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【B#28】コーチングとアート

ラグビーW杯で、日本代表が3勝を挙げたニュースは記憶に新しいと思う。過去のW杯での実績は1勝2分22敗だと考えると、今回の3勝1敗は素晴らしいの 一言。
なぜ、このような実績を上げることができたのか?
日本代表のヘッドコーチ(監督)のエディ・ジョーンズ氏を特集したNHK番組のプロフェッショナルや著作を調べてみた。
中でも、「エディ・ジョーンズとの対話・コーチングとは「信じること」」にはコーチングに必要なことが書かれており、日本代表の勝利が偶然でないことが理解できるような内容となった。この本を中心に印象に残ったことを書きたい。
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一番最初に飛び込んできたのは、
「私にとってコーチングは「アート」なんです」
ということ。アートとコーチング?一見無関係にみえるが、話を聞いていると腑に落ちてくる。
基本的にはコーチは、試合の準備に向けてどのように準備していくのか?そのベースとなるのはサイエンスで、科学的なデータをもとに行うべき練習の具体的なメニューを作っていくことが仕事という。ラグビーを含めた団体競技の場合には、必ずしも期待通りに反応してくる選手とそうでない選手が出てくる。そこでコーチとしての工夫が出てくる。
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エディ・ジョーンズ氏の言葉で言えば、
「選手一人一人にとって、何が必要なのか、それを見極めるのがコーチングにおけるアートなんです。選手個々の能力を引き出すためには、どのようなコミュニケーションをとるべきなのか。それこそ数限りないケースが考えられるわけです。その見極めにこそ、「アート」が生まれる余地があるのです」
そして、
「どの「サラブレッドにも早く走らせる方法はある。調教師(トレーナー)の仕事は適した方法を見極めるだけだ」。これこそ、アートなんです。コーチの仕事はいかにそれぞれの人間の能力を最大限に引き出すか、それにかかっています」
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そのために重要なのは観察という。観察の結果を数字化し、客観視する。最終的に、伝え方を工夫することで選手一人一人のモティベーションを上げていく。観察するためには土台となる共通言語、文化、教養の理解が必要となるので、各国の文化を知ることの大切さや、各スポーツ界の一流の指導者はどのようなコミュニケーション能力を駆使して選手のモティベーションを上げているのか?の分析の必要性も述べられており、人の心を動かす職業には多岐にわたる教養が必要なんだということに気づかされる。ある意味、人に物事を伝えることへの無限の可能性をエディ・ジョーンズ氏を通じて学ばされているようで、日本が3勝1敗の好成績で終えることのできた理由がわかったような気がする。
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ロルフィングのセッションを提供するようになってから、3ヶ月半が過ぎようとしている。一見、ボディワークということでコーチング的な要素が必要ないように見えるが、私はロルフィングは、コーチングの延長上にあると思っている。人の話を聴き、観察するということ。どんな歴史を経て今に至ったのか?どういった価値観を大切にしているのか?を言語化することで、その人の現在を知る。そのプロセスを通じて、今後どのように進んでいくのかを知ることがコーチングだとするとだ。
ただ、言語化することに関しては常々限界も感じている。このことを鷲田清一氏の「「待つ」ということ」はうまく言葉にしていると思う。
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以下引用してみよう。
「聴くということがだれかの言葉で受け止めることがあるとするならば、聴くというのは待つことである。話す側からすればそれは、何を言っても受け容れてもらえる、留保をつけずに言葉を受け止めてくれる、そういう、じぶんがそのままで受け容れてもらえるという感触のことである。とすれば、
<聴く>とは、どういう形で言葉がこぼれ落ちてくるのか予測不可能な<他>の訪れを待つということであろう。
なぜ言葉を迎えに行くのが<聴く>ことの最悪の形とになるのかといえば、語ることが自らに距離をとることだからである。苦しい時に、ひとはだれかにかたることでその苦しみを分かち持って欲しいと願うが、しかしその苦しみは最も語りにくいものである。苦しければ苦しいほど語りは難しい。理由は何重にもなっている。まず、苦しい時にはそもそもそれを他人には語らないものである。くるしいことはなによりも忘れたいことであり、語ることでそれをわざわざ思い出すことはない。苦しいことはまた、本人以外にはなかなか判りづらいものである。」
おそらく、私が身体を通じたアプローチを取っているのは、言語化にはある程度の限界があり、ロルフィングがその言語化できない部分を手助けしてくれるからだと感じているから。そう考えると、ロルフィングもコーチングの一部であり、アートであるということも理解できる。
今後とも、アートしてのコーチングという考えを大事に、一人一人に向き合ってロルフィング・セッションをおこなっていければと思っている。
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