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【N#64】ヘンプとカンナビスの歴史〜米国でなぜ禁止されたのか?そして、医療的に効果があるのか?どのようにわかったのか?

オーソモレキュラー栄養学(分子栄養学)に興味を持つようになってから2年近く。
様々なサプリメント(糖質、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルを含む)を生活に取り入れるようになった。
とりわけ、良質な蛋白質や脂質をとることの大切さを感じて、色々なものを試す機会に恵まれ、
日本で合法的に手に入る、ヘンプ(HEMP)蛋白質やCBD(Cannabidiol、カンナビジオール)オイルに出会った。

CBDオイルや、HEMP蛋白質を生活の中で触れるようになってから、
・なぜ、大麻が大麻取締法で禁止されているのか?
・なぜ、今になって欧米で合法化の流れが進んでいるのか?
その時代背景を知りたくなり、色々な本に当たるようになった。

まずは、言葉から。
大麻とは、麻(あさ)の花冠、葉を乾燥・樹脂化・液体化させたもの
麻を乾燥化させたものを「マリファナ」
麻の花冠を乾燥化させたものを「ハシシ」
樹脂を経口的に取り入れる場合には「ガンジャ、ブハン」と呼ばれる。
大麻草とヘンプ(HEMP)は、THCの含有量によって区別されている。
THCの量が0.3%以下の品種がヘンプ。0.3%以上の品種が大麻草だ。

まず高城剛さんの「大麻ビジネスの最前線:Green Rush in 21st century」。
世界で、大麻が含まれている成分が持つ医療的な有効性について再評価が進んでいること。
「医療用」として大麻を合法化する国々、もしくは違法だが、刑罰は見逃すという「非犯罪化」する国々が増えていること。
コロラド州やカルフォルニア州での合法化によって、大麻産業が合法化されてから2年後に、ビール産業を抜く市場規模になったこと。
税収や雇用が生まれたこと
等が書かれていた。

そもそも、60年代〜70年代に大麻が禁止されていたのに、今にになってなぜ、合法化が始まったのか?
非合法にも関わらず、末期癌、精神疾患、HIV患者等の有効であることを示してきた勇気のある研究者・医師たちのお陰だと思う。

実は、日本では、古来から大麻草を伊勢神宮の「しめ縄」として使っており、生活に密接に関わっている。
大麻草にはカンナビノイドと呼ばれる生理活性物質が100種類含まれていて、
最も有効な成分は、THC(テトラヒドロカンナビノール)とCBDと言われている。

大麻草に含まれるTHCやCBDの化学構造が発見されたのは、なんと、大麻が麻薬指定された後の1960年代。
YouTubeに公開されている’The Scientist‘ では、「近代カンナビノイド研究の父」であるイスラエル人のラファエル・ミシュラム博士が、どのような経緯で研究をし、発見していったのか?がドキュメンタリーとしてまとまっており、お勧めだ。

ミシュラム博士は、イスラエルいたことが幸運だった。
イスラエル政府の許可を得て、レバノンとイスラエルで没収されたハシシを入手し研究ができたからだ。
そこで、大麻には医療効果があることを信じ、研究を進めていくことになる。
一方で、1962年に米国のNIH(National Institute of Health)で「カンナビス(大麻)の研究に対して研究費が欲しい」と申請したのに「カンナビスと医療との関係は薄い」という理由で却下。米国では、研究しにくい雰囲気があった。

イスラエルで精神作用を持つTHCやCBDがの構造や、生理作用が明らかとなる。
CBDには、抗痙攣作用、抗炎症作用、抗不安作用、降圧作用、癌の細胞死を誘導する作用がわかってきた。
面白いのは、ヒトを含め全ての脊椎動物の持つ内因性カンナビノイドを持つこと。
これをエンド・カンナビノイド・システム(ECS)と呼び、食欲、睡眠、性行動、疼痛、免疫、感情、運動機能、発達、老化、認知、記憶に関わっているらしい。

Netflixを購読している方で、大麻と医療についてご興味のある方は、ぜひ「Weed the People(大麻が救う命の物語)」をチェックください。現在では、エイズ、多発性硬化症、てんかん、関節リウマチ、統合失調症、パーキンソン病、睡眠障害、PTSDを含め、様々な疾患に有効であることがわかってきている。

