【W#36】トルコ(2)〜ボスポラス海峡
9月27日にイスタンブール入りして、最初にみたかったのがボスポラス海峡だった。マレーシアでマラッカ海峡が世界のシーレーンで最も重要な海峡であることを触れたが、ボスポラス海峡は、それにも劣らず重要な海峡だ。というのもアジア大陸とヨーロッパ大陸の境界線上にある海峡であり、ヨーロッパから中東へとつなぐ重要な道でもある。
「こういった交通の要所である海峡をみないわけにはいかない!」
と思ったから。
実はイスタンブールでは、ボスポラス海峡を一望できるクルーズ船ツアーに申し込むことが出来る(トルコのどのホテルにもツアーのパンフレットがあるのでそこから参加可能、半日で35ユーロ)。1時間かけて船上からみることができるが、そこで感じたボスポラス海峡について触れる。
ボスポラス海峡は北の黒海、南はマルマラ海を結び、マルマラ海がギリシャのエーゲ海とダータネルス海峡で繋がっていることを考えると、黒海と地中海を結ぶ重要な海峡である。歴史的にみると、ロシアは黒海から大西洋へ船を出すためには必ずボスポラス海峡を通る必要性から、ロシアは海峡の航行権を得るため、オスマン帝国の時代から列強の時代まで対立が続いていた。現在は、商船の自由航行と軍艦の航行の制限が定められている。
海自体はそれほど綺麗ではないが、オスマン帝国の離宮やオスマン帝国の高官の別荘などの歴史的建造物が建ち並んでいるところが目立つ。
なんといっても興味深いのは、ボスポラス橋。実は、最近(1973年)になってできた橋であり、橋の東側に料金所が設置されている。ヨーロッパ側からアジア側へ向かう車両に限り通行料が課されるという。船からみると、ヨーロッパ大陸(右側)とアジア大陸(左側)の双方が橋とともにみることが出来て圧巻。
バスからボスポラス橋を通ると(下記の写真で手前がヨーロッパ大陸、奥がアジア大陸)、ヨーロッパ側に向かう途中にWelcome to Europeのサインがあり、なかなかしゃれている(逆はWelcome to Asiaのサインがある)
ボスポラス海峡の出口(南側)にはGolden Horn(金角湾)があり、イスタンブールを愛したフランス人の作家、Pierre Loti氏にちなんで名付けられた、Pierre Loti Cafeから一望できる。
金角湾は天然の良港といわれ、コンスタンティノープルがオスマン帝国により陥落後、キリスト教徒の居住区として栄えたといわれている。眺めが素晴らしいので、2枚写真を紹介する。
アジア大陸が97%、ヨーロッパ大陸が3%占めるトルコ。イスタンブールはその境界線上にあるのだが、ヨーロッパ的な雰囲気を持つ街だという印象を強く持った。イスラム教のモスクが至る所に立ち並んでいるが、もともとコンスタンティノープルという東ローマ帝国の首都だったこともある(下記の写真はタクシム地区での2枚)。
そして、ハギア・ソフィア大聖堂のようにキリスト教の建物をイスラム教のモスクへと建て替えをおこなったものもある。これらを含め、次回のイスタンブール市内観光で触れたいと思う。