【Y#37】チネイザンLevel 1(8)〜最終試験
2015年9月25日、26日。今まで学んだ解剖(生理)学の筆記試験とチネイザンの実技試験が行われた。解剖学はあいにく2日間のうち1日しか参加できず残念ではあったが、曽束竜久先生による解剖学の授業はたとえ話(実際の臨床現場でのご体験)を交えながらわかりやすかった。例えば、へそ周りというのは、大動脈があり幾つか分岐していること。様々な分岐があり、各臓器に血液が分配されることから内臓への働きがへその行っている場所によって違った影響があることなど。
私もかつて大学で免疫学を専攻して博士研究員として日本医科大学に勤めていた経験もあることから同じ免疫学専攻の先生ということで親近感があった。過去に製 薬業界で循環器系、免疫系、内分泌系の疾患を扱い営業担当向けに教育も実施した経験もあることから、解剖学の試験はそれほど難しくなかったが、チネイザンの筆記試験は、解剖学と違って白黒つけられないもの。両方とも8割取れなければ合格ではないということで、二度の再試に巻き込まれる形となる(笑)。
さて、今回は実技試験及びそのフィードバックを中心に取り上げたい。
Taozenのチネイザンの 11期のトレーニングでは、実技試験というものが修了式の前に行われる。これは、生徒10人が75分の試験に臨み、各教官(インストラクターもしくはプラ クティショナー)に一斉に施術を行う。担当教官に指示されたテクニックを行い、基礎的な技術が習得できているか?つながりがしっかりと意識されているの か?で評価される。私の担当教官は、Tao of Lifeの土屋しずかさん。過去に3度ほどしずかさんのセッションを受けたが、その経緯・体験談については、過去に本コラムで取り上げた(【氣内臓コラムVol.2】、【氣内臓コラムVol.3】、【氣内臓コラムVol.6】参照)。
試験中は緊張しているということもあり、相手への配慮が思いの外できなかったのが残念だったが、手技については落ち着いて進めていたかと思う。ただ、教官に対して痛い思いをさせてしまったのは、実感としてあったので、その点は反省として残った。今後の糧としたいと思う。
参加している外国人2人(フランス人、台湾人)が布団を購入し、海外へ郵送したいということで、実技試験終了後に同行。表参道でちょうど閉店セールが行われ、安く布団を購入することができた。道玄坂にある渋谷郵便局へ移動し、郵送をすることができたが、その間布団屋さんの配慮や郵便局の親切な対応に、日本 人としての誇りを感じた。例えば、布団屋さんから海外へ送れないということを拒否されたが、郵便局への問い合わせまで行っていただき、制限いっぱいのダン ボールのサイズにまとめてもらったことや郵便局の店員が親切に幾つかのオプションを用意してくれて、説明もわかりやすかったことなどだ。
その後、昼食を経て、大内さんのフィードバックの面談に臨んだ(前回のフィードバックについては【氣内臓コラムVol.11】参照)。
前回の面談の際は、
「クライアントとのつながりを感じない」
「ポテンシャルの20%も発揮できていない」
といったフィードバックをいただいた。今回の後半のトレーニングを望むに際して、今後チネイザンのプラクティショナーとして勉強を続けるかどうか、悩んでいた。そのため、フィードバックの内容次第では、続けずにロルフィング一本にしようか、ということを考えていた。
大内さんからのフィードバックは厳しいものは相変わらずではあったが、前回と違い進歩も認めていただくことができた。そして、自分の心境にも変化ができて、大内さんの発言一つ一つ腑に落ちて、素直に聞くことで、今後プラスになるのではないかという考えになった。
例えば、厳しいものといえば
「セッションを振り返る際に、クライアントの観察したことについての言葉がない」
「痛い思いをしているのに、それを無視するのはよくない」
と いったクライアントに対する思いやりに配慮がないということ。もちろん、いい点としては、つながりを感じる時間が長くなり、集中力が増しているのではない か、頭でっかちになっているが、それも一つの強みにもなりうること。知識というのは重要なのでそれを生かしてほしいなど。
そして、興味深いことに、大内さんが海外にいた時に、有名なロルファーに対して、
「あなたのテクニックは機械的に心がこもっていない、というフィードバックをした」
というのだ。おそらく、中間面談の際に、この言葉を聞いたら、私は有名なロルファーと同様に、カチンときたと思うが、トレーニングを修了直前のフィードバック面談でこの言葉を聞いて違う思いがよぎった。
チネイザンの手技は、ロルフィングにているところもあるが、決定的に違うところが一つある。それは、ロルフィングの手技に比べて手の力をより抜くことが大切 なこと。手をより目をもったように手でもって観察することが重要となる。情報収集する際には、柔らかくする必要があり、そのためにも手や身体全体がリラッ クスする必要がある。ロルフィングのセッションでできていると思っていたが、思いの外それができていないということに気づかされたという意味ではチネイザンを学ぶ意義は大きかった。
チネイザンのトレーニングは本当に大変で、時間のやりくりも大変だったと思う。それだけの価値があり、今後チネイザンで学んだことをロルフィングの学んだこ とと今後させるとよりいいセッションがクライアントに提供できると確信できるし、大内さんともその話でフィードバックを締めた。
今回トレーニングで気づいたのは、自分のスキルに対して傲慢にならず、ニュートラルに観察し、必要に応じて(自分が学ぶべき時には素直に人の話を聞くということ)人からフィードバックをいただく大切さだ。
Taozenは、これからも太極拳や気功を学ぶ予定にしている。そこから学ぶことはヨガとは違い、いかにして力を抜くことかについてである。まだまだ、ロルフィングを含めたボディワークの世界に入ってわずか。これからも一歩一歩学んでいければと思っている。