腎疾患の方への負担があるが「塩」の形になっていると、抗酸化に必要な電子が通常2つなのに対して1つに減るので、抗酸化作用が弱いとも指摘されている。

水溶性ビタミンCは、米国のiherbサイトでは、水溶性ビタミンCは「タブレット型」と「カプセル型」の2種類が1000mgの単位で発売。どちらも効果が変わらない。
風邪の時、急激に血中濃度をあげたい場合には、水溶性ビタミンは適している。

脂溶性ビタミンC(Ascorbyl Palmitate)500 mgは、肝臓で、脂質+ビタミンCに分解。
身体でゆっくり吸収、急激に血中濃度が上がらない。
コラーゲン合成効果が高いとも言われ、肌に塗る美容液などに使用(数倍効果あるとも)。
しかし、水溶性に比べ、急激に血中のビタミンC濃度を上げることができないので、風邪のときは、水溶性ビタミンCの方が良さそう。問題なのは、500mg の脂溶性ビタミンCのうち、200mgがビタミンC、パルミチン酸が500mgなので、1gを取るためには5錠必要になることだ。

リポソーマル・ビタミンC(lyposomal Vitamin C):リン脂質(リポソーム、細胞膜の成分)を使ったビタミンCで、癌患者の場合には、静脈注射や点滴による高濃度ビタミンCが進められる。
そして、リポソーマルビタミンCは、そのままビタミンCを身体に届けることができるところが長所。
血中濃度が徐々に上がると言われている。
問題として、脂質の代謝が悪いと、吸収率に影響を与える可能性がある。

急激にビタミンCの濃度を上げたい場合には、静注ビタミンCが勧められ、がんの治療の一つとして注目されている。
こちらは、急激に上げても、身体の中で抗酸化能力が低く、ビタミンC自体が酸化されるリスクもある。

ビタミンCを選ぶ際に、このように色々な特徴があることをセミナーで伝えたが、個人的には水溶性ビタミンCをこまめに取ることをオススメしたい。

このような形でビタミンCの内容を紹介した。
もしビタミンについてご興味のある方は、今後ともセミナーを開催していきますので、お問い合わせください。

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