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【B#39】「応援する」ということ〜アートと基準

私の茶道の先生でアバンギャルド茶会(アバ茶)を主宰している近藤俊太郎さん(出会いについては「日本文化と茶道〜久々の茶会稽古の参加を通じて」参照)の紹介で、精神科医であり、アートコレクターの高橋龍太郎先生の「現代美術コレクター」の本を手に取ってみた。
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高橋先生の本は「ネオテニー・ジャパン:高橋コレクション」開催時にまとめられた一冊を手に取って以来だが、その時に収集している日本人の作品の数の多さに驚いたことを思い出す。
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研究の評価ができない日本〜なぜ欧米の評価を信じているのか?」で書いたことがあるのだが、科学の世界に限らず、日本は概ね自国のものよりも外国、とりわけ欧米の作品を評価する傾向が強い。
それに対して、高橋コレクションの興味深いところは、2,500点のモダンアート作品をコレクションにするにあたって、日本人の作品にこだわって収集しているということ。その中には、文化勲章を受賞した草間彌生氏、村上隆氏、会田誠氏、奈良美智氏、名和晃平氏も含まれている(下記は妻有で見た草間彌生氏の作品、「新潟・越後妻有を訪れて」参照)。
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日本有数の2011年に集中的にモダン・アートについての書籍を手にしたことがあるが(「2011年前半ベスト5~モダンアート」参照)、日本もそれなりにモダンアートは世界の中で健闘していると思う。
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現代美術コレクター」では、作品の収集を行う動機はどこにあったのか?なぜ日本人の作品にこだわって集めて行ったのか?コレクターの役割、日本の美術館は世界から見てどのように変化していったらいいのか?を中心に書いているが、自分なりに基準を持って作品を購入している箇所が一番興味深かった。
高橋先生は
「コレクションの作品の選択の基準は?」
という疑問に対して、以下のように本書で答えている。
「作品を前にする時に、私はできるだけ自分を「小さく」して見るようにしている。
「小さく」とは、自分の持っている価値観、地位など、自分にまとわりつく多くのものを無に近づけることだ。そうすると幾つかの作品はどんどん自分の中で大きくなって、作品が自分を取り込むような同一化する体験を味わうことになる。それは自分をできるだけ小さくすることでしか生まれないので、
私はそれを
「小さきものほど、大きく照らす」
と自分の言葉としてまとめているのだが、
禅の言葉である「一即多、多即一」はそれに非常に近い感覚なのではないかと考えている
(略)
どの作品でもその同一化体験を味わえるわけではないが、その体験が深い作品ほど、主要なコレクションになっているのは不思議というほかはない」
この考えはマインドフルネスに近いと言っている。
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私は個人事業主として独立してから1年5ヶ月近くになろうとしている。
「アート作品には、人間が作り出した美への思いが凝縮されている。アートを買う行為は、美を目指す人間への賛成票とといってもいい」
と「現代美術コレクター」は述べているように、私もそう言った視点で個人事業主を応援していきたいと思っている。そのためにも、自分が直感的に共感できるような生き方、自分軸があるかどうかについて一つの基準として見るようにしている(そのことについては「自分軸とは?〜長く続けること+自分の言葉にすること」に書いた)。
これからも、基準を大事に、個人事業主の活動を進めていきたい。
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