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【B#108】6周年を迎えて(3)〜読書会を開催して分かったこと〜全29回を振り返って、食事の提供、ニュートラルになることについて

こんにちは!東京・渋谷(恵比寿)でロルフィング・セッションと栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。

2017年12月22日に第1回・読書会を初開催してから、4年半。
お陰様で、合計29回、37名の方にお越しいただいた。
改めて、お越しいただいている方には感謝申し上げたい。

読書会(Book Club)とは、1冊の「課題本」を決めて事前に読んでいただく。
当日、意見を交換する会なのだが、一人一人が違った読み方をするので興味深い。

例えば1回目の課題本は、野口嘉則さんの「3つの真実」だった(「初開催:価値観の似た仲間との出会いの場」参照)。

読書会当日、ホワイトボードに「3つの真実」を記入。
参加メンバー8名のそれぞれがどのように「3つの真実」を解釈したのか?順番にシェアした。

意見としては、
1)何も変わらないと感じた時に変化する
2)100%自分原因説。自分が変わると周りも変わっていく
3)真理を追究すると幸せになれない(科学は1つの答えを出すが、必ずしもそれが幸せの答えとは限らない)。
4)数字の達成ではある程度しか行かない。利他=世への貢献が大事。
5)共感とつながりが重要
6)ニュートラルな中心軸を見つけること
等。

響くところが違うので、本の理解が深まっていく。

開催10回目の頃には、お互いの価値観をシェアする機会を増やすため、自己紹介の時間が長くなる。
これが、読書会の定例になった(「人生二度なし〜日々の積み重ねを大切にすること」参照)。

読書会は、まずは自己紹介からはじまるが、必ずテーマを決めている。
10回目の時は、
1)1年前の自分
2)現在
3)1年後の自分
について語っていただいた。

当時、森信三さん(以下森先生)の「人生二度なし」を取り上げたのだが、「基本的なことを大切にする」といった価値観を自己紹介でシェアする人もいて、自己紹介がいつの間にか課題本の紹介になって面白かった。

「読書会」を開催する際に心掛けていることとして、
1)安心・安全な場を心がけること
2)参加者一人一人が発言できるように、主催者(ファシリテーター)がチェックすること
3)主催者が、ネガティブ・ポジティブな視点があることを理解し、中庸=ニュートラルを心がけること
4)料理を提供すると、同じ窯の飯ということで、場が自ずと整うこと
の4つ。
どこまでできているかわからないが、理想を掲げると、それに近づいていくと思う。

「1)安心・安全な場を心がける」
を心がけている理由は、
「ありのままの自分を表現する場を提供すること」
ことで
「よりその人の価値観を理解する」
ことを大切にしたいから。

日本語を見ると、敬語・謙譲語・尊敬語があるように、人間関係の距離の取り方が洗練されている言語であり「年齢」や「肩書き」によって、上下関係や、先生・生徒の関係が生まれやすい。

ありのままの自分を表現するためには、対等で同じ目線で話すことが求められる。
そこで、
1)主催者(ファシリテーター)が参加者と同じ目線になるように、時には目線を落としていくこと
2)何をいってもOKの場、必要に応じて、助けを求めても大丈夫な、安全・安心な環境を整える
ことを心がけている。

今まで過去に、色々なコミュニティを訪れたことがあるが、ここは雰囲気がいいなぁと思う場は、
「安全に感じる場」だ。
例えば、
1)「ありがとう」の言葉を頻繁に使っている
2)物事に優劣をつけない
のような工夫がされている。特に、2)の物事に優劣をつけなく、自分がジャッジされていないことを体感すると、あるがままの状態で発言しやすいと思う。

「2)参加者一人一人が発言できるように、主催者(ファシリテーター)がチェックする」について。
読書会を月1回、合計29回開催してみて、参加者全員が発言すると、必ず満足度の高い会になっていると思う。
全員が発言するために、必ず、会の最初に自己紹介を入れ、4〜5名で最低でも1時間をかけて行う。
そうすると、不思議と場が温まるだけではなく、自己紹介の中で、読書会で取り上げる本の内容も入ってくる。

「3)主催者が、ネガティブ・ポジティブな視点があることを理解し、中庸=ニュートラルを心がけること」
についてだが、主催者の一人として、対面による読書会の意義について良く考える。
現在、我々は、ソーシャルネットワークやWEB(GoogleやFacebook、Twitter)を使いすぎてしまう傾向があり、偏った情報により
「どちらが正しく、どちらが間違っている」
という視点で世界を見てしまう傾向がある。

大事なのは、
それぞれの視点(ネガティブ・ポジティブ)があり、各々が判断軸を尊重し、各個人が「納得解」が得られることだ。
「読書会」では、このような視点で運営できるように考えている。
そのために主催者が中庸になることだ。

「4)読書会に料理を提供すると、不思議と場が整うこと」について。
興味深いのは、同じ内容の食事をすることで、不思議と場が整っていくこと。

ゴリラの研究の第一人者の京都大学の山極寿一先生は、「人類の社会性の進化」で面白いことを語っている。

「人間の脳は第五感を超えてそのような広大な領域に対処できるようにはできていない。相変わらず身体のつながりをもとに信頼関係を構築しようと欲している。
(略)
現代の社会にも集団規模に応じた古いコミュニケーションの方法が残っている。
情報機器に用いられた視覚や聴覚以外の感性、すなわち嗅覚、味覚、触覚を用いてそのコミュニケーションの利用を考えるべきである」

そして「人間の五感は「オンライン」だけで相手を信頼しないようにできている」では、インターネットが盛んになり視覚や聴覚偏重の世の中になっているが、もっと触覚、嗅覚、味覚に注目されてもいいと山極先生はいう。

「触覚や嗅覚、味覚」というのは「共有できないはずの感覚」と語った上で、「共有できない感覚」を一緒にするから信頼関係をつくると述べている。

具体例として、母子やカップルによって、肌の触れ合いを長くすればするほど信頼が高まっていくことや、会社で飲み会を行うことでチームワークを上げていくことなどを上げている。

読書会に料理を提供することで、価値観の合う仲間とともに時間を共有することで身体感覚を通じて人間と信頼関係が高まり、お互いに学ぶ場になっている。

今月(2021年6月)は記念すべき30回目を迎える。
どのようなことで盛り上がるのか、楽しみたい。

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