では、そもそもなぜ、大麻が麻薬指定となったのか?
この謎をわかりやすくまとめた本が、佐久間祐美子さんの「真面目にマリファナの話をしよう」だ。

米国では、昔からカンナビス(大麻の英語名)は医療用や嗜好品として使われてきた。
例えば、19世紀中盤には、綿、タバコに次いで、3番目に収穫量が多かったのがヘンプ。
1839年にカンナビスは、リウマチ、破傷風、痙攣の発作に対して、有用であるという報告もあり、1854年から米国で、医療用として使われるようになった。
なんと、薬局で、アヘンも売られた時代もあったそうだ。

米国政府が規制に乗り出したのが、1906年の「純食品医薬品法令」。アヘンの輸入に規制が入るが、医療用としては使われ続けた。

1917年に米国の財務省は、
「カンナビスを嗜好品として使用するのは「メキシコ人、時にしてニグロ、そして白人の低所得層」として、ドラッグに触れていたマイノリティが白人の上流階級の特に女性に危害を加える可能性がある
と警告する報告書を出している。

1920年代、職を求めるメキシコから大量の移民が米国に流入。メキシコ産の大麻草が流入してくる。
1925年頃より、インド産の大麻草が規制対象へ。
大恐慌の頃に、メキシコ労働者に対して、風当たりが強くなる。
メキシコ人がアメリカ人の仕事を奪い、治安を悪化させているという。
この頃から、カンナビス=悪としてイメージキャンペーンがスタート。
医学用語を語源とする「カンナビス」に変わって、メキシコ系スペイン語のスラングに起源を持つ「マリファナ」と呼ばれるようになった。

1930年代に、捜査官のハリー・J・アンスリンガーが登場。ヘロインやアヘンといった危険なドラッグよりも、使用人口の多いマリファナに狙いを定め
「マリファナは人を発狂させる!」
「黒人たちがマリファナをやっている」
というネガティブキャンペーンを展開。
ついに、1934年、統一州麻薬法令を制定する。
アンスリンガーは、マリファナについて30名の科学者や医師に質問状を送り、意見を求めたところ、29人はマリファナを違法化することを反対したにも関わらず、無視。
最終的に、新聞王のウィリアム・ハーストと組んで、反マリファナ運動を展開し、世論が「マリファナ=悪」が固まることになる。

新聞王だったハーストは、大麻草が、アジアでは紀元前から布や紙の材料として使われていること、1916年、米国科学者によりヘンプのパルプから紙を作ることに成功し、未来の資源として注目されてるようになった。
ハーストは、材木を使った製法に自分のお金を投資しており、ヘンプから生産する紙に対して脅威を感じていたという。
ハーストのメキシコ人嫌いが重なり「ヘンプは悪だ!」のキャンペーンを展開するようになる。

意外と知られていないが、日本もこのキャンペーンに巻き込まれる。
第二次世界大戦後、米国のGHQによりアメリカのGHQにより、マリファナ政策に巻き込まれるようになる。
1947年に大麻取締規則、産業大麻を規制するために大麻取締法を作り、麻を麻薬に指定された。

興味深いのは、黒人から生み出されたジャズと大麻と関係だ。
Netflixの「Grass is Greener(大麻からみたアメリカ)」に詳しく描かれているので、興味をある方は見ていただきたい。如何に嗜好品としての大麻がジャズの音楽作りに大きな影響を与えたのか?をミュージシャンのインタビューを交えて紹介している。

1960年代のカウンターカルチャーの時代に、マリファナは再び注目されるようになる。
愛と平和の運動とともに、マリファナの合法化を訴えるようなったからだ。
しかしながら、ヒッピーや反戦運動を嫌う白人保守層の支持を得て当選したニクソンは、マリファナは「War on Drugs」の最前線に立たされ、多くのメキシコ人や黒人が取り締まりの対象となったという。

1990年代にマリファナが合法化が進んでいく間に、イスラエルの研究者や医療従事者が大麻に注目し、その効果を信じて研究を進めたことに対して、単純にすごいという思いを感じる。

何が善であり、何が悪なのか?マリファナの歴史を知ることで、時代背景によって変化すると思う。
ぜひ、ご興味がありましたら、関連の本を手に取って、自分で調べていくことをお勧めしたい。

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