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【B#95】2018年末を振り返って(1)〜解剖学のオススメ本、アプリ、IMAC:どのようにセッションに生かすか?

2018年12月11日(水)、今年最後のロルフィング10回セッションの卒業生を迎えた。

今年も、多くの方に体験及び10回セッションにお越しいただきました。改めて感謝を申し上げます。
2018年は、ボディワークのトレーニングを受講したのは、13日間(ドイツへRolf Movementのトレーニングを受けた11日間とIMACの2日間)。昨年に比べると、12日少なく(2017年については「25日間のトレーニングから学んだこと〜2017年末を迎えて」参照)、テレビ取材を受けた影響で、予定していたアドバンス・ロルファーの資格とRolf Movementの資格を次年以降に延期した。
その分、自分が提供するセッションと向き合う時間が増えたのが功を奏した。
2019年以降、自分の提供する形がはっきりとし、
「何を学んだらいいのか?」
明確になったと考えている。

開業してから3年目までは、経験数を養い、学んだ通りの方法が実践できているのか?身体感覚や直感を養うのかに力点を置いていた。
開業4年目の今年は、どのようにして身体感覚を言語化するのか?
可動域を中心に、施術前後の効果をより意識するようになった。
そのためにセッションが終わった後、解剖学、発生学の本やアプリを手にし、セッションを振り返ることが多くなった。
その結果として、意識した今年の後半は、成果がより高まった実感があり、来年以降が本当に楽しみになってきた。
さて、解剖学で役立っているのは、
1)大阪在住のロルファー佐藤博紀さん(以下ヒロさん)が提供しているIMAC(Integrative Movement Assessment Center)の情報

2)complete anatomy 2019(3D4Medical社)

3)語源で覚える解剖学シリーズ;例えば、「肉単―ギリシャ語・ラテン語 (語源から覚える解剖学英単語集 (筋肉編))」(他にも臓単、骨単、脳単があるがここでは割愛)

の3つ。

解剖学を勉強する目的は、
「身体の見る目を養い、セッションが終わった後に、どのような変化が起きたのか言葉にすること」
セッション中は、感覚(右脳)を使うのは大事だが、振り返って、何がうまくいって、何がうまくいかなかったのか?検証するために、施術前後の変化を見ることが大事で、それが再現性へ繋がっていくと考えているので、解剖学が役立つ。

ヒロさんのIMACは関節の可動域から解剖学(骨、筋肉)を見ていくので、整理しやすい(IMACで学んだ内容については「内臓と筋肉〜筋肉の働きが内臓にどう影響するのか?」参照)。ただし、2〜3年ボディワークを経験してからの方が理解が深まると思うので、ある程度のセッション数の経験が前提だ。というのも、開業初年にIMACに参加した頃は、全く理解できなかったからだ。
IMACのいいところはテクニックを教えるだけではなく、原理・原則を教えるところも素晴らしい。
私が最も気に入っているのは、
「全身のバランスがとれている状態であれば、体の生理的機能(例:呼吸、自律神経、自然治癒力など)が適切に働くことで筋骨格系以外の様々な状態、症状が改善する」(ヒロさんの「IMAC基本原則」からの引用)
だ。

普段からそれを意識することで、
一見関係ないところに同時にアプローチすると、
「あら違った場所が緩む!」
という気づきがたくさんあり、今年課題にしている痛みを伴わないセッションの提供と関節の動きの改善へのヒントに繋がっている。
そして、局所で見るのではなく、ロルフィングで大切にしている
「全体で見ることの大切さ」
にも気づかされる。
2019年はIMACを本格的に学ぼうと思っているので、本コラムで学びのプロセスは来年以降まとめる予定だ。

次に、3次元的に筋肉や臓器、骨がどう動いているのか?見るために学べるアプリがComplete anatomy 2019。
時々、クライアントに見ていただくことがあるが、

「内臓と筋肉の動きをどう見るのか?」
「内臓の働きが弱いと筋肉の動きがどう制限されるのか?」
「薬や食事によっては肝臓、腎臓に影響があり、結果的にその近くの筋肉の動きが制限される。そして、内臓や筋肉を覆う筋膜と一緒に考えるとどうなるのか?」
「内臓と内臓の関係は?」
を考える際に、役立つ。英語版のみといのが残念だが、理屈抜きでアプリを見るだけでいい。このアプリを使うだけでも、iPadは買った方がいいと思っている。

3つ目は、肉単。2019年は暗記術に関連した本を読もうと思っているのだが、解剖学の用語を覚えるには語源から見るのが一番。時々、眺めるようにしている。
そして、最近、発生学・胎生学も様々な本をチェックしている。人体が受精卵から1つの個体の成り立ちを追うと、解剖学の理解が深まるからだ。

例えば、
「心血管系、脳神経系、肺、腎、肝がどの順番でできてくるのか?」
「生まれた後、どのように成人になるため成長し、メンテナンスされていくのか?」
発生学に沿った内臓や筋肉の動きを意識することで、セッションの質にも変化が起きると思う。
ジェイミー・L・ディヴィスの「人体はこうして作られる」は、発生学の原理原則が書かれているので、発生学を勉強する際に、何を勉強したらいいのか?うまくまとまっていると思う。ただし、生物学の知識がある程度必要だ。
本コラムのどこかで、発生学のオススメの教科書をまとめようと思っているが、残念なことに洋書が中心になりそうだ。
駆け足で、今年の気づきについて書いた。

2018年は、ワークショップへの参加よりもセッションに専念した一年だったが、経験から学んだことは計り知れない。ひとえに同業者やお客さんがあってからこそだと思う。改めて、感謝したい。
年末年始もセッションを提供しているので、もし腰痛、肩こりで悩んでいる方で、効果のなかった方。身体をよく動かす人で、より可動域の改善を求めている方、筋膜リリースに限界を感じている方や、全体から身体を見直したい方には是非ともお越しください!

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